乖離性ミリオンアーサー、スクウェア・エニックス、Google Play、App Storeに関するスマホアプリ&ソーシャルゲームインタビュー記事

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【インタビュー】60曲以上収録…高音質でゲームを盛り上げる『乖離性ミリオンアーサー』の「音」。スクエニ岩野氏と開発担当のヘッドロックに訊いた

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スクウェア・エニックスの新作アプリ『乖離性ミリオンアーサー』が絶好調だ。2014年11月配信から早々にアプリストアの売上ランキングで急上昇を果たし、Google Playでは最高12位、そしてApp StoreではTOP3(関連記事)に食い込むという大記録を打ち立てた。また、シリーズファンはもとより、戦略性溢れるコマンドRPGが多くのユーザーに支持され、着実にダウンロード数も伸ばしている。

なかでもゲーム性に次いで評価が高いのは、作品を盛り上げてくれる「音楽」にある。スマートフォンゲームとは思えないほどの楽曲のボリュームと高音質は、ユーザーたちの継続率にも繋がっていることだろう。そんなクオリティの高い「音」周りを支えたのは、CRI・ミドルウェアの製品の数々。

本稿では、『乖離性ミリオンアーサー』の現状とその魅力をスクウェア・エニックスの岩野氏より、そして詳細な制作舞台裏について、本作の開発を務めたヘッドロックの秋山氏と遠藤氏に伺ってきた。

 

■『乖離性ミリオンアーサー』とは


本作は、2012年の配信開始以降、日本国内だけでなく、海外でも好評を博している『拡散性ミリオンアーサー』の正統進化タイトルにあたるスマートフォン向けRPG。最大4人の協力プレイが可能で、戦略性溢れるキャラクターコマンドバトルをはじめ、前作と異なる新たなゲームシステム、そして新たなアーサーたちの物語が展開される。

『拡散性ミリオンアーサー』に続き、シナリオに鎌池和馬氏、音楽には前山田健一(ヒャダイン)氏を起用。音楽制作には伊藤賢治氏も加わるとともに、2人が制作した主題歌を水樹奈々さんが歌うなど豪華なスタッフ陣がさらにパワーアップ。人気声優が演じる魅力溢れるキャラクターたち、多数の著名イラストレーターが描くキャラクターイラストの競演も魅力だ。
 



 

 
 

■60曲以上収録…高音質でゲームを盛り上げる『乖離性』の「音」



株式会社スクウェア・エニックス
第10ビジネス・ディビジョン(特モバイル二部)
『乖離性ミリオンアーサー』プロデューサー
岩野 弘明 氏(写真左)
 
株式会社ヘッドロック
プロジェクト統括部 プロジェクトマネージャー
秋山 直樹 氏(写真右)
 
株式会社ヘッドロック
コンテンツ制作部 第1課
遠藤 明浩 氏(写真中央)
 
 
――:本日はよろしくお願いします。まず『乖離性ミリオンアーサー』(以下、乖離性)におけるみなさんのご担当を教えてください。
 
岩野弘明氏(以下、岩野):前身の『拡散性ミリオンアーサー』(以下、拡散性)から引き続きプロデューサーを務めています。具体的には、企画の立ち上げから実際のリリース後の運営まで、作品全体の統括を担っています。
 
秋山直樹氏(以下、秋山):私はヘッドロック側として、開発におけるプロジェクトマネージャーを担当しています。スクウェア・エニックス(以下、スクエニ)さんとの窓口であったり、プロジェクトの予算を管理したりと、ヘッドロックの現場を統括しています。
 
遠藤明浩氏(以下、遠藤):私はクライアントプログラマーとして、おもに合成・ガチャなどUI(ユーザーインターフェイス)周りを中心に担当しました。このほかにサウンド周りの読み込み部分も担いました。


――:『乖離性』で注目するべきは、ゲーム性も然ることながら「音」周りかと思います。スマホゲームとは思えないほどの高音質とボリューム、そして著名アーティストの起用なども話題になりましたが、やはり音楽に関しては並々ならぬこだわりはあったのですね。
 
岩野:ええ、とてもこだわりました。もともと『拡散性』の頃からヒャダインさんに参加していただき、本作ではさらなるパワーアップのためにイトケンさん(伊藤賢治氏:『聖剣伝説』、『サガ』シリーズなどのサウンド担当)にも参加していただきました。

ここまでの豪華アーティストが楽曲を作るのであれば、当然「音」周りに関してもクオリティの高さが求められており、非常に力を入れたポイントでもあります。


――:音楽について、ユーザーさんからどのような評価が届いていますか。

岩野:ヒャダインさんは『拡散性』の頃から音楽を担当しているのですが、毎回音的な新しい試みにチャレンジしてくれるだけではなく、きちんと「あ、『ミリオンアーサー』の楽曲だな」と分かるほど上手く曲調も合わせています。

一方、バトル曲のスペシャリストであるイトケンさんは、今回参加したことで全く違う曲調になるのではないかと思いきや、これが不思議と楽曲も喧嘩せずに見事に調和されていました。ヒャダインさんの『ミリオンアーサー』節とイトケン節が違和感なく一緒に聴けるというミラクル度合いが、我々も改めてことのすごさを実感しましたし、ユーザーさんからも良い声が多数寄せられました。


