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【インタビュー】グリー、住友商事、米Ellationにきく北米ゲーム展開のゲームの手応え…共同パブリッシングを生かしたその成果に迫る

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グリー、住友商事、米Ellationは『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~メモリア・フレーゼ~』を北米にてリリースした。(関連記事

本タイトルは、住友商事が2016年から、米Ellation(日本アニメ等の日本発コンテンツを提供する配信サイト「Crunchyroll」を運営)との協業を開始し、2018年3月29日に第一弾として、グリーと協業でリリースされた作品となる。ゲーム制作に強みのあるグリーがゲームの企画・開発・運営を、Crunchyrollに日本アニメのコアなファンを数千万人規模で擁する住友商事・Ellationがプロモーション・ローカライズを担当するという協業だ。

日本のアニメIPのモバイルゲームを北米市場にて3社共同でパブリッシングした成果とその成功要因とはどうなのか。また、日本アニメIPを用いたモバイルゲームの北米展開の成果をどのようにみているのか。

今回の取材では、本北米展開における成果、今後の課題と展望について、グリーWright Flyer Studios事業本部の野澤武人氏(写真右)・森下滉大氏(写真中央)と、住友商事メディアエンターテインメント事業部の白井豪太郎氏(写真左)にインタビューを行った。(インタビュアー:美田和成)
 

■日本のゲームをストレートに楽しんでもらう


―:よろしくお願い致します。早速ですが、リリースされての反響としてはいかがでしょうか。
 
野澤氏(以下、野澤):よろしくお願いいたします。まず、リリース前において、日本のタイトルは日本ユーザーのゲームプレイスタイルに即した形で制作されているという固定観念がありました。

そのため、異なるゲームプレイスタイルの北米のユーザーが遊んでくれるのか疑問視されていましたが、結果として立ち上げ間もなく好調な売上になりました。一般に日本発のゲームを海外でリリースした場合、海外版のKPIは日本版のそれより劣ることが多いのですが、今回ダンメモの場合は、日本と同等に高い水準となりました。

 
―:ゲームトレンドが日本市場と異なる北米市場において、これまでの多くの日本発のタイトルは苦戦してきた過去がある中、今回このような良好な結果につながった要因は何だと考えられますか?
 
野澤:展開当初は、北米市場のユーザーの日本アニメに対するモチベーションはそれほど高くないと想定していました。しかしながら、結果としてユーザーの熱量は期待値よりもはるかに高く日本ユーザーのそれに匹敵していました。まずこのあたりが、成功の一因であったと考えられます。
 
白井氏(以下、白井):クランチロールがここまで大きく成功した要因の一つとして、掲示板などのコミュニティを通じてファン自らが主体的に関わり、自分たちのコンテンツとして愛情を持って接してきた、その背景にあると考えています。

熱量に関しては、タンメモ北米版の立ち上げ当初から感じていたことですが、ダンまちについても自分たちのコンテンツとして自分たちが愛情を持ってこれまで育ててきたという自負があり、ゲームリリース後の結果が好調なことについても、ダンまちに対する北米市場のユーザーの思い入れの強さがうかがえます。
 
野澤:ダンメモをユーザーに訴求する際、そのゲーム性からアピールするのではなく、北米のアニメファンにとって身近なアニメ配信サイトであるCrunchyrollを介して、ダンメモのプレイに促しました。


入り口をゲーム軸でなくIP軸とすることでCrunchyrollに数万人規模でプールされているコアなアニメファンに向けた、最適なターゲティング戦略が功を奏したと言えます。また、日本人向けのプレイスタイルに特化したゲームを北米市場のトレンドに即して改修することなく、そのまま北米に展開したことも成功要因の一つであり、結果的に北米ユーザーに受け入れられました。
 
白井:これは重要な発見でもあったのですが、日本のゲームを、そのままの形でストレートに楽しみたいという北米市場のユーザーのニーズが強かったと思います。
 
―:日本アニメIPのみならず、日本版そのもののモバイルゲームをプレイしたいというニーズが北米市場のコアなアニメファンにあったからこそ、ダンメモのゲーム性もそのまま受け入れられたということですね。
 
白井:その通りです。今回は基本的に言葉の翻訳しか行っておりませんが、それが結果的にユーザーに受け入れていただけました。そのような仮説を持って臨みましたが、ふたを開けてみると喜んでいただけたので本当に嬉しいですね。

 

■コミュニティマネジメントを意識したプロモーション


―:プロモーションの運営・体制面において、工夫された点はありますか?
 
