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【インタビュー】CC2・松山洋氏「サービス終了?何いってんの、最終章の開幕だよ」…5月末で完結を迎える『死神メサイア』に込めた、ソーシャルゲームの常識を覆す“演出”に迫る

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サイバーコネクトツーとディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、去る3月31日に、スマートフォン用ソーシャルRPG『死神メサイア』のサービスを、2014年5月30日をもって完結(終了)することを明らかにした。しかしながら、サービスを粛々と終えていくことはなく、なんと完結の告知と同時に、物語のグランドフィナーレへ向けた大規模イベントを、4月9日(水)~5月30日(金)までの期間に開催すると発表。

イベント期間中には、エンディングムービーを含む最終章までのストーリー配信をはじめ、ラスボス討伐イベントの実施、アプリ内カウントダウン演出など、従来のソーシャルゲームでは類を見ない“未曾有の演出”を随所に散りばめたという……。

そこで本稿では、サイバーコネクトツー・代表取締役の松山洋氏に、『死神メサイア』に込めたグランドフィナーレの演出意図や、サービス完結の在り方など、様々な切り口から話を伺ってきた。

 

■そもそも『死神メサイア』とは


本作は、サイバーコネクトツーがDeNAとタッグを組んで開発した国内向けソーシャルRPG。6人の主人公と、章形式の各シナリオに登場するヒロインが織り成す奥深い「物語(ドラマ)」を、バトル、ビジュアル、音楽、そしてこだわりの世界観とともにスマートフォンで手軽に楽しめる。

プレイヤーは、個性的な男女6人の主人公から好きなキャラクターを選んでゲームを開始する。また、キャラクターごとにゲーム中のボイスやストーリー進行上の会話が変化するのが特徴的。

ゲームは、章形式のクエストを進めて物語の軸を追う「ストーリーモード」と、インタラクティブなバトルアクションを駆使し、合成素材を獲得する「アビスバトル」のふたつのモードが用意。

■配信開始日
Android版:2013年10月1日
iOS版:2013年11月12日

■開発スタッフ
プロデューサー:下田星児氏/ディレクター:新里裕人氏
シナリオ:熊谷純氏(PS2『スカーレットライダーゼクス』メインシナリオ /
TVアニメ『革命機ヴァルヴレイヴ』脚本)
キャラクターデザイン:時津祐介氏 / ヒロインキャラクター原案:濱元隆輔氏
主題歌:Ryu (ゲーム内挿入歌『TENOHIRA』/『Cast Away』)
※iTunes Store、Amazon.MP3にて好評配信中
 
 
 

 


 

■前代未聞のソーシャルゲーム×エンディング


『死神メサイア』製作総指揮
株式会社サイバーコネクトツー
代表取締役 松山 洋
 

――:本日はよろしくお願いします。これまで私も様々なところでインタビューをしてきましたが、「サービス完結(終了)」に向けたイベントが題材となるケースは初めてです。

そうですね。恐らくこういう施策を行うこと自体が、業界的にも初めてだと思います。


――:早速ですが、今回の『死神メサイア』に施したエンディングムービーやカウントダウン演出など、「グランドフィナーレ」に向けた大規模イベントを導入した経緯を教えていただけますか。

まず改めて『死神メサイア』のコンセプトからお話させていただきます。最初に本作をお客様にご案内したとき、「このプロジェクトはドラマ表現に重きを置いたプロジェクト」、「テレビアニメを楽しむかのように遊んでほしい」というコンセプトを掲げ、そして伝えました。現に我々もテレビアニメのようなテイストで手掛けてきたこともあり、プロモーションビデオには<『死神メサイア』第一話「死神はそこにいる」>という告知を表現しました。
 


