16四半期連続で営業赤字だったenishの第3四半期 『欅のキセキ』で急回復した売上は低下傾向に 



enish<3667>が10月30日に発表した第3四半期(2018年7~9月)の決算は、売上高が前四半期比(QonQ)で6.1%減の13億1500万円、営業損益が1億6000万円の赤字(前四半期1億9400万円の赤字)、経常損益が1億5900万円の赤字(同1億8600万円の赤字)、最終損益が1億6100万円の赤字(同1億8900万円の赤字)となり、減収・赤字幅縮小となった。
 


『欅のキセキ』のリリース以降、低下傾向にあった売上が一気に回復したものの、なかなか赤字から脱却できずにいる。足元の業績動向を見ていこう。

まず、売上高を見るとQonQで6.1%減の13億1500万円と減収となった。人気アイドルグループ「欅坂46」とのコラボタイトル『欅のキセキ』を前期第4四半期中(2017年10月)にApp StoreとGoogle Playでリリースし、売上が大きく伸びたものの、リリースした四半期をピークとして減収傾向に入っているように見受けられる。
 


同社によると、『ぼくのレストラン2』や『ガルショ☆』など主力ブラウザゲームの落ち込みに加えて、『欅のキセキ』がイベントの強弱によるブレがあったとのこと。『ぼくのレストラン2』については新機能の追加を行い、『欅のキセキ』は記念ガチャや福袋の販売など1周年施策を通じて売上の回復を図っていくという。

他社の決算でも見られるように、一般的に周年イベントは売上が大きくなる傾向にある。『欅のキセキ』についてはApp StoreとGoogle Playの売上ランキング推移を見る限り、10月において大きく変わったようには見えないが、引き続き注視していきたいところである。
 
【App Store】



【Google Play】
出所:AppAnnie


また、営業損益は1億6000万円の赤字と、前四半期の1億9400万円の赤字から縮小。広告宣伝費と変動費を減らしたことが主な要因。ただ、赤字が続き、これで16四半期連続となる。新作開発の制作費や外注費など先行投資やロイヤリティなどもあり、売上高原価率が95.1%(前四半期96.9%)と高水準だ。前期には粗利ベースから赤字だったこともあった。
 


今後の赤字脱却のカギは、売上を伸ばして利益創出を目指すか、原価を抑えていくかのいずれかになるだろうが、売上についてはオリジナルタイトル『De:Lithe ~忘却の真王と盟約の天使~』と未発表のIPタイトルを投入する。また原価抑制については、新規タイトルは人員を増員しない方針で開発に注力するとのこと。
株式会社enish
http://www.enish.jp/

会社情報

会社名
株式会社enish
設立
2009年2月
代表者
代表取締役社長 安徳 孝平
決算期
12月
直近業績
売上高35億800万円、営業損益12億600万円の赤字、経常損益12億6500万円の赤字、最終損益13億7400万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3667
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