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【CEDEC 2018】『D×2 真・女神転生リベレーション』の悪魔アニメーションを短期間のアウトソーシングで制作するヒントを伝授

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コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、8月22日~24日の期間、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)にて、国内最大のゲーム開発者向けカンファレンス「コンピュータ・エンターテインメント・デベロッパーズ・カンファレンス 2018」(CEDEC 2018)を開催した。

本稿では、8月22日、セガゲームスの開発統括部アート&デザイン部/TAセクション リードテクニカルアーティストの亀川祐作氏が登壇したセッション「『D×2 真・女神転生リベレーション』におけるアニメーション制作事例~184体の魅力ある悪魔アニメーションを少人数+アウトソーシングで短期間で制作するヒント~」のレポートをお届けしていく。本セッションでは、『D×2 真・女神転生リベレーション』のアニメーション制作における事例を通じて、大量のユニーク体格のキャラクターのアニメーションアセットを少人数・短期間でどのように外部の協力会社と共に制作したかを紹介した。


▲セガゲームスで開発統括部アート&デザイン部/TAセクション リードテクニカルアーティストを務める亀川祐作氏。
 

■作成期間を予想して協力会社とコミュニケーションを取る


『D×2 真・女神転生リベレーション』のアニメーション制作が行われたのは、2015年10月から2018年1月にかけての期間。その期間内で200体近くの悪魔のアニメーションが作られた。量産期間のひと月あたりの制作数は平均16体。1日あたり1.3体の制作・発注が行われていたという。




▲悪魔1体あたりのスペックはこの通り。PS3相当のスペックとなっており、悪魔のバリエーションも多種多様。スマートフォンゲームとしてはかなり大がかりなものになっている。

今回語られるのは、上記の図の真ん中にあたる「量産期間」の部分だ。当時の開発体制は、チェックバック、リガ―、TAなど社内の数人の人員に加えて、協力会社5社の合計20人のモーションデザイナーで制作を行っていた。

ワークフロー管理については、まずはデザインの元になる字コンテが作られる。これを版権元のアトラスの監修を経て作成し、協力会社に発注を掛けるというのが大まかな流れだ。発注をかける際にも、発注用の資料作成、打ち合わせ、トライアルを綿密に行い、精度の高い発注を出せるように心がけているとのこと。制作の中では、モデル作成→リグ作成→モーション作成→社内チェック→Unity組み込みという工程が組まれており、その後再びアトラスの監修を受けて完成を迎える。



亀川氏は、制作で重要となるアウトソーシングを成功させるための条件を挙げた。ポイントとなったのは、こちらの工程の理解している経験者であること、余裕を持ったスケジュールで作業ができることなどに加え、発注先のアーティストが自身のセンスを活かせるような依頼を意識しているという点。精度の高い依頼はするものの、アーティストが自身に味を出せるように詳しい指示は出さす、開発参加意識を持ってもらいモチベーションの向上に繋げてもらう狙いがあるようだ。



協力会社に求める条件はいくつか用意されており、これを満たせる会社にアウトソーシングが行われる。回数を重ねていくうちに、その中でもより良い完成品を作れる会社があれば、そちらに難易度の高い発注をするなどバランス調整を行い、徐々に効率的な発注ラインを完成させていく。管理コストの面も意識して、1つの会社で多くのラインを用意できるというのも重要な条件となる。



余裕を持ったスケジュールで制作を進行するためには、1個のあたりの作業工数を把握しておくことが大切になると亀川氏は語る。『D×2 真・女神転生リベレーション』においては、1体あたりの作業工数は15人日として計算していた。この15人日には予定しづらい監修の作業は含まれていないため、そちらは随時差し込みで行っていくそうだ。序盤はこの手法で進めていき、感覚が掴めてきた段階で人月ベースに切り替えてより柔軟な対応をしてもらうようにしているとのこと。



発注で協力会社に送るのは、共通の発注資料に加えて、そのキャラクター固有の制作資料となる。この資料において重要な部分として、亀川氏はチェックバックの基準を明確に決めておくことだと述べた。これは作業担当者がチェックバック理由を理解しやすくしてモチベーションの低下を防ぐ狙いと、担当チェック者の基準を統一する狙いがあるとのこと。



