2014年上半期が終わったが、App Storeに続いて、14年1~6月におけるGoogle Playの売上ランキングを振り返っていきたい。スマートフォンアプリ市場の拡大基調が続くなか、売上ランキングにおける各社のシェアやタイトルの顔ぶれにどういった変化が見られたのか。また、開発費やマーケティングコストの高騰とともに、市場が寡占化し、新規タイトルの苦戦が指摘される中、新作は果たしてランキング上位に食い込めたのか。
まず、上半期の市場動向に関する結論から書いていくと以下のようになる。
(1)バンダイナムコゲームスがトップ50に9タイトルを送り込み、LINEを抜いてトップシェアとなった。この結果として、大手ゲーム会社のポジションが高まったのだが、大手ゲーム会社の開発力・プロデュース力を発揮したものか、あるいはIPホルダーとしての強さが目立ったと見るべきか、両方なのだろうが判断が難しいところである。
(2)上位に入るディベロッパーが固定化する傾向がみられたが、ミクシィやマーベラス、Happy Elementsなどの活躍も目立った。開発費やマーケティングコストの増加などアプリ市場への参入ハードルは日に日に上がっているものの、新作タイトルの割り込む余地は十分ある。ゲームの出来と運営次第だが、新規参入を目指すディベロッパーにもチャンスはある(※新作の定義は様々だろうが、今回は分析の都合上、13年12月以降にリリースされたタイトルとした)。
なお、今回、用いたデータについては、Google Play売上ランキング(ゲームカテゴリー)の上位50タイトルを対象とし、期間は1月1日から7月1日までとなっている。データは、月初と15日のデータを使用した。このため、月初や中旬の特有の動きが入っている点は留意してほしい。また、バンダイナムコゲームスの『ONE PIECE トレジャークルーズ』のように、開発している会社が判明している場合、開発会社も明記するようにした。
まず、アプリストアのランキングタイトルの推移を見ていこう。ガンホー・オンライン・エンターテイメントの『パズル&ドラゴンズ』が首位の座を維持したことが外せないだろう。『ドラゴンボール』や『聖闘士星矢』など有名作品とのコラボや、様々なリアルイベントが注目を集めた。『パズドラ』の首位は当たり前の光景になってしまっているが、開発・運営スタッフの多大な努力なしには決して実現し得ないものである。Google Playでは一度も首位明け渡すことがなかった。まさに絶対王者といえよう。
出所:AppAnnie
上半期では、ミクシィ『モンスターストライク』を中心とする新作の活躍が目立った。7月1日現在、新作タイトルは、上位50タイトル中、実に21タイトルを占めたのだ。市場の寡占化や開発費の高騰などが指摘される中、有力IPを活用したタイトルや、新しい遊びを提供したタイトル、App Storeで実績のあるタイトルのAndroid版の活躍が目立ったように思われる。ディベロッパー単位でみると顔ぶれに変化が少ないわけが、アプリをみると激しく入れ替わっていることが伺える。
出所:AppAnnie
昨年12月以降にリリースされ、上位に入った主なタイトルをあげておくと以下のとおり(カッコ内はリリースされた月)。
・LINE『LINE:ディズニー ツムツム』(14年1月リリース)
・マーベラス『剣と魔法のログレス』(13年12月リリース)
・スクウェア・エニックス『スクールガールストライカーズ』(14年5月)
・アソビズム『ドラゴンポーカー』(長く運営されているように感じられるが、Android版は13年12月18日リリース)
・バンダイナムコゲームス&ドリコム『ジョジョの奇妙な冒険SS』(14年3月)
・バンダイナムコゲームス&KLab『テイルズ オブ アスタリア』(14年4月)
・バンダイナムコゲームス&ドリコム『ONE PIECE トレジャークルーズ』(14年5月)
・バンダイナムコゲームス&アカツキ『テイルズオブリンク』(14年4月)
・LINE『LINEレンジャー』(14年2月)
・LINE『LINEクッキーラン』(14年1月)
・LINE&タイトー『LINE パズルボブル』(※タイトーはスクウェア・エニックスとしてカウント、13年12月)
・コロプラ『スリングショットブレイブズ』(14年2月)
・コロプラ『ほしの島のにゃんこ』(14年3月)
・Happy Elements『メルクストーリア-癒術士と鈴のしらべ』(14年1月)
・セガネットワークス『アンジュ・ヴィエルジュ ~第2風紀委員 ガールズバトル~』(13年12月)
