IGポート、20年5月期は増収・黒字転換 アニメ制作が6期ぶり黒字 今期はNetflixとの取組み、アニメと出版のシナジー創出にも注力



IGポート<3791>は、7月10日、2020年5月期の連結決算を発表し、売上高が前の期比で6.5%増の94億4600万円、営業利益が3億5100万円(前の期は3億0700万円の赤字)となり、増収・黒字転換を達成した。映像制作・出版・版権と全事業セグメントが黒字になったという。
 


同社では、大型作品などの納品などで売上が伸びた、としている。アニメ制作を行う映像制作事業が5億3800万円の赤字から1億1900万円の黒字に転じたことも収益改善の要因となった。

映像制作事業では、19年5月期では、CG制作費や外注費の高騰に加え、制作期間の長期化、20年5月期に発生する受注損失引当金の前倒し計上などで巨額の赤字を計上したが、制作予算見積もりの精度向上と、発注元との予算交渉による値上げなどで収益が改善したという。
 


また、版権収入は「銀河英雄伝説 DNT」や「サイコパス」シリーズが新たに計上されたが、「進撃の巨人」「魔法使いの嫁」「宇宙戦艦ヤマト2199・2202」など映像マスター償却済作品の利益貢献度が高いとのこと。
 


2021年5月期は、売上高95億8900万円(前期比1.5%増)、営業利益1億7000万円(同51.6%減)と増収減益を見込む。映像制作中心に売上が伸びるものの、CGや外注費、労務コストの上昇が収益を圧迫し、映像制作は再び赤字となる見通し。
 


トピックスとしては、Netflixとの取組みとして、「攻殻機動隊SAC_2045」や「ヴァンパイヤ・イン・ザ・ガーデン」、「ULTRAMAN」2nd Season、「B:The Beginning」2nd Seasonの制作に取組んでいる。
 


また、「銀河英雄伝説 DNT」や「ドラゴン、家を買う。」「グレートプリテンダー」の設定資料集やコミカライズなどを行い、映像制作と出版両事業のシナジー効果の発揮も狙っていく。
 


このほか、ブシロードと子会社リンガ・フランカが資本提携を行った。電子コミック配信サイト「マンガドア」の拡大で協業するほか、共同IP開発も視野に入れているそうだ。
 


なお、新型コロナウイルスの影響については、テレワークの積極導入などを行って対応したものの、複数作品の制作スケジュールに遅延が発生したと明かした。2020年5月期は10億円以上のズレが発生し、今期も影響は大きいと想定している。
 
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