【決算レポート】ネクソン、第1四半期は増収・営業増益 『アラド』苦戦の中国除く全地域が成長 日本は『ブルーアーカイブ』貢献



ネクソン<3659>は、5月12日、2021年12月期の第1四半期(1~3月)の決算を発表するとともに、同日、テレフォンカンファレンス形式の決算説明会を開催した。同日発表した決算は、売上収益883億1300万円(前年同期比6.7%増)、営業利益433億2100万円(同4.3%増)、最終利益460億3400万円(同7.8%減)と増収・営業増益となった(断りがない限り、為替レートは会計基準ベース)。


・売上収益:883億1300万円(前年同期比6.7%増)
・営業利益:433億2100万円(同4.3%増)
・最終利益:460億3400万円(同7.8%減)


オーウェン・マホニー社長は、「2020 年の好調な業績に続いて、2021年第1四半期も堅調な業績となった」と振り返った。『メイプルストーリー』や『風の王国:Yeon』、『KartRider Rush+』など複数の主力タイトルが事業をけん引し、中国を除くすべての地域で売上収益が成長した、としている。中国では『アラド戦記』の収益が落ち込んだことが響いた。プラットフォーム別ではPCオンラインが横ばい、モバイルが32%増と大きく伸びた。
 


地域セグメント別の業績は以下のとおり。


【韓国】:売上収益:501億6700万円(同0.0%)
PCの売上収益は、同30.9%増の382億8500万円だった。『メイプルストーリー』が冬季アップデートが好調で伸びたほか、『FIFA ONLINE4』『アラド戦記』『サドンアタック』がいずれも前年同期比で成長した。

『メイプルストーリー』は、別に記事にした有料アイテムの確率問題に象徴される透明性確保の問題からアクティブユーザー数が減少しており、想定を下回る売上収益だったという。

一方、モバイルの売上収益も同41.7%増の148億8200万円と大きく伸びた。『風の王国:Yeon』や『KartRider Rush+』『FIFA MOBILE3』『メイプルストーリーM』が貢献した。

【中国】:売上収益:257億9800万円(同23.0%減)
主力タイトル『アラド戦記』は、例年、旧正月が入るため、大きな収益獲得が可能な時期だが、MAU(月次アクティブユーザー数)と課金ユーザー数が減少し、売上収益が落ち込んだ。アクティブユーザー数の減少は、主にユーザーエンゲージメントの低下と、ボット制裁の強化が主な要因としている。
 



【日本】:売上収益:33億8200万円(同115.8%増)
『V4』や『FIFA MOBILE2』、『TRAHA』に加えて、Yostarがパブリッシングを行う『ブルーアーカイブ』が寄与した。また、『メイプルストーリー』の売上収益は前年同期比で37%成長となった。

【北米及び欧州】:売上収益:48億1400万円(同15.5%増)
主に『メイプルストーリー』及び『メイプルストーリーM』が前年同期比でそれぞれ136%、78%成長した。
 



 
■第2四半期の見通し

続く第2四半期(21年4~6月)は、売上高544億5100万円(前年同期比16.0%減)~595億9600万円(同8.0%減)、営業利益120億3900万円(同55.0%減)~163億8400万円(同39.0%減)、最終利益89億6500万円(同55.0%減)~122億5400万円(同38.0%減)を見込む。


売上高:544億5100万円(同16.0%減)~595億9600万円(同8.0%減)
営業利益:120億3900万円(同55.0%減)~163億8400万円(同39.0%減)
最終利益:89億6500万円(同55.0%減)~122億5400万円(同38.0%減)


新型コロナによる"巣ごもり消費"の追い風で好調だった前年同期との比較で減収となることに加えて、人件費や外注費の増加を見込んでいるという。
 


各地域別の見通しは以下のとおり。
 
株式会社ネクソン
http://www.nexon.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ネクソン
設立
2002年12月
代表者
代表取締役社長 イ・ジョンホン(李 政憲)/代表取締役CFO 植村 士朗
決算期
12月
直近業績
売上収益4233億5600万円、営業利益1347億4500万円、最終利益706億0900万円(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3659
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