・ディー・エヌ・エー『パズ億~爽快パズルゲーム』(13年12月)
・ディー・エヌ・エー『進撃の巨人 -自由への咆哮-』(14年2月)
・Cygames『グランブルーファンタジー』(ネイティブアプリ版は14年5月リリース)
・スクウェア・エニックス『三国志乱舞』(14年3月)
・コパン『古の女神と宝石の射手』(14年2月)
このほか、セガネットワークスの『チェインクロニクル』や、エイリム『ブレイブ フロンティア』、サムザップ『戦国炎舞-KIZNA-』といったタイトルも13年に続いて高い順位をキープした一方、コロプラ『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』やLINE『LINEポコパン』など、これまで2位争いを繰り広げていたタイトルが4月以降、順位を落とす場面が目立った。これは4月以降に起こった大きな変化といえるかもしれない。
続いて、アプリ提供会社のシェアを見ていこう。1月1日時点と7月1日時点における売上ランキング上位50タイトルのうち、複数タイトルを送り込んでいる会社とタイトル数を示したものが以下の表となる。
これをみると、バンダイナムコゲームスが5タイトルから9タイトルに増えて、トップシェアとなったことがわかる。『ガンダム』や『ONE PIECE』、『ジョジョの奇妙な冒険』、テイルズオブシリーズなど、高い知名度を持つIPを活用したタイトル展開が奏功した。有名なアニメや家庭用ゲームソフトの世界観やキャラクターを生かしつつ、スマートフォンアプリとしていかに楽しめるものにつくり上げるか、といったプロデュース能力の高さも示している。
LINEは首位から陥落したものの、『LINE:ディズニー ツムツム』や『LINEポコパン』、『LINEレンジャー』などが伸び、6タイトルから7タイトルに増えた。また『スリングショットブレイブズ』や『ほしの島のにゃんこ』がヒットしたコロプラも4タイトルから6タイトルに増加した。
このほか、バンダイナムコゲームスと共同タイトルを展開するドリコムが2タイトル、スクウェア・エニックスが3タイトルから4タイトルに、サイバーエージェントグループも2タイトルから3タイトルに増えた。また『サウザンドメモリーズ』のアカツキも2タイトル入った。
以下、主要プレイヤーの状況をみていきたい。
ディー・エヌ・エーは、『三国志ロワイヤル』や『パズ億~爽快パズルゲーム』、『進撃の巨人 -自由への咆哮-』などをリリースし、2月から5月初旬にかけて売上ランキングでもトップ50に入った。しかし、5月以降、失速し、いずれもトップ50から陥落した。Mobageタイトルという観点からすると、Cygamesの『グランブルーファンタジー』が6月以降、トップ50に入っている。
海外勢では、上半期を通じて活躍したのは『Clash of Clans』を手がけるSuperCellと、『キャンディークラッシュ』を提供するKingの2社だろう。『Clash of Clans』は、4月に一時順位を落とす場面があったものの、その後、息を吹き返し7月1日時点ではトップ5入りを果たした。『キャンディークラッシュ』も同様で、安定したランキング推移を見せた。両社の課題は、看板タイトルに続く作品群の育成だろう。7月1日時点でSuperCellの『Hay Day』が20~30位近辺を推移し、Kingの新作『Farm Heroes Saga』もトップ50入りを果たした。今後どこまで順位を上げるのか注目である。
最後に、下半期の注目企業として、Com2usをあげておきたい。最新作『サマナーズウォー』は、App StoreとGoogle Playの売上ランキングでトップ30入りを果たした。そして、日本のみならず、アメリカや台湾、中国、韓国などのアプリストアの売上ランキングでも上位に食い込んでいる。これまで日本市場向けにも継続的にゲームアプリを配信してきたものの、総じて苦戦してきたように見受けられる。そうした中での大ヒット。同社の活躍ぶりを見ていると、ゲームを地道に作って提供し続けることの重要性を感じさせてくれる。
まず、上半期の市場動向に関する結論から書いていくと以下のようになる。
(1)バンダイナムコゲームスがトップ50に9タイトルを送り込み、LINEを抜いてトップシェアとなった。この結果として、大手ゲーム会社のポジションが高まったのだが、大手ゲーム会社の開発力・プロデュース力を発揮したものか、あるいはIPホルダーとしての強さが目立ったと見るべきか、両方なのだろうが判断が難しいところである。