▲発注の際にはゲーム内で実際にどう見えるかも伝えつつ、それを意識したデザインを発注する。悪魔のアクションにもいくつかのルールを設けており、字コンテにて要点を伝えるようにしている。




トライアルで確認する事項となるのは、技術力、コミュニケーション力、想定の作業工数、発注資料の中身の4つだ。技術力はチェックバックの回数で判断して管理コストをあらかじめ算出。コミュニケーション力はチャットツール「cisco webex teams」を使ってデータのやり取りを円滑に行えるような仕組みを用意した。亀川氏は「トライアルにおいても本番想定で臨むのが望ましい」と述べた。



▲「cisco webex teams」はスマートフォンでも操作可能なため緊急時の対応も可能。画像回覧もチャット上で可能で、ファイルの受け渡しにも適したチャットツールとなっている。


 

■経験から語るアニメーション作成の苦労点とその対策


続いて亀川氏は、デザイン面で苦労した点について経験を基に語った。具体的に上げられたポイントは「待機姿勢のデザイン」「リグの構造」「アニメーションのノイズ」の3つだ。

悪魔の待機姿勢はデザイン画に近づけるというルールのもと作られる。「ジャンヌダルク」という悪魔は、デザイン画は跪いたような姿勢をとっている。しかし、ここで待機モーションをこの通りにしてしまうと、攻撃時にまた跪いた姿勢に戻るという不自然な動きになってしまう。そこで2つの改善案が提案された。



ひとつは、攻撃のあとに立ちループを挟み、その後待機姿勢に戻るようなモーションにする解決案。



もうひとつは、カメラのアングルを利用して、攻撃のカット割りを調整することで待機姿勢を意識させないような解決案になる。こうした違和感にも敏感に反応して改善を重ねるのが重要になってくるようだ。



ニ点目のリグの構造については、モデルを即座に対応させるため、キャラ改装はリファレンスを参照できるようにし、モーションモデルと最新モデルをプロキシで切り替えられるような形が取られた。また、リグはシンプルなものを心がけ、協力会社の独自ツールにおいてもベース企画が統一できるような仕組みが整えられている。リグをシンプルにすることで、トラブルの防止や作業理解度の向上にも繋がっているそうだ。



リグ作成をより効率化させるため、複数のツールも用意。良く使う部分をツール化させておくことで、引き継ぎの効率化や作業スピードアップの効果が期待できる。例として挙げられたのは、多くの悪魔に使われる「人型用リグツール」。鳥、昆虫、機会などの足に使われる「3ジョイントIKツール」。ジョイントが多い部分に使われる「スプラインIKツール」など。特に「スプラインIKツール」はストレッチ機能のオンオフが可能となっており、曲がったままの状態でも使えるものとなっている。ストレッチ機能をオンにしておくとテクスチャーが伸びてしまうという点もあるが、これは動きの最中に長さが変わっても見た目上は気にならないため問題は発生しないそうだ。






三点目は、Unityでのアニメーションの問題について。これは、Unityで長い階層を持つキャラにノイズが発生するという問題が起きていたということがあったとのこと。原因となっていたのは、MAYA上で回転値が不連続なアニメーションカーブになっており、Unity上ではキーフレーム間が再生されてしまっていたという部分だ。これを解決するため改装を並列構造に変更が行われた。





最後に亀川氏は今回のセッションのまとめを行った。まずは少人数でアニメーションのアウトソーシングを成功させるため、ローコストでの発注と管理を意識し、トラブルを最小限に、コミュニケーションコストを抑えるための体制を準備することが必要だと述べた。トラブル防止という点においては、リグについてもシンプルなものを用意してやり直しが起こりづらい環境づくりをして、ツールなどで作業の効率化を図る必要があるとし、本セッションを締めくくった。

 
(取材・文 ライター:セスタス原川)


 
■『D×2 真・女神転生リベレーション』
 

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企業情報(株式会社セガゲームス)

会社名 株式会社セガゲームス
URL http://sega-games.co.jp/
設立 2015年4月
代表者 里見治紀
決算期 3月
直近業績 売上高683億円、営業利益64億円、経常利益77億円、最終利益60億円(2018年3月期)
上場区分 非上場
証券コード

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