DeNA、2019年3月期の営業利益は51%減の135億円…ゲームの減収が響く、スポーツやオートモーティブなどへの先行投資も負担

ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、本日(5月10日)、2019年3月期の連結決算(IFRS)を発表し、売上収益1241億円(前の期比11.0%減)、営業利益135億円(同50.9%減)、税引前利益180億円(同40.5%減)、最終利益127億円(同44.7%減)だった。

 


売上収益は、ゲーム事業の減収やDeNAトラベルが連結の範囲外になったことなどで減少した。売上原価・販売費及び一般管理費を抑制したものの、減収をカバーできず、営業利益、税引前利益、最終利益は減益となった。

なお、ペイジェントの全株式の譲渡に伴う子会社株式売却益45億円など計上したが、前の期においては海外子会社DeNA Globalとngmocoの清算手続が完了したことに伴い、連結財政状態計算書の資本におけるその他の資本の構成要素に累積されてきた当該海外子会社に係る為替換算差額の累計額を、資本から損益に振り替えた結果、その他の収益に106億円を計上していたため、この期はマイナスとなった。

セグメント別の状況は以下のとおり。


① ゲーム事業
売上収益は835億円(同14.7%減)、セグメント利益は182億円(同27.2%減)だった。ユーザ消費額は減少したが、費用面では、販売促進費・広告宣伝費や業務委託費等を中心に筋肉質化を図ったほか、さらなる固定費の最適化を継続的に行い、健全な収益性確保に向けた取り組みを推進した。

② EC事業
売上収益は122億円(同23.6%減)、セグメント利益は12億円(同168.2%増)となった。DeNAトラベルが連結の範囲外になったことにより、売上収益や売上原価・販売費及び一般管理費が減少した。なお、前の期には、2017年3月期以前における一部取引に係る原価計上漏れ等の修正の影響があった。

③ スポーツ事業
売上収益は181億円(同7.2%増)、セグメント利益は14億円(同20.2%減)だった。Bリーグ「川崎ブレイブサンダース」の承継等が利益面では影響したものの、横浜DeNAベイスターズの主催試合の平均観客動員数が好調に推移したことに加え、入場料以外の収入も順調に推移した。

④ オートモーティブ事業
売上収益は1億円(同33.7%増)、セグメント損益は36億円の赤字(前の期は18億円の赤字)だった。次世代タクシー配車アプリ「MOV(モブ)」の立ち上げや、提供地域や利用の拡大に向けた取り組みを中心に投資を積極化した。

⑤ ヘルスケア事業
売上収益は22億円(同5.1%増)、セグメント損益は12億円の赤字(前の期は9億円の赤字)だった。一般消費者向け遺伝子検査サービス「MYCODE(マイコード)」「歩いておトク」をはじめ、既存の提供サービスにおいて堅調に推移した。一方で、ヘルスケア型保険の実現に向けた取り組みや、Preferred Networksと子会社の株式会社PFDeNAの、深層学習技術を活用し、少量の血液で14種類のがんを早期発見する検査システムの研究開発等、将来の事業展開を見据えた先行投資を行った。

⑥ 新規事業・その他
売上収益は85億円(同19.9%増)、セグメント損益は24億円の赤字(前の期は26億円の赤字)だった。ソーシャルLIVEサービスをはじめ、中長期での事業ポートフォリオの強化を目指した各種取り組みを含んでいる。


 
■2020年3月期の見通し

続く2020年3月期の見通しは非開示。同社では、合理的な数値の算出が困難であるため、開示を見合わせたい、としている。
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
https://dena.com/jp/

会社情報

会社名
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
設立
1999年3月
代表者
代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
決算期
3月
直近業績
売上収益1349億1400万円、営業利益42億0200万円、税引前利益135億9500万円、最終利益88億5700万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2432
企業データを見る