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【CEDEC 2019】アナログゲーム制作のうえで、欠かせない4つの構成要素とは? カナイセイジ氏ら人気ボードゲームデザイナーがゲーム制作の面白さを伝授

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コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、9月4日~6日の期間、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)にて、国内最大のゲーム開発者向けカンファレンス「コンピュータ・エンターテインメント・デベロッパーズ・カンファレンス 2019」(CEDEC 2019)を開催した。

本稿では、9月4日に実施された講演「アナログゲームの制作に見る、ゲームの面白さとは」についてのレポートをお届けしていく。

本セッションには、カナイ製作所よりカナイセイジ氏、OKAZU brandより林尚志氏、グランディングよりディレクターの菅沼正夫氏が登壇。アナログゲーム制作における「面白さ」の追及・手法についてやアナログゲームの現状、今後の見通しについて語った。

【登壇者】
●カナイセイジ氏
アナログゲームのデザイナー。代表作は2012年に制作した『Love Letter』で、日本の「ミニマリズム」を体現する、小箱のカードゲームを多く手掛ける。近年はアニメーション作品やコミック作品などとのコラボレーションによる、アナログゲームの普及に努める。

●林尚志氏
2015年『トレインズ』がアメリカのOrigins Awards を受賞したことをきっかけに、アナログゲームデザイナーとして独立。2016年『横濱紳商伝』のデラックス版プロジェクトがキックスターターで43万ドルを集め、海外で高い評価を得る。その他代表作は『ひも電』『ヘンゼルかグレーテル』など、現在も毎年数個のアナログゲームを製作、発表している。

●菅沼正夫氏
2007年グランディングに入社。あそべる絵本シリーズ、任天童子、ご当地鉄道などの企画を担当。2012年に発表した『街コロ』は、2015年ドイツ年間ゲーム大賞ノミネート、ドイツゲーム大賞8位、アラカルトゲーム賞1位などを受賞している。
 

■アナログゲームの魅力は、自分の作りたい作品をマネタイズ関係なしで作れる点


まずは登壇者それぞれが自己紹介を行うとともに、自身の代表作についてコメントを行っていく。カナイ氏は『ラブレター』がヒットした理由について「発売された2012年頃にしては1000円前後と安く、持ち運びがしやすかったから」だと分析。ゲームに使用するカードが16枚とシンプルな構成で、推理要素も楽しめることから、世界で広がりやすかったと続けた。



▲カナイ氏の代表作『文絵のために』は、ゲームデザイン賞にもノミネートされていた。

普段はスマホゲームの運営・企画を担当しているという菅沼氏。『街コロ』は、当初はデジタルゲームで世に出すことを目的とした作品だったが、開発が難航。2012年の春にゲームマーケットに持ち込んだことがボードゲーム制作に参入するきっかけになったという。『街コロ』について、ライトユーザー向けに開発したことが人気に繋がったと振り返った。



林氏は、自身の代表作『横濱紳商伝』を紹介する。同作品のキックスターターが43万ドル(日本円で、約4500万円)を集める程の大成功を収めた要因について、「ゲームのマップが毎回変わるといった、攻略法が見いだせないなどのリプレイ性が評価された」と紹介。ミニマリズムが流行していた日本の中で、あえて重量級のゲームを制作する珍しさも評価される要因となったようだ。



3人の自己紹介が終わると、アナログゲームに関するテーマトークがスタートする。アナログゲームとデジタルゲームの違いについて、菅沼氏は「どれだけの費用が掛かるかといった、マネタイズの問題が一番大きい」と話す。デジタルゲームに比べ、アナログゲームは自分の作りたい作品を、マネタイズ関係なしで作れる点に魅力があるようだ。


▲菅沼正夫氏。

マネタイズの問題について、林氏はキックスターターの観点から言及。アナログゲームはデザインや内容物などがほぼ完成している状態から出資者を募ることができるため作品の魅力が伝わりやすく、キックスターターとの相性が良いと続けた。
 

■アナログゲーム制作のうえで重要な構成要素とは?


デジタルゲームのメリットについて聞かれると、カナイ氏は「ユーザーがやりたいところだけ簡単に始めることができる」点だとコメント。アナログゲームはコマを並べたりカードをシャッフルしたりといった事前準備を必要とする一方、デジタルゲームはスイッチを入れてすぐに始められる手軽さがある。また、シューティングゲームなどリアルタイムでお互いに動くなどの動作を、アナログゲームで表現するのは難しいという考えも示した。


▲カナイセイジ氏。

アナログゲームの面白さについて、菅沼氏は世界観や物語といった「テーマ」と、運試し、すごろくなどの「システム」の大きく2つに分けて説明。最近の傾向として、伝言ゲームやジェスチャー・大喜利系といった、勝ち負けを目的としないパーティー系のゲームが人気を博していると続けた。



林氏は「面白いという言葉は人によって違うため、誰が面白いと感じるかを考えるのが重要」だと持論を展開。ゲーム制作者としての“自分”がどのような属性を持っているのか、客観的に向き合うことがゲーム開発に役立っていくと話した。


▲林尚志氏。

アナログゲームを制作するうえでカナイ氏は、テーマ・メカニクス・コンポーネントの3つのバランスをとりつつ、エモーションをどれだけ高めていくかが重要だと話す。この制作のやり方は、ボードゲームデザイナー・ブルーノ・カタラ氏のとある講演内での発言を参考にしているそうだ。



また、ゲーム制作について、メカニクスから作り始めているという林氏。序盤からメカニクスが固まっていると作品の面白さが担保されているため、制作がしやすいという。一方、菅沼氏はプレイヤーが遊んでいるシーンを想像しながら、ゲームのシステムを組み立てていくという。『街コロ』では、プレイヤーがサイコロを振って一喜一憂するシーンをイメージして作り、システムに上手く乗せることができたと語った。

アナログゲームのユーザーが増え続けている今こそ、ゲーム制作に参入するチャンスだというカナイ氏。最後に、「海外への受け皿も用意されているので、身内を巻き込んで1つ2つ(ボードゲーム)を作ってみては?」というメッセージを送り、本公演を締めくくった。

 
(取材・文 ライター:島中一郎)


 

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