Ash Tale–風の大陸-、X-LEGEND ENTERTAINMENT JAPAN、ADに関するスマホアプリ&ソーシャルゲーム連載記事

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【Sp!cemartゲームアプリ調査隊】『Ash Tale~風の大陸~』が1周年。人気を継続する背景をゲーム内施策から紐解く

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スマートフォンゲームの日々の運用とその効果をリサーチし、ゲーム関連企業へマーケティングデータを提供するSp!cemart(スパイスマート)。ゲームアプリの運用情報をいつでもウォッチできる「Sp!cemartカレンダー」や、毎月発行しているレポートを提供している。
 

なかでもカレンダーは、セールスランキング上位のモバイルオンラインゲームのゲームシステム・運用施策をダッシュボード形式のWEBツールとして提供。ゲーム内プロモーション施策の効果測定やセールスランキングと運用効果の相関関係を時系列で分析できる。
 

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本連載記事ではSp!cemart協力のもと、カレンダー機能を用いた、ランキング上位タイトルの直近のゲーム内施策を分析。今回はX-LEGEND ENTERTAINMENT JAPANのAsh Tale~風の大陸~』の施策をピックアップする。
   
(以下、Sp!cemartゲームアプリ調査隊より) 
 

【調査箇所】スマホ向けMMORPGの人気作が1周年


■『Ash Tale〜風の大陸〜』
提供:X-LEGEND ENTERTAINMENT JAPAN
リリース日:2019年4月25日

①【調査期間:2020年4月10日~5月7日】

▲Sp!cemartカレンダーより(画面上部はストアのランキング推移、下部はゲーム内施策を確認できる)

スマートフォン向けMMORPG『Ash Tale~風の大陸~』が、2020年4月25日で1周年を迎えました。絵本のような世界を舞台に可愛らしいキャラクターたちが多数登場する本作は、冒険やバトルはもちろん、ほのぼのとした農場ライフを楽しむ「ファーム」などの魅力的なやりこみ要素も備えています。

運営を担当するX-LEGEND ENTERTAINMENT JAPAN株式会社は、台湾に本社を構えるオンラインゲーム会社。これまで国内では、PC・モバイル向けMMORPGを多数リリースしており、本作も2018年12月に台湾でリリースされた『風之國度』の日本版にあたります。

とはいえ、日本では全くの無名タイトル。そして、先行しているスマホ向けMMORPGの『リネージュ2 レボリューション』や『黒い砂漠 MOBILE』と比較しても、クオリティや知名度も劣ります。それにも関わらず、本作はリリース当初からスマッシュヒットを記録し、驚くべきことにセールスランキングの順位を落とすことなく1周年を迎えたのです。

たとえば、App Storeのセールスランキングでは最高7位を記録し、TOP100圏外に落ちることは滅多にないほど、つねに高水準を記録しています。

なお、1周年のタイミングでは、15位にランクイン。他作品では、周年施策でランキングは急浮上するものですが、それと比べると本作の周年施策はまずまずでしょう。ただ、ランキングが乱高下するよりも、安定的にランキングを推移しているのは、事業としての確度の高さを物語っているようにも思えます。

本稿ではランキング推移とゲーム内施策を一覧で閲覧できる「Sp!cemartカレンダー」を用いり、『Ash Tale~風の大陸~』の1周年施策と、ランキングを維持できるゲーム内施策の背景を中心に深掘りしていきます。
 

【ゲーム内施策】ランキング上位を維持する背景


前述しているように、本作はアプリストアのセールスランキング上位を維持しています。大ヒットタイトルならまだしも、なぜ『Ash Tale~風の大陸~』がランキング維持を実現できているのでしょうか。実際にSp!cemartカレンダーで本作の推移と、施策の頻度を調べてみると、あることが分かりました。

それは、1週間に1回アバター(ガチャ)のラインナップを変更していたのです。

そもそも本作のガチャは、大きく分けるとカード、アバター、背中の3種類からなります。それぞれカードガチャにはカードチケット(1枚シェル80個 – 192円相当)が、アバターと背中にはアバターチケット(1枚シェル80個 – 192円相当)というアイテムが必要となります。

