ゲーム業界 -活人研 KATSUNINKEN-、ファリアーに関するスマホアプリ&ソーシャルゲーム連載記事

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【連載】ゲーム業界 -活人研 KATSUNINKEN- 第五十三回「”ヒト”が”ひと”を採る」

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株式会社ファリアー 代表取締役 社長の馬場保仁氏が、ゲーム業界の人材・採用に関して語っていく連載記事「ゲーム業界 -活人研 KATSUNINKEN-」。同氏は、セガで家庭用ゲームの開発を、DeNAではスマホアプリ開発のプロデューサーを担うほか、人事・採用担当も兼任していた。ファリアー社を創業し、“人は人に活かされる”をモットーにゲーム開発、人材発掘・育成にこれまで以上に注力していく。開発現場・採用担当、双方の視点からゲーム業界における“人”に対してスポットをあてた連載記事。
 

■第52回「ヒトがひとを採る」




就職活動
採用活動

真っ只中ですね!
学生さんにとっては、人生のかかった大事な時期ですし、企業にとっては、「欲しい人材」をなんとか採用したい、各社の人事の方にとっては毎日が忙しいだけでなく、胃が痛い日々でしょう!

特に、人事の皆さんにとっては、ゲームクリエイター人材の採用は、「自分たち」=「人事」のスタッフだけでは完結しづらい、難しさを持っています。面接や作品の評価に関しては、どこまでいっても「現場」=「クリエイター」の力を借りねばなりません。

もちろん、大ナタ奮う一次フィルターにあたる部分は、人事の方が経験に基づいてやられているとは思いますけどね!
 

■そもそも、採用人員計画は何人か?


これ、会社によって違うと思いますし、実は学生がまったくもって、見落としている数値です。昔ならいざ知らす、ここ最近は、ネットの情報などでも過去5年の新卒採用数などは調べればわかることが多いです。ですが、

「あの企業は、有名で人気企業だから、受かりにくいに違いない」

たしかに、人気企業、有名企業は多くの方が受けるでしょう。

ですが、同じくらいの知名度(少なくともその人にとって)の企業で、採用数が、4倍違ったらどうでしょう?片方は20人、もう片方は80人!ということも、大いにあり得ます。

どこの企業さんとはいいません、この3年くらいをみても、60~80人ほど、大量に採用をしてくださっている企業さんもあれば、上場している大手パブリッシャーさんでも20人をきるくらいの人数の採用にとどめている企業さんもあります。これは、どちらが良くて、どちらがダメということではありませんw

単純にその企業の「都合」です。おそらく…

・会社がどんどん大きくなってきているのでとにかく人を採りたい
・新規事業、新規プロジェクトを始めるので人が必要
・想定以上に離職者が出た
・この2年、業績的に新卒採用をおさえめにしていたが、事業好転したから…

など

いろいろな理由があると思います。決して、なんとなく、で枠を増やしたり、減らしたりしているわけではありません。ですが、学生は、案外この数値をきにしてません。もちろん、夢を、あこがれを追いかける際にはこんな数値なんかさておいて、とにかく、受ける!だと思います。極論、数値なんかに気を使わないで、「たくさん受ける」子ならば、なんの問題もありませんw

ですが、もし絞って活動したいならば、同じくらいの人気(エントリー数)で、異なる枠の数で会ったら、どっちを選ぶといいでしょうか?個人の嗜好が入らないならば、エントリー数は、自分で選択できないので、枠が多い方をうけたほうが、確率は高まりますよね?

決して、ゲームのような遊び要素はないまでも、考えて行動することで、負けにくい勝負に持ち込むことは可能なのが、就活であり、世の中の事象は往々にしてそういう側面があります。

漫画の「カイジ」や、メジャーリーグの「マネーボール」じゃないですが、気づいた人間が生き残れるのです。そして、気づいてみれば、コロンブスの卵のように、非常にあたりまえのことが多いのも事実なんです…

なので、勝負をかけるときは、何ごとも分析して、そして「行動する」です。極論、分析に時間かけている暇があったら、どんどん行動して、反省して、次にいかす、をクイックにやった方がいいようにも思いますけどね!!!

 

■「なんで、この子をあげてきたんだ!(怒)」


で、次に企業さんの方から考えた場合…

採用人数について、現場、つまりは開発の方からニーズがあったとき、その数字が何を根拠にしたものでしょう?

中途ならば、即戦力なので、入社したその日からワークするような人を、いつまでに、何人ほしい!ときても、ある程度、仕方のないところはあります。もちろん、中途採用がなされること前提で、事業計画がたてられていると、非常に怖いですけどね!