森下氏(以下、森下):日本の運営と同じスピード感で、北米においても日本側との時間差を生じさせない様、スケジュール調整や体制構築を行いました。今回特に気を付けて取り組んだ点としましては、リリースしてすぐ遊べた時の盛り上がりを重視するために日本と北米で同じタイミング且つイベントを高い頻度で開催し、日本語版と英語版を同時にリリースしたことですね。

一部のユーザーへのネタバレや、北米市場のユーザーが待たされてゲームへの新鮮味が失われ、熱量が下がってしまうことが無いように、すべてのユーザーに平等にサプライズを届けるため、同じ体験を同じタイミングで楽しんで頂くことに注力しました。結果として、供給側・需要側共に高い熱量を維持することができています。
 
野澤:運営面では、半年先のイベントまで見据えた長期的且つ綿密なスケジュールを組んだ上での着実なイベントの実行と、それに伴う日本と北米でのイベントの同時リリースの実現が特徴と言えます。体制面ではやはり、膨大な監修が必要な中、原作者の大森先生と、ゲーム展開におけるアニメ製作委員会の協力が大きかったと言えます。

アニメ作品の中で一つの重要なメディアとしてのゲームをお互い本気で開発するという気持ちがあっため、コンテンツ更新の頻度と品質向上に対するモチベーションは高かったですね。関係者の方々の理解と協力がなければ、先々までのゲーム運営・イベント企画を実行まで繋げていくことはできなかったと思います。

 

―:熱量の高い北米市場のユーザーに、日本と同時且つ同じボリュームでのイベントが届けられたこと、またその成功の背景には大森先生やアニメ製作委員会の理解とシームレスな協力体制があったのですね。
 
白井: Crunchyrollのアニメ自体も、ゲーム運営同様に、日本と同タイミングで放映していることから、ゲームにおいてもイベントの同時発信を行い、ユーザーにフラストレーションを与えないよう心掛けました。

また、リリース前から「ダンまちファンとつくる、ダンメモ」をプロモーションコンセプトとして掲げ、ユーザーに響くリアルイベントやコミュニティイベントを多数用意しました。ニューヨークで昨年11月に開催されたアニメイベント「Anime NYC」でのコスプレイベントや、Facebookおよび Twitterの公式アカウント上での人気キャラクターの塗り絵キャンペーンやキャラクタートーナメント等がその例です。

塗り絵キャンペーンに関しては、人気キャラクターの衣装デザインを募集しました。最優秀作品は実際のゲームに登場させました。結果として、応募頂いたデザインの中には、かなりの力作が多数出てきて、コミュニティでもかなり話題となりました。

 

―:リリース前から戦略的にコミュニティマネジメントにもしっかり取り組まれているのですね。
 
白井:はい。コミュニティにおけるファン参加型イベントはかなりの反響がありました。例えば、ダンまちの声優の方々や大森先生のサイン色紙をプレゼントするキャンペーン企画では、日本にも存在しない、世界で一つだけのものを手にすることができた喜びをFacebook等のコミュニティでシェアし合うなど、ユーザー間での良い関係ができています。このようなことから、コミュニティの重要性、有効性を改めて実感しています。

また、上記の様なオンラインイベントのみならず、リアルイベントにも取り組みましたが、そこでは友達・カップルに加えて家族連れも多く見られました。海外のアニメファンの特徴として、コスプレをする様なコアなファンはもちろんのこと、そうでないファンの方にインタビューをしても、ダンまちアニメに対する熱い想いを包み隠さず、オープンに表現されていたのが印象的でした。

 

―:単なるプロモーションではなく、Crunchyrollにおける熱量の高いユーザーをSNSに集め、コミュニティマネジメントとリアルイベントをしっかり行うことで、ユーザー参加型の雰囲気を醸成し、ファンを温めることができたということですね。それでは、現状の課題や今後の展開についてお聞かせください。
 
白井:熱量高いファンに適切なアプローチを継続することが大切で、大量且つきめ細かな情報を日本と海外で同時に発信し続けていくことが今後も課題となります。また、引き続きリアルイベントには注力していきたいですね。

クランチロールでは、数万人規模のアニメイベントへの出展を数多く予定していますが、イベントにはより熱量の高いユーザーが集まってきますし、イベントはユーザーと直接会話することで、今後のCrunchyroll Gamesに対するニーズを収集する絶好のチャンスでもあります。

 
森下:更なるサービスの品質向上として、既存ユーザーからの声を整理・分析することで、カスタマーサービス機能の精度向上を図っていきたいと考えています。また時差の関係もありタイムリーに対応できていない点もあるため、その改善も今後の課題として認識しております。
 
野澤:今回の日本から北米への展開を通して感じたことは、日本発のモバイルゲームの海外展開(特に英語圏)が難しいと言われる中、ネット社会の特質を活かして、餅は餅屋で、各地各人のリソースを効率的に活かした最先端の手法で臨めたことは大きな成果だと思います。今後もこうした取組の中で、リリース作品のサービス品質向上やタイトル数の増加を図っていきたいと考えています。

 
―:今回の取組みにより、日本アニメファンの土壌は形成されており、そのユーザープールに向けて出すアニメIPのモバイルゲームは、きめ細やかなマーケテイング、タイムリーな運用をすれば成果が出る、ということが実証されたかと思います。まさにクールジャパンな取り組みでもあり、今後もダンメモに続く第二弾、第三弾のリリースと成功を楽しみにしています。本日はありがとうございました。
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