――:たしかに。“第一話”という文言が物語仕立てであることを伝えていますね。 

というのも我々が手掛けているタイトルもそうですが、昨今、世の中に数多くあるソーシャルゲームと言われている作品、ぶっちゃけた話、終わりがないじゃないですか


――:ええ(笑)。PCオンラインゲームと同様に、なかば永久的に続けられますよね。

もちろんお客様に応援いただけるのであれば、続けていくべきだと思います。ただ、当然ローンチ後は人が増えるものですが、どこかでその山が横ばいとなり、そしてDAU(Daily Active Users)が下がったり上がったりして、結局は小さな波を繰り返すことになります。しかし、たとえ売上やDAUが一定を下回ったとしても、少なくともそこにいらっしゃるお客様のためには、続けなければならない


――:そうですね。

お客様の考えとしても「毎日ログインボーナスはもらえるし、ちょこちょこ更新もあるし、まあやりはするけど、この調子でいつまで続くんだろう……」と、我に帰る瞬間があると思うんです。これでは、お客様とメーカー側、お互いにとって良くないことです

そんなお客様が惰性で遊んでいる流れを、『死神メサイア』で変えようと思い、本プロジェクトが始まった経緯があります。そうして、ドラマ体験に重視して、まるでテレビアニメを楽しむかのように遊んでほしいというコンセプトを掲げて、2013年10月1日にサービスを開始しました。

現在までは、4人のヒロインを軸にした物語が展開されているほか、PvPの導入やレイド戦などの各種イベントや様々な機能拡張も行ってきましたが、これまでの期間はあくまでも「死神断罪編」と称した前半戦となり、ここからがいわゆる後半戦になります。


――:物語が前後半に分かれているんですね。後半戦では、どのような展開を迎えるのでしょうか。

ここからは、新たなヒロインが登場する第5章から第8章、さらに最終章(第9章)までを全て公開して、最後のクライマックスが展開されていきます。

■「死神黙示録編」配信スケジュール(予定)
4/9(水) Chapter 05 -レナ-「痛みからの解放」
4/21(月) Chapter 06 –ハルカ-「業と言う名の活力」
4/30(木) Chapter 07 –ヒトミ-「憤怒に包まれた画家」
5/13(火) Chapter 08 –アイカ-「夢穢されし赤き少女」
5/23(金) 最終章「終焉に至る8日間」
※第1章~第4章までのストーリークエストも引き続き楽しめる。
※配信日時は予定。変更になる可能性あり。
※各クエストはスタミナ消費量を抑え、だれでも気軽にストーリーを楽しめるバランスになっている。

 

▲「死神黙示録編」に登場する4人のヒロインが新たに描かれたキャラクターデザイン。
“時津祐介”氏による描きおろしイラスト。

たぶん皆さんも経験があると思いますが、2クールのアニメを一通り見終わって、「あぁ、このアニメ見続けて良かったなぁ……」と、そういう良い意味での脱力感になることってあるじゃないですか。そうした体験を『死神メサイア』でも演出していきたいと考えていました。

4月9日からは、クライマックスとなる後半戦「死神黙示録編」をお客様に公開していきます。そして5月末には、我々が提示した最高のエンディングを各々で迎えていただき、お客様と共に本プロジェクトを終えたいと思っています。そして、1年弱ですけど、このプロジェクトを振り返ってお客様が「『死神メサイア』面白かったなぁ」と思っていただけたら、我々のミッションは達成できたかと思います。


――:5月30日をもってサービス完結(終了)するとのことですが、その時点で綺麗に終わらせるということですよね。

もう「ピシャッ」と終わらせます。


――:そうですか……。スケジュール的には、思い描いたものですか。

もちろんお客様の人数(DAU)や売上などに関して、2014年3月までのKPI(重要業績評価指標)を運営のDeNAさんと見つつ、「もうこのタイミングなんじゃないか」というスケジュールを決めていきました。そして、最高のクライマックスを迎えて、「本作を遊んで良かった」と思っていただくタイミングも、やはりここじゃないかと。