参考:【シェルのラインナップ】
・シェル50+還元5120円)<単価:2.18円/割引率:0%>
・シェル200+還元30490円)<単価:2.13円/割引率:2.27%>
・シェル750+還元1201,840円)<単価:2.11円/割引率:2.98%>
・シェル1600+還元2703,800円)<単価:2.03円/割引率:6.79%>
・シェル2450+還元4705,860円)<単価:2.01円/割引率:7.94%>
・シェル4200+還元87510,000円)<単価:1.97円/割引率:9.61%>

ガチャの利用を円換算すると、他作品よりも比較的リーズナブルであることが分かります。また、獲得した素材を通してアバターを製作できるほか、ガチャ回数に応じて対象アバターが必ず排出される、いわゆる“天井”などの救済措置も採用しています。

さて、1週間に1回アバター(ガチャ)のラインナップを変更している点について、Sp!cemartカレンダーでも抜粋してみました。下記は、2019年7月のセールスランキングとダウンロードランキングの推移とガチャイベントのみを抜粋したものです。


▲Sp!cemartカレンダーより(画面上部はストアのランキング推移、下部はゲーム内施策を確認できる)※緑枠や赤線などは筆者側で加筆したもの

アバター・背中などの更新に加えて、アクセサリー要素を担うカードガチャもここに加わっていますが、見てわかるように途切れることなく1週間単位でガチャが更新され、アバターの新作が登場するたびにセールスランキングも上昇していることが分かります

もちろん、ほかのタイトルでも並行してガチャのラインナップを更新していますが、3種類のガチャを1週間ほどで更新するケースも珍しいです。このように、つねに新しいアバターを矢継ぎ早に追加していることで、アプリストアのランキング上位を維持していることが分かります。

海外版が先行リリースしているため、アバターのストックも揃えていると思いますが、頻度を考えるとコンテンツ消化について少々心配なところもあります。ただ、日本独自のアバターも制作されていること、また1年間この頻度を実現している背景を鑑みるに、すでに海外の開発会社を含めて上手く連携が取れているのではないかと思います。
 

【1周年施策】アバターチケットの妙と復帰ユーザーの配慮


さて、ここからは1周年施策について言及していきます。冒頭でお話した通り、本作はつねにランキング上位を維持しているため、今回の周年施策で爆発的な急上昇はありません。ただ、周年らしい配慮などが垣間見られる施策がいくつかありました。

【周年施策(一部抜粋)】
・1周年を記念した衣装アバターが登場
・周年ログインボーナス(7日目にシェル200個贈呈)
・ミニゲーム「パズル」(完成すると周年チケット等贈呈)
・周年カムバックキャンペーン

①     【調査期間:2020年410日~5月7日】※再掲

▲Sp!cemartカレンダーより(画面上部はストアのランキング推移、下部はゲーム内施策を確認できる)

施策に関しては、上記で取り上げているもののほか、ゲーム内イベントや大規模アップデートなど、さまざまな内容を展開していました。
恐らく周年施策の目玉は、1周年を記念した衣装アバターなどではないでしょうか。


▲「フェザリア」「クリアフラワー」(女性専用)、「フェザリオ」「クリアモノクル」(男性専用)

周年記念アバターは、対象ゲーム内イベントの報酬「周年チケット」を用いて交換できます。報酬として設定されているのは、各種周年イベントをはじめ、「武装の秘境」「絆魂の秘境」「ドラゴンの秘宝」「十二星座」「天啓の試練・英傑の試練」「ファームオーダー」という既存コンテンツでも獲得可能。

前述したランキング推移のように、本作における新規アバターの需要は非常に高いです。単純にログインボーナスとして配布するのもいいですが、チケット制としてゲーム内コンテンツの利用促進につなげるなど、既存はもとより、新規・休眠の継続率増にも寄与した座組になっているのが特徴です。

一方で休眠復帰ユーザーを対象にした「周年カムバックキャンペーン」は、今回の周年施策を機に内容をアップデートしたとのこと。主に休眠復帰ユーザー向けのログインボーナスの報酬がグレードアップしたようです。

(プロモ効果などではなく)自然流入としては、1年のなかで最も休眠復帰があるのは、周年のタイミングではないでしょうか。そこで報酬を見直すことで、復帰のきっかけ、ひいては復帰後の継続率を高める効果として寄与したのかもしれません。

