CRI・ミドルウェア<3698>は、2月2日公開のアニメ映画『「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』のドルビーシネマ版の音響制作に参加したことを発表した。前後左右だけではなく頭上からも音が聞こえる立体音響の技術が生み出す作品への没入感と、縦横無尽に動き回るキャラクターを彩る表現力を体感できる。
今作では作曲家の椎名豪氏が担当した劇中で流れる伴奏音楽、通称「劇伴」にCRIの本間清司氏と、同社子会社ツーファイブの太田将義氏がドルビーアトモス スタジオエンジニアとして参加した。CRIのスタジオで本間氏が制作したドルビーアトモス版楽曲の表現力の高さを椎名氏が認めたことがきっかけとなり、まず前作アニメーション映画『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』での音響制作をと声が掛かり、本作は2回目の参加となったという。
■ドルビーアトモスとは
「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」とは、立体音響の音声再生方式の規格のひとつ。前後左右の平面を中心に音情報を収録していた従来のサラウンド方式に加え、頭上からの音情報が記録されており、その組み合わせで、雨が上から降ってくる音や、音楽ホールでの包み込まれるような音を今まで以上にリアリティをもって体感できることが特徴となっている。ドルビーアトモスによる音響と「Dolby Vision(ドルビービジョン)」という映像再生規格に対応できる映画館を「Dolby Cinema(ドルビーシネマ)」と呼び、特に音と映像にこだわった映画作品として「ドルビーシネマ版」が制作されている。
■CRIの所有するドルビーアトモス対応スタジオについて
CRIは2022年より、ドルビーアトモス7.1.4chスピーカーを装備した立体音響を制作できるスタジオを所有している。メタバース、ゲームタイトル、映画、そのほか音にこだわった映像作品のMA、ミックス、マスタリングまでできる。今回の立体音響制作はこのスタジオで行っており、本スタジオではこれまでに音楽ユニットm.o.v.eの楽曲や、ゲーム「グランディア」のテーマ音楽のドルビーアトモス版等を制作している。
よりリッチなサウンドに対応するゲームが増えている昨今、同社で開発・提供するゲーム向けのサウンドミドルウェアCRI ADXも立体音響に対応している。このスタジオはプラットフォームとなるソフトウェアを作る側として「明確な基準となる環境」を整えるべきという観点で所有しているという。
会社情報
- 会社名
- 株式会社CRI・ミドルウェア
- 設立
- 2001年8月
- 代表者
- 代表取締役会長 鈴木 正彦/代表取締役社長 押見 正雄
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高28億4000万円、営業利益9700万円、経常利益1億3800万円、最終損益3億3900万円の赤字(2022年9月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3698