(2)上位に入るディベロッパーが固定化する傾向がみられたが、ミクシィやマーベラス、Happy Elementsなどの活躍も目立った。開発費やマーケティングコストの増加などアプリ市場への参入ハードルは日に日に上がっているものの、新作タイトルの割り込む余地は十分ある。ゲームの出来と運営次第だが、新規参入を目指すディベロッパーにもチャンスはある(※新作の定義は様々だろうが、今回は分析の都合上、13年12月以降にリリースされたタイトルとした)。
なお、今回、用いたデータについては、Google Play売上ランキング(ゲームカテゴリー)の上位50タイトルを対象とし、期間は1月1日から7月1日までとなっている。データは、月初と15日のデータを使用した。このため、月初や中旬の特有の動きが入っている点は留意してほしい。また、バンダイナムコゲームスの『ONE PIECE トレジャークルーズ』のように、開発している会社が判明している場合、開発会社も明記するようにした。
■ランキング動向:パズドラが首位キープ。モンストなど新作が2/5を占める
まず、アプリストアのランキングタイトルの推移を見ていこう。ガンホー・オンライン・エンターテイメントの『パズル&ドラゴンズ』が首位の座を維持したことが外せないだろう。『ドラゴンボール』や『聖闘士星矢』など有名作品とのコラボや、様々なリアルイベントが注目を集めた。『パズドラ』の首位は当たり前の光景になってしまっているが、開発・運営スタッフの多大な努力なしには決して実現し得ないものである。Google Playでは一度も首位明け渡すことがなかった。まさに絶対王者といえよう。
出所:AppAnnie
上半期では、ミクシィ『モンスターストライク』を中心とする新作の活躍が目立った。7月1日現在、新作タイトルは、上位50タイトル中、実に21タイトルを占めたのだ。市場の寡占化や開発費の高騰などが指摘される中、有力IPを活用したタイトルや、新しい遊びを提供したタイトル、App Storeで実績のあるタイトルのAndroid版の活躍が目立ったように思われる。ディベロッパー単位でみると顔ぶれに変化が少ないわけが、アプリをみると激しく入れ替わっていることが伺える。
出所:AppAnnie
昨年12月以降にリリースされ、上位に入った主なタイトルをあげておくと以下のとおり(カッコ内はリリースされた月)。
・LINE『LINE:ディズニー ツムツム』(14年1月リリース)
・マーベラス『剣と魔法のログレス』(13年12月リリース)
・スクウェア・エニックス『スクールガールストライカーズ』(14年5月)
・アソビズム『ドラゴンポーカー』(長く運営されているように感じられるが、Android版は13年12月18日リリース)
・バンダイナムコゲームス&ドリコム『ジョジョの奇妙な冒険SS』(14年3月)
・バンダイナムコゲームス&KLab『テイルズ オブ アスタリア』(14年4月)
・バンダイナムコゲームス&ドリコム『ONE PIECE トレジャークルーズ』(14年5月)
・バンダイナムコゲームス&アカツキ『テイルズオブリンク』(14年4月)
・LINE『LINEレンジャー』(14年2月)
・LINE『LINEクッキーラン』(14年1月)
・LINE&タイトー『LINE パズルボブル』(※タイトーはスクウェア・エニックスとしてカウント、13年12月)
・コロプラ『スリングショットブレイブズ』(14年2月)
・コロプラ『ほしの島のにゃんこ』(14年3月)
・Happy Elements『メルクストーリア-癒術士と鈴のしらべ』(14年1月)
・セガネットワークス『アンジュ・ヴィエルジュ ~第2風紀委員 ガールズバトル~』(13年12月)
・ディー・エヌ・エー『パズ億~爽快パズルゲーム』(13年12月)
・ディー・エヌ・エー『進撃の巨人 -自由への咆哮-』(14年2月)
・Cygames『グランブルーファンタジー』(ネイティブアプリ版は14年5月リリース)
・スクウェア・エニックス『三国志乱舞』(14年3月)
・コパン『古の女神と宝石の射手』(14年2月)
このほか、セガネットワークスの『チェインクロニクル』や、エイリム『ブレイブ フロンティア』、サムザップ『戦国炎舞-KIZNA-』といったタイトルも13年に続いて高い順位をキープした一方、コロプラ『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』やLINE『LINEポコパン』など、これまで2位争いを繰り広げていたタイトルが4月以降、順位を落とす場面が目立った。これは4月以降に起こった大きな変化といえるかもしれない。
