日本BS放送、20年8月期の営業益は29%増の21.9億円 広告収入減少も番組関連費用と経費圧縮で増益に

日本BS放送<9414>は、2020年8月通期の連結決算を発表し、売上高113億9400万円(前の期比で9.6%減少)と減収となった。一方、利益は増益を確保した。営業利益21億8900万円(同29.3%増加)、経常利益21億9500万円(同29.2%増加)、最終利益14億9000万円(同28.6%増加)となった。

新型コロナの感染拡大による広告主の広告宣伝費圧縮で売上高は低下したものの、収録の見合わせやスポーツ中継延期による番組関連費用の縮小、コストコントロールが奏功し、増益を達成したようだ。

 


2019年10月の番組改編では、良質な自社制作番組と外部リソースのミックスによる視聴世帯数の更なる増加を目的として、学生アスリートに密着する自社制作番組『キラボシ!』や、良質な外部調達番組として、『TAKARAZUKA CAFÉ BREAK』『ごりやくさん』等の放送を開始した。また、「ディスカバリーチャンネル」と「アニマルプラネット」の中から、特に人気の作品を厳選して放送する『ディスカバリー傑作選』の放送枠を拡大した。

2020年4月の番組改編では、子供向けアニメ枠「キッズアニメ∞(むげんだい)」を新設、4月からは世界119か国で放送中のアニメ『ミラキュラスレディバグ&シャノワール』やアイドル番組『虹のコンキスタドールが本気出しました!?』の放送を開始したほか、アジアドラマ枠を拡大した。また、『八代亜紀いい歌いい話』や『アニゲー☆イレブン!』、アニメソング番組の『Anison Days』など内容をさらに充実させた。

また、特別番組として、『2019年度 全日本学生柔道体重別選手権大会』、『BS11ソフトボール中継日本女子ソフトボールリーグ』を放送したほか、2年目となる『BS11cup 全日本eスポーツ学生選手権大会』を生放送、並びにBS11オンデマンドで同時配信した。ローカル局とのコラボレーションでは『京都紅葉生中継2019~皇室ゆかりの秋を訪ねて~』、『京都夜桜生中継2020~画家たちも愛した日本のこころ~』を放送した。

第3四半期以降は当初予定されていたイベント等の中止やロケ撮影の自粛により番組制作の一部が中止となったが、新たに寄席演芸を見て笑って自粛ムードを乗り切ろうというコンセプトで制作した寄席番組『柳家喬太郎の笑って免疫力UP!寄席』や、過去の番組映像や取材アーカイブを活用した『学生柔道10年の軌跡 大学対抗団体戦2009~2019』、『上野由岐子12年の軌跡~告白 知られざる葛藤と覚悟~』を放送した。

さらに、アニメファンから根強い人気を誇る『ANIME+(プラス)』においても第3四半期以降予定していたアニメ作品の放送延期が発生したが、製作委員会へ出資した『へやキャン△』、『宝石商リチャード氏の謎鑑定』、『ドロヘドロ』、『プリンセスコネクト Re:Dive!』、『魔王学院の不適合者』、『放課後ていぼう日誌』などを放送したほか、毎クール約40タイトルのアニメ関連番組を放送した。

営業面及び費用面の両面において新型コロナウイルスの影響を受けることとなった。特に費用面においては、再放送や再編集版への差し替え、新たな試みによる視聴者需要の充足と番組制作継続の両立を図るとともに、番組宣伝や局認知度向上施策を従来以上に効率的に進めコストコントロールに努めた。