でも、成長産業の場合は、ある程度、見切り発車するところもあると思います。そうでないと、1か月の参入遅れが、致命傷になることもあるからですね。それくらいに、新しい技術や市場というのは、先行者利益が大きいということです。

そのための、即戦力人材、中途採用、外部の協力会社さん、業務委託、派遣契約の皆さんでなんとか、必死にまわしていくところがあるのは、期限があるなら、ある程度仕方ないことかなと思います。ですが、新卒採用は、やや趣を異にします。たしかに、即戦力新卒は、採れたら、採るにこしたことはありません。ただ、そんな人材、1世代に全国見ても、数えるほどしかいないでしょう。また、わたしが長くかかわってきたプランナー採用なんて、20年くらいで、即戦力新卒は、極論3人くらいしか出会ったことがありません。逆に、プレッシャーもかかったものですw

「ああ、この子は明らかに何年かでディレクターになるだろうし、
俺と同じ経験年数たったら、間違いなく、俺を超えているだろう…
でも、こんな才能を、しっかり育てて会社の、業界の財産として活躍させられるか?
彼に敬意を払ってもらい続けるためには、相当に自分も努力し続けないといけないな…」


と、ね!
でも、うれしい出会いです、間違いなく!

ただ、即戦力であることはほぼないわけですね。
ですが、現場は、ともすれば人事に、「いまの仕事に不足している人材」を欲するものです。

たとえ、それが新卒採用であっても、ですね。ですが、新卒採用にたずさわっておられる人事の方は、会社の中期事業ビジョンなどに基づいて、5年後10年後の人材マップをイメージして採用に動こうとされていると思います。この乖離をどのようにして、皆さん埋められているでしょうか? 腹落ちするまで話し合えればいいですが…

それがうまくできていないと、人事の方はつらい目にあうことになります。おそらくエントリーの数が一定以上ある会社さんは、現場の負担を減らすために、エントリーから現場が関与するまでのところで、大きくフィルタリングされると思います。書類選考、人事面接、人事でのグループディスカッションや集団面接、でですね。さすがに1000人エントリーあって、すべて、現場の皆さんだけで裁くのは、かなり難しいと思いますので…

ですが、人事の方がみて落としてしまった人材の中に、実は開発が見ていたらあげていたのに!という人材もいるかもしれません。逆に人事がフィルターかけてあげてきた後に、開発が見た時、

「なんで、この子が一次面接に残ったの?」

ということを言われてしまうこともあるでしょう。そんなこと言うなら、書類や面談から現場がやれよ!と思いますが、そうも言えない人事の苦しさ…みたいなところあると思うんです。

結論から言えば、人が選考するので、人事が見ようが、開発が見ようが、完璧に見ることは不可能です。能力ある学生でも、書類は適当に書いて出してくる学生もいますので!w
こんなので、俺のなにがわかるんだ?」と自信持っている学生ほど、このあたりがおざなりになることあります。なので、そういった学生を書類だけで見破ることはできません。

なので、もう書類やエントリーシートで上げる率は、n%と決めてしまうしかありません

おそらく、多くの企業さんではそうされていると思います。もちろん、見ていったら、そのn%から、多少前後するところはあると思いますが、だいたいそれくらいの率と決めておくことで、迷ったらどうする、かの基準もできます。まあ、わたしは、迷ったら上げる、迷うということは良いところがあると感じているのだから…と前職では言っておりました。もちろん、上げ方にも、優先度を設定してあげていましたけどねw

この一番大きなフィルターかけるところで、

「落とす選考」をやっているのか?
「ポテンシャルをさがす選考」をやっているのか?

で、良い学生に出会う確率は変わると思っています。甘く見すぎて、誰も落とせない、となってはいけませんが、最初に率を決めておけば、だいたいそれに近づいていくものです。そして、基本ものづくりの人材を採用する場合は、ポテンシャルを見る=良いところを探す選考をしていかない限りは、なかなか良い子に出会えません。

特に、プランナーはそうです。

ただ、このポテンシャル見極めを人事がして、開発につなぐと、「なんで、この子あげたの?」になってしまうことがでてきます。確認、イメージすりあわせのための質問の「なんで」は良いと思いますが、叱責とかする「なんで」をやってしまうと、どんどん人事の方や一次フィルター役の方が、保守的になり、「落とす選考」にシフトしていってしまいます。ですので…

①一番大ナタ奮う選考個所は決めるべき (通過率 n% 方針)
②できるだけ、落とす選考でなく、良いところ探す選考を!
③人事や一次フィルタ役の方に、「なんで?」と叱責しない


この3つが大切になります。人事も、学生も、開発だって人の子。頑張ってやってきたことに対して、頭ごなしに叱られて、気持ちよい人はいません。
たしかに、過去がそうだったらそうした、みたいに自分の頭で考え、そのうえで一歩を踏み出してないような場合は、注意喚起したほうがいいですけどね!
 

