フリュー、24年3月期は売上高17%増、営業益76%増に 過去最高の売上高を更新 クレーンゲーム景品はインバウンド需要の回復も追い風に

  • フリュー<6238>は、5月14日、2024年3月期通期の連結決算を発表、世界観ビジネスが業績を牽引し、ガールズトレンドビジネスの収益性が安定していることから、中期ビジョンにおける業績目標に対して順調に推移しており、過去最高の売上高を更新した。

    売上高427億6800万円(前々期比17.5%増)
    営業利益37億7100万円(同76.6%増)
    経常利益37億3500万円(同71.4%増)
    最終利益24億9100万円(同72.6%増)

    セグメント別の状況は以下のとおり。

    ①世界観ビジネス 売上高233億1700万円(前々期比42.6%増)、営業利益17億1000万円(前々期1億8900万円の赤字)
    定番キャラクターや、人気漫画作品および世界的人気ゲームなどのトレンドを踏まえた多数のIPの獲得とその商品化に引き続き注力し、売上は大きく伸長した。商品の生産は主に中国で行っているためドル建てでの決済であり、円安による仕入費用増の影響はあったものの、為替変動リスクを軽減するための対策を適宜実施し、海外取引先の売上を円建てからドル建て取引に変更したことも寄与して、営業利益も確実に増加した。

    クレーンゲーム景品は、クレーンゲーム市場拡大と複数の人気IPの商品化に加えて、前述のインバウンド需要の回復も後押しした結果、売上規模は大きく拡大した。

    海外物販は、主要マーケットである中国およびアメリカからの受注状況改善のため、新規販路の拡大や海外向けのIP取得に注力した。

    高価格帯ホビーは、ホビーECサイト「FURYU HOBBY MALL(フリューホビーモール)」におけるポイントサービスの導入や、開設1周年キャンペーンなどを実施しており、商品の販売状況も好調のため前年を上回る売上となった。

    ②ガールズトレンドビジネス 売上高159億1000万円(同1.1%増)、営業利益44億2100万円(前期比4.7%増)
    プリントシール事業は、新型コロナウイルス感染症がもたらしたライフスタイルやニーズの多様化といった外部環境の変化に対応するため、従来よりも「+αの価値」を体験できる新機種の導入や、定番人気キャラクターや人気アーティストとのコラボの実施など、ユーザー数拡大のための販促施策を実施した。この結果、プレイ回数は3330万回(前々期3375万回)の微減となった。一方、シール機本体の販売数増および商品・サービスの品質向上に伴う消耗品の価格転嫁により、増収増益を達成した。

    プリントシール画像取得・閲覧サービス「ピクトリンク」におきましては、重要なKPIと位置付けている有料会員数は新規入会者の流入強化施策により、年間を通じて会員規模を維持し、2024年3月末時点で147万人(2023年3月末時点は149万人)となった。退会率の抑制と今後のサービスのさらなる成長戦略として、2023年5月にプレミアム会員向けにフォトストレージ・サービス「PiCTLINK photos」をリリースし、10月にスタンダード会員まで対象を拡大した。

    ③フリューニュービジネス 売上高35億4000万円(前期比17.8%減)、営業損益5億7400万円の赤字(前々期3億1000万円の赤字)
    家庭用ゲームソフト事業は、7月発売の『クライマキナ/CRYMACHINA』の販売が好調であり、既存タイトルのダウンロード版や海外販売と合わせて同事業を牽引した。ゲームアプリ事業は、既存2タイトルの運営を継続する一方、今後の顧客層拡大のため、新規タイトル
    『廻らぬ星のステラリウム』の開発に注力した。

    アニメ事業は、昨年ヒットした映画「ゆるキャン△」のBlu-ray・DVDや同シリーズの関連商品の販売が好調であり、この流れを維持してTVアニメ「ゆるキャン△」第3期の2024年4月放送開始に向けた準備に取り組んだ。

    カラーコンタクトレンズ事業は、自社ECサイト「Mew contact(ミューコンタクト)」上で、開設10周年キャンペーンなどの販売促進施策を実施するとともに、サイトの顧客利便性改善を継続することで、引き続き顧客流入数を増加させる取り組みを進めた。

    データ広告事業は、新規顧客獲得のための営業活動に注力し、収益力の向上に努めた。

  • ■今期は売上高横ばい、2ケタ減益の見込み

  • 2025年3月期通期の業績予想については、以下のとおり。

    利益面については、保守的に円安や原材料費の高騰による影響が当面は継続すると見込んでいる。

    売上高430億円(前期比0.5%増)
    営業利益30億円(同20.4%減)
    経常利益30億円(同19.7%減)
    最終利益20億円(同19.7%減)

フリュー株式会社
http://www.furyu.jp/

会社情報

会社名
フリュー株式会社
設立
2007年4月
代表者
代表取締役社長 三嶋 隆
決算期
3月
直近業績
売上高364億円、営業利益21億3100万円、経常利益21億7900万円、最終利益14億4300万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
6238
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