――:曲数についてもなかなかボリュームがあるかと思います。

岩野:曲数についてはヘッドロックさんから提案がありましたね。


――:あ、ヘッドロックさん側から曲数を提案したんですね。ちなみに何曲ぐらいですか。

秋山:60曲ぐらいですね。
 
一同:(笑)

岩野:もちろん、我々が楽曲やSE(サウンドエフェクト)を用意する分には大丈夫ですが、当初は正直これ……(アプリの容量が)入るのかなって(笑)。


――:スマホゲームで60曲以上もあるタイトル、そうそう無いと思いますが……。
 

秋山:そうですね。ただ、やはり贅沢でリッチな作品に仕上げたかったので、せっかく作るのであればコンシューマ並のクオリティにしたい思いはありました。
 
岩野:どうしても容量問題は付きまとうので、リリース時から60曲を出すのではなくて、ベースとなる10数曲を入れたうえで、イベントごとに別の曲を取り入れるなど、柔軟に対応できるように開発中は逐次相談させてもらいました。
 
 

■「プランナー側でもサウンドが調整できた」


――:サウンドの開発についてさらに詳しくお聞きしたいと思います。開発を務めたヘッドロックさんでは、人数体制はどれほどの規模だったのでしょうか。

秋山:時期によって増減することはあるのですが、弊社では一番多いときは35、6名でした。プログラマーに関しては、クライアントが7名、サーバが4名と、スマホタイトルでも大規模な体制になっていますね。


――:なるほど。そして、先ほど岩野さんからも『乖離性』の「音」周りに関する魅力を伺いましたが、それらを実現できたのもミドルウェアがきっかけかと思います。今回「CRIWARE」(提供:CRIミドルウェア)を採用した理由などはあるのでしょうか。

秋山:『ミリオンアーサー』シリーズには、前作『拡散性』も含めて多くのムービーやボイスが収録されています。それらのファイルやシステムを統括できることが便利だと思い採用しました。

また、そもそもヘッドロックには、サウンド専用のプログラマーがいないんですよ。ですので、「音」周りをカバーできるミドルウェアが欲しかったというのも大きな理由です。


――:ゲームエンジンはUnityですが、CRI・ミドルウェアの製品では「CRI ADX2」(※1)、「CRI Sofdec2」(※2)、「ファイルマジックPRO」(※3)とありますが、何を使用しましたか。
 
遠藤:すべて使わせていただいています。サウンドやボイス、SEは全部「ADX2」を使用して、最初のオープニングムービーで「Sofdec2」、ムービーとサウンドをダウンロードする際は「ファイルマジックPRO」といった……もうフルに使用していますね。

(※1)「ADX2」:高度なサウンド演出から細かい音の調整までツール上で直感的に行える統合型サウンドミドルウェア。最先端のゲーム制作のニーズ・ノウハウを反映している。独自開発の音声圧縮機能を持ち、音質の良いボイスやBGMなどを豪華に使ったアプリが実現可能。

(※2)「Sofdec2」:ゲーム画面の上からムービーを重ねるムービーの特殊再生を可能にし、大量のプログラムが必要な演出をムービーで実現する、画期的なムービーミドルウェア。リッチで躍動感のある演出を、ムービーを活用することで手軽かつ軽量に実現。

(※3)「ファイルマジックPRO」:ゲームデータの圧縮からサーバ上のデータのダウンロード、追加ファイルの管理まで対応するミドルウェア。圧縮とパッキングの機能で、容量の大きな演出データも素早くダウンロードし、データの追加や差し替えにも柔軟に対応。



――:開発面では、SEやボイスも含めて「音」周りでどのように意識されましたか。

秋山:とにかく種類が多いため、容量を抑えなければいけなかったのは大変でした。ボイスにしても各カードに10種類ずつぐらいの声が付いているほか、ストーリー部分の声もあるため、ほかのスマホアプリよりも圧倒的に「音」は収録されていましたね。とはいえ、だからこそ今のような賑やかなバトルが実現できたと思います。


――:サウンドだけで100MB近いとお伺いしましたが、それ相当の規模かと思います。「ADX2」では、コーデックや圧縮率設定はどのように設定されましたか。

遠藤すべて独自コーデックHCA(圧縮率はMP3・AAC相当)の高音質設定でやらせてもらっています。著名なアーティストや有名な声優陣が参加していることもあり、なるべく良い音で聞いてほしいため、高めで設定しました。


――:「ADX2」において、何か使用していて便利だったものはありますか。

遠藤:「REACT」というカテゴリ間での再生パラメータを制御する仕組みがあるのですが、こちらをよく使わせていただきました。たとえば、ボイスが流れている時にBGMの音量を下げて、ボイスをよく聞こえるようにするなど。


――:なるほど。ダッキング演出(メイン音声が流れる際に他の音を絞って目立たせる行為)やバランス調節はヘッドロックさんのほうでやられたのですね。とはいえ、サウンド専門のプログラマーはいないとのことでしたが……。

遠藤:そうです。実際の音量や演出の調整は「ADX2」のツールを使って弊社のプランナーが担当しました。


――:あ、プランナーさんだったのですね!?

