【ドリコム決算説明会】不採算アプリの整理完了にメド 第4四半期は営業黒字転換の見通し 過去最高の流通総額を記録した「enza」への投資は継続



ドリコム<3793>は、1月31日、第3四半期(18年10~12月)の連結決算を発表するとともに、証券アナリスト・機関投資家向けの決算説明会を開催した。発表した決算は、売上高79億4700万円(前年同期比21.2%減)、営業損益7億0400万円の赤字(前年同期3億4100万円の黒字)、経常損益12億8200万円の赤字(同1億9300万円の赤字)、最終損益13億7200万円の赤字(同7500万円の黒字)だった。

内藤裕紀社長(写真)は、「営業利益の改善が予定通りに進んだ。第4四半期は絶対額が小さいが、黒字に戻る見通しだ。2016年、17、18年で拡大路線の中でうまくいかないタイトルが一部出てきて、整理を行なってきた。ようやく改善のめどが出てきた」と述べた。第4四半期(1~3月)は営業黒字に転換する見通し。今期中に不採算タイトルの整理を完了させ、クリーンな状態で来期に臨む考え。
 



決算を見ていくと、売上高は前四半期比11.4%減の23億8700万円と減収となった。『ONE PIECEトレジャークルーズ』や『ダービースタリオン マスターズ』など既存IPゲームが堅調に推移したが、拡大路線のなかでリリースした一部タイトルの売上不振が影響した。

 


営業損益は1億2600万円の赤字(前四半期1億6100万円の赤字)と赤字幅が縮小。不振だった018年3月期のリリースタイトルは減損処理を行い減価償却費が減ったことに加え、労務費と外注費の削減が進み、採算性の改善が進んだ。ただ2019年のリリースタイトルが赤字となったことで収益改善効果が一部相殺された。

 


経常損益は、4億5800万円の赤字(同3億1100万円の赤字)と赤字幅が拡大した。BXDとともに取り組んでいる「enza」事業について、バンダイナムコホールディングスが連結決算上の資産を再評価した結果、3億2400万円の持分法投資損失を計上したことが響いた。さらに不採算タイトルの減損で、最終損益7億1700万円の赤字(同1億5000万円の赤字)となった。
 


続く第4四半期(10~12月)は、売上高28億5400万円(前四半期比19.5%増)、営業利益1億0400万円(前四半期1億2600万円の赤字)、経常損益1900万円の赤字(同4億5800万円の赤字)、最終損益1億2900万円の赤字(同7億1700万円の赤字)となる見通し。
 


既存ゲームアプリが堅調に推移することに加え、不採算タイトルの改善も進み、収益は改善する見通し。「enza」については12月に過去最高の流通額を記録したが、引き続き投資を行っていく考え。このため、経常損益については引き続き赤字となることが見込まれる。
 


 
(編集部・木村英彦)
株式会社ドリコム
http://www.drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高108億円、営業利益22億8100万円、経常利益21億9200万円、最終利益11億5900万円(2023年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
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