■シェアの変化:バンダイナムコゲームスがトップシェアに
続いて、アプリ提供会社のシェアを見ていこう。1月1日時点と7月1日時点における売上ランキング上位50タイトルのうち、複数タイトルを送り込んでいる会社とタイトル数を示したものが以下の表となる。
会社名 | 1月1日 | 7月1日 |
バンダイナムコゲームス | 5 | 9 |
LINE | 6 | 7 |
コロプラ | 4 | 6 |
セガ | 4 | 4 |
ガンホー | 3 | 3 |
スクウェア・エニックス | 3 | 4 |
CAグループ | 2 | 3 |
SuperCell | 2 | 2 |
コナミ | 2 | 2 |
KLab | 3 | 2 |
King | 1 | 2 |
ドリコム | 0 | 2 |
アカツキ | 1 | 2 |
Bank of Innovation | 2 | 0 |
サイバード | 2 | 0 |
合計 | 40 | 48 |
これをみると、バンダイナムコゲームスが5タイトルから9タイトルに増えて、トップシェアとなったことがわかる。『ガンダム』や『ONE PIECE』、『ジョジョの奇妙な冒険』、テイルズオブシリーズなど、高い知名度を持つIPを活用したタイトル展開が奏功した。有名なアニメや家庭用ゲームソフトの世界観やキャラクターを生かしつつ、スマートフォンアプリとしていかに楽しめるものにつくり上げるか、といったプロデュース能力の高さも示している。
LINEは首位から陥落したものの、『LINE:ディズニー ツムツム』や『LINEポコパン』、『LINEレンジャー』などが伸び、6タイトルから7タイトルに増えた。また『スリングショットブレイブズ』や『ほしの島のにゃんこ』がヒットしたコロプラも4タイトルから6タイトルに増加した。
このほか、バンダイナムコゲームスと共同タイトルを展開するドリコムが2タイトル、スクウェア・エニックスが3タイトルから4タイトルに、サイバーエージェントグループも2タイトルから3タイトルに増えた。また『サウザンドメモリーズ』のアカツキも2タイトル入った。
以下、主要プレイヤーの状況をみていきたい。
■ガンホー:パズドラ以外が低下傾向に
ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、『パズル&ドラゴンズ』が首位の座をキープした。『パズル&ドラゴンズ』だけで他社のタイトル数本分に匹敵する規模の売り上げを叩き出しているとみられる。また気になる点として、『ケリ姫スイーツ』や『ディバインゲート』、『サモンズボード』などのタイトルのランキングが伸び悩んでいることだろう。『パズル&ドラゴンズ』への依存度が上がっているように見受けられる。■バンダイナムコゲームス:IPタイトルでトップシェアに
バンダイナムコゲームスは、年初段階ではトップ50に4タイトル入っていたが、徐々にタイトル数を増やし、7月1日時点では9タイトルとなった。LINEを抜いてトップシェアである。『SDガンダムGジェネレーションフロンティア』や『ガンダムエリアウォーズ』、『仮面ライダー ライダバウト!』といった主力タイトルに加え、『ONE PIECE トレジャークルーズ』、『ジョジョの奇妙な冒険SS』、『HUNTER×HUNTER バトルオールスターズ』などのIPタイトルが貢献した。■LINE:ツムツムが柱に、2極化の傾向
LINEは、すでに触れたようにトップ50に年初段階で6タイトル送り込んでいたが、7月1日には7タイトルに増えた。ただし、全体としては2極化の傾向が見受けられる。『LINE:ディズニー ツムツム』や『LINEポコパン』などトップ10をキープするタイトルが出る一方、それ以外のタイトルについては順位を落とす傾向にある。LINEは、ランゲームやパズルゲームなどカジュアルゲーム中心の展開からコア寄りのゲームアプリを強化する方針だが、そのフラッグシップタイトル『LINEレンジャー』も順位を着実に上げている。下期のタイトルリリースは注目である。■コロプラ:スリブレとにゃんこがランキング入り
コロプラは、年初4タイトルだったが、7月1日時点では6タイトルに増えた。『スリングショットブレイブズ』と『ほしの島のにゃんこ』が加わったことによる。また主力タイトル『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』の順位が低下傾向にある。DAU重視の施策の結果とみられるが(関連記事)、『モンスターストライク』がApp Storeで首位を獲得する場面があったように、売上ランキングで2位や3位になるために必要とされる売上高の水準が上がっている可能性もある。■セガ:チェンクロとぷよクエが引き続き柱に