――:なるほど。……ただ、結果的にKPIの問題で完結が早まることになったと思いますが、DeNAさんとの話し合いではいかがでしたか。 

当然DeNAさんは、プラットフォームを運営する商売人ですから、日々KPIを見ながら逐次ご相談していました。そして、今後の展開を決めるミーティングにて、DeNAさんと「サービスを終了しましょう」という話があがりました。そのミーティングでは、弊社のスタッフも同様に「サービス終了」という言い方をしていましたが、これを聞いた私は「終了? 何言ってんの。最終章の開幕だよ」と伝えたのです。
 

たしかに、現状ではサービス終了することになりますが、このプロジェクトで当初掲げていたものは、そうではありません。きちんとドラマ体験に重きを置いているため、これは終了ではなく、最終章の開幕だという話をしていました。ほかのプロジェクトではいいけど、『死神メサイア』で「サービスを終了する」なんて言い方は、絶対にしてはならない


――:と、それを聞いたDeNAさんは。

「そんなことを言われたのは初めてだ」、と。DeNAさんもたくさんのパートナーさんがいらっしゃいますが、本来ならばサービスを終了するときには、ゲーム内告知のみで、下手すりゃリリースもうつことなく、ただ一刻も早く静かに終息させる必要がありますよね。

それとは正反対に『死神メサイア』では、クライマックスを一番盛り上げて「パツん」と終わらせるのですから。恐らくDeNAさんにとっても初めての試みだったと思います。しかし、DeNAさんのルールやシステム的に前例のないことも社内で検討してくれるといったり、精力的に協力してくれました。いまでは一緒にクライマックスを盛り上げていただいています。


――:例え方が間違っているかもしれませんが、とても“贅沢な終わり方”ですよね。ということは、もともと『死神メサイア』は終わることが大前提にあったんですか。

そうです。なので、脚本はサービス開始当初からエンディングまで全て出来上がっています。全9話という話数も、企画当初から変化ありません。ただ、その最終章やエンディングを開示するタイミングを、我々のほうで熟考していました。とはいえ、当初のコンセプト通りスマートフォン上で最高のドラマ体験を楽しんでもらうために、もともとイメージしていたクライマックスを用意しています。
 
 
 
▲現在公式サイトでは各ヒロインのシナリオが公開中!


 

■完結まで刻一刻と変化していくゲーム内の演出に注目


――:これまでの『死神メサイア』に関するユーザーからの反響はいかがでしたか。

もともとドラマ重視でスタートしたということもあり、「早く次の物語を配信してほしい」という声が多く寄せられました。やはりお客様の一番の興味はそこだろうと思っていましたが、同時にすごいジレンマも……。というのも、どのタイトルにも言えることなんですけど、仮にメインストーリーと呼ばれているコンテンツがあったとして、ただ進行するだけでは単調になるため、ゲームにレイド戦やPvPなどのソーシャル要素が新しいコンテンツとして加わっていくかと思います。

そうしたメインストーリーとみんなで競い合うようなソーシャルコンテンツを、二軸で遊んでいただくのが一番バランス的だと思うのですが、どうしてもイベントになると期間限定でやるじゃないですか。レイドボスが出てくれば盛り上がり、PvPも積極的に遊んでくれるものですが、その間、ストーリーの進行が止まってしまうのが見受けられるんですよね。


――:たしかに。私も日々のイベントで夢中になって、あまりメインストーリーが進んでないタイトルがちらほらと……。

そうですよね。どのタイトルでも言えることですが、やはりメインストーリーの最新話まで到達できている人は、ごくわずかです。もちろん悪いことではないですが、日々のイベントを遊んでいるうちに、メインストーリーが止まってしまうことがあるのは事実です。

それと比較して『死神メサイア』は、もともと4章までで止まっていることと、ステップを踏みながら一言ずつ会話劇が繰り広げられるといった、コンパクトにひとつの物語を落とし込んでいるため、情報としてはストレスなく頭に入っていきやすいようになっています。実際に、物語がどのように進行しているのかもみなさんに覚えていただいているほか、多くの方が最新話まで到達されています