 ▲ゲーム内では、カムバックユーザー専用のお知らせページを設けて、これまでどのようなアップデートが行われたのかを、新規・復帰ユーザーにも分かりやすく伝えていました。MMORPGでは、どうしても「どこまで進めていたのだろう」と“浦島太郎状態”に陥ることが多々あります。復帰後のユーザーが、またゲームをすぐに楽しめるよう、細やかな配慮のひとつとして今回取り上げました。

また、今回の周年施策の多くには、参加条件として「キャラクターレベル20以上」を設けていました。つまり、新規ユーザーにとっては、ログイン後すぐに対象のコンテンツを利用できない、または報酬を受け取れないようになっています。

その背景のひとつには、レベルと共にゲーム内コンテンツが解放していくことが挙げられます。そもそも前述した周年施策を利用したり、存分に体験したりするには、一定のコンテンツが解放されていなければならないのです。こうした理由から、参加条件としてレベル20以上を設けているのが考えられます。

一方で“ゲームの魅力が伝わるのに時間がかかる”というMMORPG特有の懸念点も少なからずあるのかもしれません。他ジャンルと比べて、情報量の多さや複雑さ、他プレイヤーとの交流など、なかなかすぐにはゲームの魅力を理解することは難しい。だからこそ、一定の体験後に報酬や期間限定施策を盛り込むのも関係しているのではないでしょうか。

 

【今後】まだ1周年。ゲーム"外"の動向にも期待


思えば本作は、『メイプルストーリーM』や『リネージュM』『ラグナロク マスターズ』など、国内でも知名度の高い既存ゲームIPタイトルのリリースと同時期に配信されました。リリース日は異なれど、競合ひしめき合う逆風のなか、事前プロモーションが奏功し、見事App Storeの無料ダウンロードランキングでは1位を獲得しました。

事前プロモーションの特徴としては、差別化が挙げられます。たとえば、広告のクリエイティブや訴求テキストでは、あえてMMORPGという文言を避けたり、可愛さを全面に押し出したりと、既存のMMORPGタイトルとは全く異なるスキームで打ち出していたのです。

もちろん、これはあくまでも定性的な情報のため、本作を人気タイトルに押し上げた理由は、広告ツールや潤沢な予算を用いたデジタルマーケティングだったのかもしれません。いずれにしても、前述したアバター需要の高さから察するに、明らかに本作には既存のMMORPGタイトルとは異なるファン層に支持されているのが考えられます。

さて、1周年を迎えた『Ash Tale~風の大陸~』では、新職業「剣豪」が登場しました。本作は、もともとアクション性の高い操作感が評価されており、剣の攻撃と間合いで上手く立ち回る剣豪は、ユーザーにとっても嬉しい追加要素となったことでしょう。

さらに、1周年を機に本作の公式グッズショップがインターネット上にオープンしました(関連サイト)。グッズには、ストラップやマグカップ、Tシャツ、トートバッグなど、さまざまな商品が並んでいます。可愛い世界観やキャラクターが人気を博している本作だけに、こうしたゲーム外のマーチャンダイジング施策における効果も見込めるかもしれません。

まだ1周年ですが、ゲーム内外で数多くのポテンシャルを秘めている『Ash Tale~風の大陸~』。2年目も人気を継続していくことが予想されますが、どこかでさらなるスパイクを見せるのではないかと期待しています。個人的に公式Twitterのシュールさも好きです。


「Sp!cemartカレンダー」では、各ゲームのイベント情報をランキング推移と共に閲覧できます。自社はもとより、競合他社の施策一覧を取りまとめた分析などにもご活用できます。ぜひ、ご興味がある方はお問い合わせページからご連絡ください。

 

 

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■執筆 <株式会社スパイスマート>
スマートフォンゲーム内運用に関する調査・分析を行うリサーチ事業とコンサルティング事業を展開しており、「Sp!cemart」というサービス名称で各種ソリューションを提供。

コーポレートサイト:http://corp.spicemart.jp/
Sp!cemart 商品に関する問合せ:info@spicemart.jp

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企業情報(株式会社スパイスマート)

会社名 株式会社スパイスマート
URL http://corp.spicemart.jp/
設立 2015年7月
代表者 張青淳
決算期
直近業績 非開示
上場区分 未上場
証券コード

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