【モバイルファクトリー決算説明会】『駅メモ!』の周年の反動によるQonQでの減収減益は「想定通り」(深井COO) 『駅メモ!』IPのビジネス化も検討へ


モバイルファクトリー<3912>は、4月19日、東京都内で決算説明会を開催した。説明会に先立ち発表された2019年12月期の第1四半期(1~3月)の連結決算は、売上高7億6100万円(前年同期比32.1%増)、営業利益2億3800万円(同75.4%増)、経常利益2億3800万円(同76.0%増)、最終利益1億6500万円(同77.6%増)となった。

説明会では、同社の深井COO(写真)と執行役員【管理管掌】の佐藤氏が2019年12月期の第1四半期(1~3月)の決算や事業の概要についてを説明した後、質疑応答が行われた。今回はその内容なども踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
 

■アプリ版4周年キャンペーンの反動でQonQで減収減益に


まずは第1四半期(1~3月)の業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高は前四半期比9.7%減の7億6100万円、営業利益は同10.1%減の2億3800万円、経常利益は同10.1%減の2億3800万円、最終利益は同9.0%減の1億6500万円となった。主力タイトルの『ステーションメモリーズ!』(以下『駅メモ!』)において、前四半期はアプリ版の4周年キャンペーンを実施した反動から減収減益となったものの、会社側では売上高、営業利益ともに想定通りの推移としている。
 

続いて主力サービスである位置ゲームの推移を見てみると、こちらも売上高は前四半期比11.2%減の5億9200万円となった。ただし、この数字は2四半期前の売上高の水準とほぼ同じになっている。『駅メモ!』は第2四半期にコロプラ版、第4四半期にアプリ版の周年を開催しており、深井COOは「第1四半期と第3四半期は周年はく落で(売り上げが)落ちるのは想定通り」としていた。なお、『駅メモ!』はこの第1四半期もDAU(日時アクティブユーザー数)は過去最高を更新したとのこと。
 

続いて、販管費の推移を見ると、広告宣伝費は前四半期の9200万円から7700万円に減少した。プロモーション効果の精査を行い広告費は引き続き減少傾向にあり、「今後もなるべく少ない広告費で効率的に展開する」(同)という。
 
 

■『駅メモ!』IPのビジネス化も検討 ブロックチェーン関連は普及に向けたサービス拡充に注力


続いてサービスの状況を見てみると、『駅メモ!』は初の「公式ビジュアル設定資料」の受注生産販売を実施した。販売価格5000円(税抜)とやや高額な商品で、受注生産という形ではあるが、「予想以上に売れた」(同)と手ごたえを得られたもようだ。さらに今後は、『駅メモ!』について、「IPとして、どうビジネスにしていくかを検討していく」(同)ともしていた。
 

O2Oの展開としては、『駅メモ!』で城崎温泉とその周辺をめぐるデジタルスタンプラリーや、「あつめて!全国“鉄道むすめ”巡り」とのコラボキャンペーンを開催したほか、『駅奪取シリーズ』でもソーシャルゲーム『宇宙戦艦ヤマト2202 遙かなる旅路』とのコラボキャンペーンを実施した。
 


一方、ブロックチェーン関連の取り組みは、ブロックチェーンゲームとアプリに特化した日本初のDApps検索サービスとなる「FinDApps」のベータ版をリリースした。引き続き今期は、開発者向けDApps開発キット「Uniqys Kit」や仮想通貨を所持していなくてもDApps利用を可能にする開発者向けサービス「Uniqys Transaction Proxy」の正式版のリリースなど、DAppsの普及に向けたサービスの提供を進めていくとしている。
 
 

■2Q予想は据え置き 1Q実績での進捗率も順調


2019年12月期の連結業績予想については、グループの事業を取り巻く環境が急速に変化しており、事業の成長速度を予測することが難しく、現時点で信頼性の高い通期の業績予想を算出することが困難とし、第2四半期累計(1~6月)の連結業績予想のみを開示。2019年12月期の第2四半期累計(1~6月)の業績予想は、従来予想から変更なく、売上高15億5800万円(前年同期比13.8%増)、営業利益4億500万円(同8.9%増)、経常利益4億500万円(同9.1%増)、最終利益2億8000万円(同9.3%増)の見込み。

ちなみに第2四半期累計の連結業益予想に対する第1四半期実績での進捗率を見てみても売上高は48.8%、営業利益と経常利益は58.8%、最終利益は59.1%という順調な推移になっている。
 
 
(編集部:柴田正之)

 
株式会社モバイルファクトリー
http://www.mobilefactory.jp/

会社情報

会社名
株式会社モバイルファクトリー
設立
2001年10月
代表者
代表取締役 宮嶌 裕二
決算期
12月
直近業績
売上高33億7000万円、営業利益9億4500万円、経常利益9億4000万円、最終利益ゼロ(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3912
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