そして、ここから先は本当に物語を楽しんでもらえるような形を施しています。我々がこれからイメージしている「死神黙示録編」は、まずは全員でエンディングを見るということを意識して、そこまでの過程を盛り上げるためにレイドイベントを用意しています。


――:ユーザーと言えば、みなさんイベント中はとてつもない強さを発揮されていますよね。 

ええ。私も上位の方とマッチングしても全然勝てないです(笑)。じつは、そんな『死神メサイア』をやり込んでくれた方たちに向けた演出も現在考えています。これまで武器もカードも一生懸命強化したにも関わらず、4月9日から新たに始めた人もサービス当初から始めた人も同じ結末を迎えて「はい、お疲れ様でした」は、なんか申し訳なく思うじゃないですか。そのため我々のほうで、たくさん『死神メサイア』を遊んでいただいた方々に向けて、「遊んで良かったなぁ」と思ってもらえるような施策は考えております。


――:ちなみにグランドフィナーレでは、武器やアビスボスについては……。

もちろん、すべて公開されます。そのため、『死神メサイア』の魅力でもある“部位破壊”を実装した「アビスバトル」を通せば、物語を進めながらも最強武器を作ることだって可能です。ぜひ、強化した武器などで一丸となってレイドボス・終焉凶魔に挑んで欲しいと思います。


――:そういえば各クエストのスタミナ消費量も抑えられるようですね。こちらは新規ユーザーの方でも楽しめるということですか。

そうです。ここから先はドラマを楽しんでもらうため、なるべくゲーム進行の難易度が緩和するようにも調整しています。すでに第1章から第4章のストーリークエストも調整されているので、本イベントで興味をもって新しく始められた方が、ストーリーの第1章から始めても、十分エンディングに間に合います。ちなみにエンディングは、当然主人公ごとにセリフも変化するため、これから始める方は6人の主人公から誰を選ぶのかも楽しんでみてください。


――:また、『死神メサイア』では待機画面となるホーム画面の演出も特徴的です。もしかして、何か最終章に向けた演出もあるのでしょうか。

じつは、これまでも冬には雪が降ったり、春には桜が舞ったりと現実世界の季節とリンクして、ホーム画面にも様々な演出を施してきました。そして今回の最終章では、お客様が驚くような仕掛けを用意しています。というのも、現在ホーム画面では、主人公キャラクターたちがビルの屋上でたそがれている感じになっていますが、これ、最終章の緊迫感に相応しくないじゃないですか(笑)。
 

▲『死神メサイア』のホーム画面。

――:ですね(笑)。私はニーナを主人公に選んだのですが、どこかのんびりしている雰囲気がありますよね。

なので、ここからは最後の戦いに向かっていく雰囲気を出すため、ホーム画面が日々変化していく演出を予定しています。公式サイトもタイミングを連動させて様々な告知を行っていますので、ぜひ、満身創痍で戦っている死神たちの様子を味わってください。

 

■連載漫画家の姿勢がお手本に


――:『死神メサイア』を振り返り、なにか現場で印象深いエピソードはありますか。

じつはサイバーコネクトツーには、東京スタジオと福岡本社のふたつの拠点があります。どのプロジェクトも両社で連携しながらゲームを開発していますが、どちらに主幹があるかはプロジェクトごとに異なります。たとえば『ナルティメット』シリーズや『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』は福岡に、そして『死神メサイア』やドリコムさんと手掛けた『フルボッコヒーローズ』は、東京に主幹があります。

もうすぐ東京スタジオは、立ち上げてから4年目を迎えるのですが、じつは『死神メサイア』はこれまでに入社してきた若い人材でチームが結集されているんですよ。そんな若いが故の突破力やアイディアなど、これからの新しいサイバーコネクトツーを作っていく彼らのエネルギーが、現場を振り返って印象的でしたね。


