2019年のゲーム関連株、値上がり率1位はオルトプラス ドリコムやエディア、スクエニなど業績好転で上昇 期待高すぎたエクストリームは調整局面に

2019年のゲーム関連株では、オルトプラス<3672>が年初からの値上がり率が年初比で162.3%高と値上がり率トップとなった。『ヒプノシスマイク』や『RenCa:A/N(レンカ アルバニグル)』の開発発表など、材料を手がかりに上昇した感が否めない。さすがに仕手株とまでは言わないが、材料株的な上がり方であった。実際、業績については22四半期連続での営業赤字となるなど苦戦が続いており、2020年は実績が求められる局面になりそうだ。

 


第2位は、ドリコム<3793>がその上昇率は149.7%だった。年初では370円だったが、924円と大幅に伸びた。IPタイトルを中心に不採算となっていたタイトルの整理を行うとともに、前期まで先行投資を積極的に行っていた「enza」への投資一巡したことで収益が回復した。この株価上昇は、業績改善が素直に評価されたといってよさそうだ。





同様に業績改善が評価されたエディア<3935>が第3位に入った。材料株的な上昇を見せる場面もあったが、10月に入って第2四半期(6~8月))が営業黒字に転換した。コミック・電子書籍等の売上が伸びたこととで、営業利益は700万円と黒字転換に成功した。





また、スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>も83.2%上昇した。ゲームと出版、ライツなど全事業が好調だった。MMOゲーム『ファイナルファンタジーXIV』拡張パッケージの発売とそれに伴う課金会員者数が増加し、ゲーム事業の収益拡大をけん引した。またスマホゲームは、『ロマンシング サガ リ・ユニバース』の好調に加えて、『ドラゴンクエストウォーク』が貢献し、業績は順調に拡大している。コロプラ<3668>も『ドラゴンクエストウォーク』のヒットを受けて上昇した。





このほか、ブシロード<7803>の上昇も目立つところだろう。ご存知のとおり、同社に関しては今年、東証マザーズに上場したので、上昇率はあくまで上場時の終値だが、76.1%も上がった。足元の業績もさることながら、リアルイベントとアニメ、ゲーム、コミカライズなどを巧みに組み合わせてIPを育成していくIPプロデュース力への株式市場の評価は高い。





他方、値下がり組を見ていくと、マイネット<3928>や、イグニス<3689>、エイチーム<3662>など業績面で苦戦している企業の下落が目立ったが、エクストリーム<6033>のように、業績は伸びているのに下がったケースもある。『ラングリッサーモバイル』のリリースと業績貢献への期待から年初は大きく買われたものの、蓋を開けてみると、株価が過剰に期待していた面があったとの見方から、調整局面に入った。中間期の営業利益も6.6倍の6億4800万円と足元で大きく伸びたが、日柄調整が続いているようである。





全体としてみると、"材料"で上がるケースや大きすぎる期待で売られたケースはいくつかあったものの、決算内容が素直に評価されて売り買いされている印象だ。来年1月下旬から3月期決算の企業が第3四半期決算を発表する。例年、市場関係者は、このあたりから足元(今期)の業績推移よりも、来期(2020年3月期)に目を向けるようになってくる(ポジティブあるいはネガティブサプライズがあれば別だが)。上場ゲーム会社にとっては、足元の業績に加えて、成長の種をいかに示していくかが評価のカギになるだろう。



【ゲーム関連株】