東映アニメ、9月中間期の営業益は13%減の75億円…『ワンピース』と『ドラゴンボール』関連のライセンス売上の反動減で

東映アニメーション<4816>は、10月30日、2021年3月期の第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表、売上高244億円(前年同期比15.7%減)、営業利益74億円(同13.5%減)、経常利益76億円(同14.5%減)、最終利益56億円(同10.7%減)となった。

収益の柱である版権事業において『ワンピース』や『ドラゴンボール』関連のライセンス売上が反動減となったことが主な要因。『スラムダンク』などのアプリが貢献したが、両タイトルの低下をカバーできなかった。
 

各セグメントごとの状況は以下の通り。


①映像製作・販売事業…売上高95億200万円(前年同期比6.1%減)、セグメント利益25億7800万円(同16.9%増)
劇場アニメ部門は、7月に映画「人体のサバイバル!」、8月に「東映まんがまつり」を公開した。前年同期にヒットした劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」の反動減があったことに加え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、「映画プリキュアミラクルリープ」(当初2020年3月20日公開予定)と「魔女見習い をさがして」(当初2020年5月15日公開予定)が公開延期となったことにより、前年同期と比較して大幅な減収となった。

テレビアニメ部門は、「ワンピース」「ヒーリングっど ♥ プリキュア」「デジモンアドベンチャ ー:」「おしりたんてい」「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」の5作品を放映した。前年同期好調に稼働し たゲーム向け音声製作や催事イベント向け映像製作の反動減に加え、新型コロナウイルスへの感染対策によ り、新作話の納品数が減少したため、大幅な減収となった。

コンテンツ部門は、劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」のブルーレイ・DVDが好調に稼働したことから、増収となった。 海外映像部門は、サウジアラビア向け劇場作品の納品に加え、「ドラゴンボール超ブロリー」の劇場上映権販売が北米で好調に稼働したことから、大幅な増収となった。

その他部門では、前年同期好調に稼働した国内での映像配信権販売の反動減や、アプリゲーム『聖闘士星矢 ギャラクシースピリッツ』のサービス終了により、大幅な減収となった。 


②版権事業…売上高138億1100万円(同14.4%減)、セグメント利益67億4800万円(同14.4%減)
国内版権部門は、「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売が、好調だった前年同期の勢いには至らなかったことや、前年同期好調に稼働した劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」の劇場公開に向けたタイアップ・キャンペーン向け許諾や遊技機契約の反動減などにより、大幅な減収となった。

海外版権部門は、アプリゲーム『ドラゴンボール レジェンズ』や家庭用ゲーム『ドラゴンボールZ KAKAROT』に加え、「スラムダンク」のアプリゲームが好調に稼働したものの、前年同期好調であったアプリゲームの契約更新や新規許諾の反動減などから、減収となった。


③商品販売事業…売上高9億4600万円(同60.3%減)、セグメント損益1億6300万円の赤字(前年同期1200万円の黒字)
商品販売部門は、前年同期好調に稼働した、劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」の劇場公開に向けたタイア ップ・キャンペーン向けノベルティグッズなどの販売の反動減に加え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で商品販売店舗の営業自粛を行ったことなどから、大幅な減収となった。


④その他事業…売上高2億2900万円(同48.8%減)、セグメント損益7200万円の赤字(前年同期300万円の黒字)
その他部門は、催事イベントやキャラクターショーなどを展開した。新型コロナウイルスの感染拡大によるイベント・催事の延期・中止等の影響から、大幅な減収となった。


■2021年3月期通期の予想は据え置き
なお、2021年3月期通期の予想については、従来予想から変更なく、売上高500億円(前期比8.8%減)、営業利益100億円(同37.9%減)、経常利益103億円(同37.4%減)、最終利益70億円(同38.8%減)の見込み。
 
東映アニメーション株式会社
http://corp.toei-anim.co.jp/

会社情報

会社名
東映アニメーション株式会社
設立
1948年1月
代表者
代表取締役会長 森下 孝三/代表取締役社長 高木 勝裕
決算期
3月
直近業績
売上高874億5700万円、営業利益286億6900万円、経常利益297億9100万円、最終利益209億円(2023年3月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4816
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