■特に難しいとされるプランナー採用


ここまで、そもそも、新卒採用は、人事と開発のリレーションが難しいという話をしてきましたですが、まだわかりやすい技術や作品を確認できる、エンジニアやデザイナーの採用はまだ、やりやすいようにも思います。ですが、ここでいろんな企業の人事の方とお話しすると、

「プランナー採用は本当に難しい」

という言葉をたびたび聞きます。
それは、その企業の中に、もしくは人事の方の中に、プランナーに求められるスキルセットやマインドセットが何か?が確立されていないことが多いからだと思います。

それ以前に、そもそも、プランナー職って何をやる仕事なんでしょう?

プランナーに求められる資質や、技術も、各社によって異なるところが多いです。これはこの2年ほど職業紹介事業をやってきても、感じるところです。どこがよくて、どこがダメ、なのではなく、評価される観点が異なるのです。それがその企業さんの特性なのでしょう…

わたしは、前職時代、「3年後にディレクターorイベントオーナーを任せられる人材をプランナーとして採る」と定義づけて採用をしていました。なので、3年後にむけて、今なにができて、どんな資質をもっていて、そして何を教えていったら、この子は学び成長できそうなのか?をはかる「選考」をしなくてはいけなかったのです。

また、わたしはセガ時代から「なぜ、面接と企画書提出だけで、プランナーの資質を見極められるんだろう?」と思っていました。あ、誤解を招くといけないですが、現在のセガさんの採用フローはそれ以外もやられてますし、インターンシップもやられています。あくまでも10年くらい前の話です。

たしかに、面接は人となりがわかりますし、じっくり話すことで、その人が面白さに向き合える人か?などをある程度見ることはできると思います。ですが、面接時は、学生は自分を最大限盛ってきて、企業の面接官は、必死にあらをさがすわけじゃないですか? あまり生産的でないですよねw

でも人生かかったことだから、どちらもそういう振る舞いになるのも致し方ないことだと思います。だからこそ、ゲームのルールを変える、目的設定を変える必要があるのではないか?と思ったのです。

もちろん、各社の採用担当の方の、工数のかけ方によってかわると思います。

人事、開発のリレーションも大事です。また、大前提として「新卒採用に力を入れて、しっかり見極め、未来を担う人材確保こそが企業が成長するエンジンである」ことを皆が理解して行動できているか?ということに尽きます。なので、どれだけ仕事できる人でも、こと、採用に関しては、この意義を見出せない人や学生を見下ろす人は選考官に不向きだといえるでしょう。

必要以上にしたからいく必要はありませんが、「とってやる」というメンタリティで採用する時代は終わりました。そして、終身雇用、ファミリーとして採用して、いつづけてもらう、という企業と社員の関係も変化をみせてきています。また、この連載で何度も話してきています、学生たちの半数以上がかかえる奨学金の問題がある以上は、ファミリーであることは、精神性ではなく、この借金をいかにして、かえさせてやるか?を親身に考えることに尽きるのではないでしょうか?

さてさて、最後は少し話がそれてしまいましたw

で、わたし、これまで「駿馬」というゲームクリエイター育成講座を毎月のように全国で開催してきました。地方の学生さんと接して、その熱意や夢は、やはり捨てがたいものがあるな、と思います

が、同時に、各地方にある学校群の、1学年の枠人数と、その地方の企業群の1年間の総採用数は、乖離しており、全員でないにしても、50%が業界就職したい!となっても、その地方だけでは賄いきれません。やはり、東京・大阪といったゲーム企業が集中する土地に橋渡しすること、これは非常に大事なことなのだとあらためて思います。ですので、今後も、

・駿馬~ゲームクリエイター育成講座~ → 勉強会
・駿馬KAIKOU → 勉強会+合同説明会


を実施していくことで、地方学生に、東京・大阪の企業さんとの出会いの場を増やしていこうと思いますし、地方におこしいただく東京・大阪の企業さんにとっても、その地方の学生さんに希望を見出せるように、事前に勉強会を開いて、レベル向上、熱意アップ!を図っていきたいと思っています

そして!!! 新イベントブランドを立ち上げようと思います。それは…

・伯楽 ~ゲーム人材採用 勉強&交流会~

というものです。学生から業界目指すクリエイターたちを「駿馬」、若馬とするならば、それを見極め、採用したり、育成する人事の方の集まり、先生方の集まりとして、馬を育てる人「伯楽」をその冠として、学校、企業両面をサポートしていく、勉強会、交流会を実施していこうと思います!

