【コロプラ決算レポート】「鬼滅」コラボの『白猫PJ』が好調 『DQウォーク』を含むFY19ものも堅調 在宅勤務推進でオフィス規模を現状の約60%に最適化へ


コロプラ<3668>は、8月5日、2020年9月期の第3四半期累計(10~6月)の連結決算を発表し、売上高326億5400万円(前年同期比18.4%増)、営業利益92億9400万円(同18.8倍)、経常利益92億500万円(前年同期1600万円の赤字)、最終利益66億800万円(前年同期1億4900万円の赤字)となった。

今回は同日に実施されたテレフォンカンファレンス(電話会議)による説明会の内容も踏まえて、その内容をまとめてみた。
 

■周年の狭間ながら「鬼滅の刃」とコラボの『白猫PJ』が好調


まずは、第3四半期期間(4~6月)業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高が前四半期比7.7%減の103億円、営業利益は同47.4%減の18億7200万円、経常利益は同50.0%減の17億9900万円、最終利益は同49.5%減の13億1100万円となった。

もともと同社は、第2四半期に『クイズRPG魔法使いと黒猫のウィズ(以下、黒猫のウィズ)』と『アリス・ギア・アイギス(以下、アリスギア)』、第4四半期に『白猫プロジェクト(以下、白猫PJ)』『白猫テニス』の周年を迎えるため、第3四半期はその狭間で例年厳しい傾向があるが、『白猫PJ』の「鬼滅の刃」とのコラボにより売上高は健闘したという。
 

ただ、その一方で、MAGES.のM&Aを実施したことや、『白猫PJ』のアニメ放映により費用が前四半期比で8億2000万円増加した。なお、広告宣伝費は、新作のリリース遅延などにより、当初見込みの7億円を下回る5億円となった。
 

第3四半期期末のグループ全体の従業員数は、前四半期比で228名増の1556名となった。これは前述のM&Aや新卒社員の入社によるもので、ほぼ前回の第2四半期決算の発表時に明らかにされていた計画通りとなる。
 
 

■『白猫PJ』を含むFY14ものが増加 『DQウォーク』を含むFY19ものはほぼ横ばいに


次にリリース時期別売上推移を見ると、この四半期は「鬼滅の刃」とコラボをした『白猫PJ』を含むFY14ものが増加が目立った。一方で前四半期に周年記念イベントを開催した『黒猫のウィズ』を含むFY13ものと、『アリスギア』を服FY18ものは反動減となっている。

『ドラゴンクエストウォーク(以下、DQウォーク)』を含むFY19ものは、前四半期比微減で、ほぼ横ばいでの推移となっている。『DQウォーク』は、9月12日に1周年を迎える予定であり、次の第4四半期期間(7~9月)の動向が注目されるところだ。
 


海外展開については、前四半期に続き、新型コロナウイルスの影響を踏まえて新たな取り組みは一旦見合わせている状況となっている。
 
 

■新型コロナの影響は既存タイトルにマイナスはなし 在宅勤務体制への移行で新作開発が遅延


その新型コロナウイルスによる事業への影響については、既存タイトルはゲーム内イベントの開催を一部見合わせたものの、外出自粛の影響もあり、DAUやプレイ時間、継続率が安定して推移するなど「マイナスの影響は出ていない」(馬場社長)という。

一方、新作については、在宅勤務体制への移行により、「これから企画を詰める部分などに影響した」(同)ほか、スタジオが使えなかったりした影響もあったため、開発が遅延しているとのこと。

なお、同社は、感染状況の変化に即座に対応し、従業員の安全確保と事業の推進を両立するためフレキシブルワークスタイル制度を導入しており、それに合わせて2020年11月までにオフィス規模を現状の約60%に最適化する予定としている。
 
 

■スマホゲームの新作パイプラインは10本 MAGES.のコンシューマーゲームは年10本ペースで


スマートフォンゲームの新作パイプラインは、自社IPタイトル(自社IP派生タイトル含む)が6本、他社IPタイトルが4本の合計10本となっており、1本の見直しが行われたもようだ。

なお、「新しい遊び方の提案」を目指した馬場社長直轄の新作は「着々と準備している」(同)という。
 

MAGES.がグループ入りしたことで、そのコンシューマーの新作タイトルもリリースが予定される形となっており、今期中に3本のリリースが予定されている。こちらは、今後も年間10本程度のペースでのリリースを行う方針だ。

また、グループが保有するIP価値の最大化と事業の最適化のため、グッズ企画販売に関連する事業をMAGES.に承継することを決定した。
 
 

■4Qは『白猫PJ』『白猫テニス』『DQウォーク』の周年が寄与へ


なお、2020年9月期通期の予想は、適正かつ合理的な数値の算出が困難であるため、非開示としている。

『白猫PJ』は7月14日に6周年を迎え、7月末からは「転生したらスライムだった件」とコラボを実施している。さらに『白猫テニス』は7月31日に4周年を迎え、『DQウォーク』は9月12日に1周年を迎える予定であり、これらが業績に寄与してくる見通しだ。

広告宣伝費は約9億円を予定しているが、新作次第で変動する可能性があるとしている。
 
株式会社コロプラ
https://colopl.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社コロプラ
設立
2008年10月
代表者
代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
決算期
9月
直近業績
売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3668
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