――:今回の『死神メサイア』のグランドフィナーレ演出に関して、現場スタッフの方々はどのように反応していましたか。

「サービス完結、という表現はユーザーに誤解を招くのでは」「終了を長引かせてまで、新たなイベントを行う必要があるのか」という意見も当然ありました。私は会社の社長ですし、大きい声が出る人間なので、「いや、違う、こうだ」という話をしたのですが、やはりスタッフが考えている気持ちも分かります。

ただ、これは作り手としてのポリシーなんです。我々は作品を通して、それを遊んでくれるお客様に夢を与える商売だと思っています。この世界が好きで、この物語が好きで、この体験が好き。それを応援してくれるお客様に対して、「売上とか、KPIの数値とかがほにゃららだったからサービス終了します」というのは、違うと思っているんですよね


――:たしかに。

たとえば雑誌での連載は、人気がでなければ打ち切りという判断が待っています。ある日突然、ストーリーの途中で未完となってしまう作品も正直少なくありません。しかし、打ち切りを通告されたからといって、最後に未完って書くような終わらせ方をするのではなくて、自分が思い描いていた結末を、どのように軌道修正して着地させるかを、残りの話数できちんと描ききるというのが本当の作家だと思うんですよ。

そのときに話したのが、私の大好きな漫画『バオー来訪者』の最後。これは荒木飛呂彦先生が『ジョジョの奇妙な冒険』を連載する前の作品ですが、全17話で終わってしまうんです。今思い返せば、それは「打ち切り」だったんですけど、当時子供だった私は、読んでてまったく気づかなかったんです。打ち切りと悟られることなく、ひとつひとつの物語を紡いでいって、違和感なく完璧な全17話で完結させる。大人になって改めて、見事だと思いました。
 

「打ち切りと言われたから」、「人気の票が取れなかったから」などの泣き言を一切語らず、打ち切りを子供たちに悟られることはないように、何の違和感もなく作品を描ききった。そんな先生方の姿勢が、私のお手本になっています

打ち切り宣告がされちゃったけど、「途中だけど話はここまでしか書けませんでした」とか、「あと4話で短くまとめるからよろしくね」なんて絶対に言っちゃいけないんですよ。夢が覚める瞬間なので。だからこそ私もお客様に対しては、本当に完成・完結する形で『死神メサイア』のエンディングを迎えていただきたい想いがあるのです。……という話を『死神メサイア』の完結と併せて説得したら、ディレクターも納得しました(笑)。


――:(笑)。

いまでは一丸となって、クライマックスに向けて走り出しています。


――:しかし、『死神メサイア』が完結することに寂しさを感じます。今後IPとして復活することはあるのでしょうか。 

これは最終章を迎えてプロジェクトが完遂した後に、考えていきたいですね。映画でも山あり谷ありの物語が右往左往しながら展開していくと思うのですが、2時間後にエンドロールを見ながら「なんかいろいろあったけど、この映画見て良かったなぁ」と思えたら、その映画はその人にとって名作になると思います。だからこそ、我々もクライマックスを迎えてから、そのときにお客様がどのように振り返っていただくかで、これからの展開を考えていきたいと思います。

 

■「死ぬこと以外はかすり傷」


――:ここからは現在のスマートフォンアプリ市場についてお聞きしたいと思います。刻一刻とユーザーのニーズも変化していく市場ですが、松山さんはどのようにスマートフォンアプリ市場を見られていますか。

私が考えるに、家庭用ゲームを映画に例えると、スマートフォンゲームはテレビ番組の感覚に近しいと思っています。映画は魅力的なものがあれば、わざわざチケットを予約して、映画館に足を運んでまでも観に行くじゃないですか。この指名買いのビジネスは、家庭用ゲームと私は一緒だと思っています。

対してテレビ番組は、家に帰って適当にテレビつけて、見る気はなかったけど、たまたま流れていたからを理由に、なんか面白いから毎週見るようになったなど、スマートフォンゲームの世界に近しいものがあると思っています。