その第一回を、アカツキさんのご協力をえて、

○第一回 「伯楽(HAKURAKU)」ゲーム人材採用 勉強&交流会
日程:6月7日(木)
時間:開場 18:30 開始 19:00
場所:株式会社アカツキ 8F


詳細は、こちら

まずは、第一回なので、少人数でおこないたいと思います!
今回は、以上で!

 
ご相談、お問い合わせは…

株式会社ファリアー

 


■著者 : 馬場保仁
株式会社ファリアー 代表取締役社長。過去、セガ(当時 セガ・エンタープライゼス)で『プロ野球チームをつくろう!』『Jリーグプロサッカークラブをつくろう!』など多数のゲーム開発に従事。その後DeNAにてスマホアプリ開発のプロデューサーを担うほか、人事・採用担当も兼任。現在は、ファリアー社を創業し、“人は人に活かされる”をモットーにゲーム開発、人材発掘・育成にこれまで以上に尽力している。著書に「ゲームの教科書」(ちくまプリマー新書)がある。



■ゲーム業界 -活人研 KATSUNINKEN- バックナンバー

第五十二回「誇り、やりがい、お金」

第五十一回「キャップは、誰が決める?」

第五十回「出口に対する意識〜後編〜」

第四十九回「出口に対する意識〜前編〜」​

第四十八回「ゲーム業界に就職すること」​

第四十七回「お金の話」​

第四十六回「伝える姿勢」​

第四十五回「どこをみるか?いつをみるか?」​

第四十四回「体験する重要性」​

「ゲーム教育トーク」【前編】(第四十三回)​

「ゲーム教育トーク」【前編】(第四十二回)​

第四十一回「"いま"やるべきこと〜その②〜」

第四十回「"いま"やるべきこと」

第三十九回「ゲームをつくるのは楽しい!」

第三十八回「軸足をもつ」

第三十七回「どんな経験が?」

第三十六回「自分だけの面白いから脱却」

第三十五回「幸せのカタチ、面白さのカタチ」

第三十四回「プロの言葉・責任」

第三十三回「小さな成功、大きな成功」

「ゲーム業界クリエイター教育トーク」【後編】(第三十二回)

「ゲーム業界クリエイター教育トーク」【前編】(第三十一回)

第三十回「指導者に問われるもの」

第二十九回「そもそも、企画の仕事って…」

第二十八回「転職〜中級編・自分の価値を知る〜」

第二十七回「転職〜入門編〜」

第二十六回「リーダーシップとは」

第二十五回「思考のスタミナ」

第二十四回「出て行く勇気」

第二十三回「個人でつくる・集団でつくる」

第二十二回「指摘される勇気、指摘する気遣い」

第二十一回「どこを見るか? どう採るか?」

第二十回「100%の力を発揮するために……」

第十九回「まずは、”伝える”ことから始めよう!」

第十八回「カード少なく勝負に挑まない」

第二回「学校トーク!!」…三者鼎談【後編】(第十七回)

第二回「学校トーク!!」…三者鼎談【前編】(第十七回)

第十六回「新人事始」

第十五回「就職活動にみられる地方格差」

第十四回「【思いやり】の向こう側

第十三回「仕事選び 〜成長・夢・時間〜

第十二回「本当にそれは、ゲームに必要か?」

第十一回「ハッカソンの功罪」

第十回「会社選びと成長(プロ、アマ問わず)」

「学校トーク!」 東京工芸大学 『パックマン』生みの親 岩谷徹氏に訊く【後編】(第九回)

「学校トーク!」 東京工芸大学 『パックマン』生みの親 岩谷徹氏に訊く【前編】(第八回)

第七回「学生さんにやっていただきたいこと~後編~」

第六回「学生さんにやっていただきたいこと~前編~」

「社長トーク!」第1弾 コロプラ 馬場功淳 社長【後編】(第五回)

「社長トーク!」第1弾 コロプラ 馬場功淳 社長【前編】(第四回)

第三回「若手のチャンスとキャリアパス」

第二回「企業×学校×学生」

第一回「ゲーム業界って本当に人手不足なの?」
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企業情報(株式会社ファリアー)

会社名 株式会社ファリアー
URL http://farrier.jp/
設立
代表者 馬場保仁
決算期
直近業績
上場区分
証券コード

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