セガネットワークスは、年初4タイトルからは変わっていない。『チェインクロニクル』と『ぷよぷよ!!クエスト』が引き続きけん引役になっている。『ボーダーブレイク mobile』も安定して上位に入っているほか、新作『アンジュ・ヴィエルジュ ~第2風紀委員 ガールズバトル~』も上位に定着した。すでに報じたように、『チェンクロ』チームによる新作、大型MO-ARPG、大型IPタイトルなど合計15タイトルの新作を開発中とのこと。7月以降の新作タイトルは要注目である。■スクウェア・エニックス:顔ぶれが様変わり
スクウェア・エニックスは、年初で3タイトルだったが、7月には4タイトルに増えた。しかし、注目すべきは、その顔ぶれが全く変わっていることだろう。年初は『拡散性ミリオンアーサー』『ドラゴンクエストモンスターズWANTED!』『ドラゴンクエストVIII 』がランキングに入っていたのだが、7月1日時点では『スクールガールストライカーズ』、『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』、『LINE Puzzle Bobble』、『三国志乱舞』となった。■コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI):ワサコレとドリナイが中心
KONAMIは、年初と7月ではいずれも2タイトルで変化はなかった。『ワールドサッカーコレクションS』と『プロ野球ドリームナインSUPERSTARS』が主力タイトルとなっている。特には『ワールドサッカーコレクションS』は、サッカーワールドカップの開幕以降、順位を上げた点は注目される。4月から5月にかけて『クローズxWORST~打威鳴舞斗~』も映画とのタイアップ効果などもあり、トップ50に入ったこともあった。■サイバーエージェントグループ
Cygames、サムザップ、アプリボットで構成されるサイバーエージェントグループは、年初の2タイトルから3タイトルに増えた。『戦国炎舞 -KIZNA-』がグループの主力タイトルとしてトップ10をキープする一方で、スクウェア・エニックスとの共同タイトル『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』も堅調な推移を見せている。『グランブルーファンタジー』や『ウチの姫さまがいちばんカワイイ』などもランキングに入るようになった。■DeNA:サンロワや進撃の巨人、パズ億は失速
ディー・エヌ・エーは、『三国志ロワイヤル』や『パズ億~爽快パズルゲーム』、『進撃の巨人 -自由への咆哮-』などをリリースし、2月から5月初旬にかけて売上ランキングでもトップ50に入った。しかし、5月以降、失速し、いずれもトップ50から陥落した。Mobageタイトルという観点からすると、Cygamesの『グランブルーファンタジー』が6月以降、トップ50に入っている。
■SuperCellとKing、大ヒットタイトルが出たCom2us
海外勢では、上半期を通じて活躍したのは『Clash of Clans』を手がけるSuperCellと、『キャンディークラッシュ』を提供するKingの2社だろう。『Clash of Clans』は、4月に一時順位を落とす場面があったものの、その後、息を吹き返し7月1日時点ではトップ5入りを果たした。『キャンディークラッシュ』も同様で、安定したランキング推移を見せた。両社の課題は、看板タイトルに続く作品群の育成だろう。7月1日時点でSuperCellの『Hay Day』が20~30位近辺を推移し、Kingの新作『Farm Heroes Saga』もトップ50入りを果たした。今後どこまで順位を上げるのか注目である。
最後に、下半期の注目企業として、Com2usをあげておきたい。最新作『サマナーズウォー』は、App StoreとGoogle Playの売上ランキングでトップ30入りを果たした。そして、日本のみならず、アメリカや台湾、中国、韓国などのアプリストアの売上ランキングでも上位に食い込んでいる。これまで日本市場向けにも継続的にゲームアプリを配信してきたものの、総じて苦戦してきたように見受けられる。そうした中での大ヒット。同社の活躍ぶりを見ていると、ゲームを地道に作って提供し続けることの重要性を感じさせてくれる。