――:加えて無料ですからね。

ええ。スマートフォンゲームも多くが基本プレイ無料です。そこから、ただランキングを見ていて、オススメに載っていたから、アイコンが可愛かったら、といった“なんとなく”の理由でダウンロードすることがほとんどでしょう。しかし、ダウンロード後は、インストール時間が長いといった理由で、アプリが消されることもあります。これは、テレビ番組でも同じだと思っています。


――:なるほど。これまでの市場についてはいかがですか。 

いくつかパイオニアになったアプリタイトルがあると考えています。かつては“ポチポチ”するソーシャルゲームが多かったですが、いまは『パズドラ』(『パズル&ドラゴンズ』)以前と『パズドラ』以後で分けられると思っています。『パズドラ』以後に同作を模倣した作品は、各社作られてきましたが、結局どのタイトルも上手くいきませんでした。

そして現在、私自身感じているのは、アプリが二極化しているということです。ひとつは『パズドラ』とは全く異なるゲームの魅力を打ち出した、まさに「THE GAME」と呼ぶべきもの。そして、もうひとつはメガヒットしたアニメや漫画のIPを用いた版権タイトルのアプリ。ほかのゲームメーカーさんがどう考えているかは分かりませんが、これら二極化された市場のなかで、二番手として追いかけても勝てないことは、この一年のなかで証明されつつあると思っています。

また、スマートフォンとしての遊びの幅を広げることで、面白さの可能性を模索することが大切だと考えます。つまり『パズドラ』はもちろん、『ブレイブフロンティア』や『モンスターストライク』などのように、操作性や利便性がスマートフォンに合致しているということです。なぞったり、フリックしたり、引っ張ったりと、これらの直感的なアクションがバランス良くゲームに落とし込まれている必要があるのかと思います。「別にスマートフォンじゃなくてもいいじゃん」と思えるようなタイトルは、なかなかヒットには結びつかないことでしょう。


――:ちなみに今後サイバーコネクトツーとしては、新作のスマートフォンアプリも開発されているのでしょうか。

詳しくは言えませんが、現在開発しています。大きなインパクトのある作品となっておりますので、ぜひ発表できるその日までお待ちください。


――:分かりました、発表が待ち遠しいです。それでは、最後に「Social Game Info」読者にメッセージをお願いします。

昨今、スマートフォンとフィーチャーフォンを持つ割合が完全に逆転しています。ソーシャルゲームの売上も家庭用ゲームのおよそ二倍の売上を記録していますが、やはりこれもゲームです。日を追うごとにスマートフォンゲームの数も増えてきていると思いますが、ある一定の飽和状態は終わって、いまは完全に選ばれる1本を作り出す時代に突入してきています。要するに、その道で成功しているタイトルが一強の状態にあるということです。

そのため、恐らくみなさん苦労されていると思いますが、我々も苦労しています
 

けれど、みなさん思い出して欲しいのが、“ゲーム”のビジネスって元々そうだったじゃないですか。家庭用ゲームに関しては、学校帰りの子供たちがおもちゃ屋に寄って、「あのソフトをゲットしてやるぜ!」と絶大な購買意欲を沸き立たせて、ワクワクさせるという、大変なハードルを超えて商売をする必要があります。市場が厳しくなってきているのではなくて、もとから難しいんです。

「死ぬこと以外はかすり傷」という言葉がありますが、全くその通りだなと思います。これからもボロボロになって、血だらけになって、片足を泥水に突っ込むことがあると思いますが、それでも大ヒットを夢見て我々はモノを作り続けているということは、この業界で生きている証拠です。死ななければいいんです。ぜひ、これから先も勇気をもって、そしてお互いで夢を見て、作品を手掛けながら生きていきましょう。


――:ありがとうございました。『死神メサイア』のグランドフィナーレも楽しみにしております。

 


■関連リンク

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© 2013 CyberConnect2 © DeNA Co., Ltd. 2013
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企業情報(株式会社サイバーコネクトツー)

会社名 株式会社サイバーコネクトツー
URL http://www.cc2.co.jp/
設立 1996年2月
代表者 松山 洋
決算期
直近業績
上場区分 非上場
証券コード

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