遠藤:はい。アプリ側で音を鳴らすところはプログラマーに組込んでもらいまして、そこから先の音量バランス、演出はプランナーに任せました。ですが、あまり苦労していなかった印象です。もちろん、すべての機能を使いこなせているとは言えないのですが、困らない程度には十分扱えていたと思います。
 
 

■「ダウンロード時間をユーザーに感じさせないつくりに」


――:これだけ盛りだくさんのアプリなのにダウンロード時間があまり長い印象がありませんでした。やはり気を遣われたんですか。

岩野:そうですね。当初から「極力ダウンロード時間は無いように感じさせてほしい」ということをヘッドロックさんにはお願いしていました。開発中は毎週ヘッドロックさんと定例会議するのですが、毎週言っていました、「忘れないでください」って(笑)。


――:最初のダウンロード画面のあとに、チュートリアル画面に移ると思いますが、そこでダウンロードゲージが動いていましたよね。はじめは気づきませんでした。
 

秋山:スクエニさんからは「とにかくユーザーさんを待たせないでほしい」というオーダーをいただいていたので、チュートリアルの裏で読み込むというのは早い時期からありました。そのため、最初のダウンロードではゲームが動かせる最低限のものを読み込み、チュートリアルなどで本編のデータをダウンロードする形にしました。裏でのダウンロードには「ファイルマジックPRO」の機能を使っています。


――:私もチュートリアル後、そのまま本編に入ったことには驚きました。「チュートリアルが終わったあと、きっと何か大きな読み込みがあるに違いない!」と思っていたので(笑)。

一同:(笑)。
 


――:「ファイルマジックPRO」のパッキングツールは使用しましたか。

遠藤:使用しています。使い分けとしては、サウンドとムービーを「ファイルマジックPRO」の独自ファイル形式でパッキングして、画像やリソースに関してはアセットバンドル形式でダウンロードしています。


――:なるほど。タイトルについてですが、今後はどんなアップデートを考えていますか。

岩野:全てのコンテンツを消化したあとでも遊べる「エンドコンテンツ」として、対戦モードの実装を考えています。現在はボス(NPC)対プレイヤーという形ですが、それがプレイヤー対プレイヤーとなります。まずは1対1の対戦を考えていますが、後々4対4の団体戦もできるようにしたいと考えています。また、この対戦モードをベースに様々なバトル方法をイベントで展開していくことで、その都度遊び方がガラッと変わるような感じにして、それこそ全く違うゲームをプレイしているような感覚が味わえるようにしたいと思っています。

そのほか、4人のアーサー(主要キャラクター)の3Dモデルを着せ替えできるような施策も考えています。着替えることでアーサーの特徴が変わり、デッキに対するアーサーの影響が変わるなど……。たとえば、傭兵のようなシンプルなアタッカーデッキであれば、着替えることで回復機能が付与され、パラディンのような立ち回りになる、といった感じです。こうした仕組みを取り入れることで、よりデッキ構築の楽しみや役割分担の面白さが提供できるかと思います。もちろん、その分カードの種類も増やさないといけないため、全体的にボリュームを底上げしていきたいですね。

全体として、やはりユーザーさんの興味が向くような新体験を意識して開発に臨んでいきたいと思います。『乖離性』ではTCG+マルチプレイで新しいことにチャレンジしましたが、そこから先の対戦モードで“どういう体験をさせるのか”は課題であると思っています。このほか『乖離性』には4人のアーサーがいるため、それぞれキーカードが変わってくるぶん、「アーサー別ガチャ」なども用意して、プレイ・ガチャをひく納得感も上げていきたいと思っています。

遠藤:今回サウンドに携わらせていただきましたが、使用していない機能、面白い機能などが見つかってきましたので、今後『乖離性』で試していきたいと思います。つねに面白い表現については、挑戦していきたいですね。

秋山:『乖離性』は幸先の良いスタートを切らせていただきました。今後もスクエニさんのリクエストにできるだけ早く答えられる体制を作っていくほか、2015年は色々なアップデートや野望もあるので、それを心がけて開発に臨んでいきたいと思います。


――:本日はありがとうございました。
 
(取材・文:編集部 原孝則)


■CRI・ミドルウェア
 
 
■『乖離性ミリオンアーサー』
 
  
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企業情報(株式会社ヘッドロック)

会社名 株式会社ヘッドロック
URL http://www.headlock.jp/
設立 1999年12月
代表者 岡田信之
決算期 11月
直近業績 非開示
上場区分 未上場
証券コード

企業情報(株式会社スクウェア・エニックス)

会社名 株式会社スクウェア・エニックス
URL http://www.square-enix.com/
設立 2008年10月
代表者 松田 洋祐
決算期 3月
直近業績 売上高2,141億円、営業利益260億円、経常利益253億円、当期純損益198億円(2016年3月期、スクウェア・エニックス・ホールディングス連結)
上場区分 東証1部(スクウェア・エニックス・ホールディングス)
証券コード 9684

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