C&R社、3Qは売上高7.2%増、営業益8.0%減と増収減益に…戦略的な人員採用や『戦国修羅SOUL』のプロモーション費用先行が影響

クリーク・アンド・リバー社<4763>は、2016年2月期の第3四半期累計(3~11月期)の連結業績を発表、売上高185億7900万円(前年同期比7.2%増)、営業利益10億100万円(同8.0%減)、経常利益9億7200万円(同12.9%減)、四半期純利益4億8700万円(同21.2%減)となった。売上高は堅調に推移したものの、IT分野における大型案件が減少したことや戦略的に人員採用を行ったことに加え、2015年12月にリリースしたオリジナルスマートフォンゲーム『戦国修羅SOUL』のプロモーション費用が先行したことで各利益項目は減益にとどまった。
 

各セグメントごとの状況は以下の通り。

①クリエイティブ分野(日本)…売上高114億2800万円(前年同期比7.9%増)、営業利益5億6900万円(同8.9%減)
映像・TV・映像技術関連分野は、映像専門社員90名が4月に入社し、TV番組の制作スタッフ数が増加していることに加え、日本全国の放送局をネットワーク化する等、サービスを拡充した。

ゲーム分野は、コンシューマー、アミューズメント、ソーシャル分野のクリエイターの派遣需要の増加に着実に対応するとともに、昨年拡張した制作スタジオにて、制作受託案件や自社開発への対応及びクリエイターの育成機能を強化している。2015年10月には、共同製作した3DCGアニメ映画「GAMBA ガンバと仲間たち」の公開に合わせ、映画のキャラクターと世界観を共有したスマートフォンゲーム『GAMBA RACER』の配信を開始したほか、『戦国修羅SOUL』のリリースに向けたプロモーションを開始した。

Web分野は、大手広告代理店を経由した大規模Webサイトの制作案件が増加した。出版分野は、Amazon Kindleを始めとした複数の専用端末に対し取次を行なう電子書籍取次事業において、順調に配信数、ダウンロード数が増加した。

YouTube「オンラインクリエイターズ」の運用は、クリエイターによりアップロードされた動画の再生回数が順調に増加しているほか、地方自治体や企業のプロモーション案件が増加し、事業の基盤が着実に整いつつあります。2015年10月には、YouTubeに自作動画を投稿するクリエイターとクライアントとをつなぐ、ソーシャルクリエイターマッチング・分析プラットフォーム「EUREKA(エウレカ)」の提供を開始した。

②クリエイティブ分野(韓国)…売上高26億400万円(前年同期比6.4%増)、営業利益1500万円(同12.0%減)
TV・映像分野におけるクリエイターの派遣需要に的確に対応している一方で、韓国国内における派遣事業の競争激化などの影響を受けており、利益率が低下傾向にある。TV分野におけるクリエイター・ネットワークを活かした受託案件への展開、漫画家を中心としたトップクリエイターのマネジメントによる韓国で流行のWebコミック案件や当社グループの他分野と連動した出版エージェンシー事業、ファッションクリエイター・エージェンシー事業等の推進により、収益の多様化を目指した。

③ 医療分野…売上高24億1000万円(前年同期比6.1%増)、営業利益4億2200万円(同10.6%増)
医療機関や自治体、医師や看護師の多様なニーズに応えるべく、医師の紹介事業を中心に、医学生・研修医を対象とした「レジナビフェア」、臨床研修情報サイト
「レジナビ」、医師の転職・求人・募集情報サイト「Medigate(メディゲート)」、医師を対象に提供する教育プログラム「民間医局アカデミー」等のサービスを展開した。全国各地での慢性的な医師不足、地域的偏在を背景に、医師へのニーズは引き続き高く、医師の紹介事業が好調に推移した。

④その他の事業…売上高21億3600万円(前年同期比5.6%増)、営業利益100万円(前年同期比98.2%減)
法曹分野のエージェンシー事業を展開する連結子会社C&Rリーガル・エージェンシー社は、弁護士の登録者数が8,200名を超え、弁護士の紹介事業が順調に伸長した。会計分野のエージェンシー事業を展開するジャスネットコミュニケーションズは、会計・経理人材の派遣事業・紹介事業が拡大する一方で、会計関連各種団体との関係強化、クライアント企業・事務所との共同セミナーの積極的な開催、様々な企業や事務所から提供される経理・財務分野に特化した教育講座が学べるプラットフォーム「Accountant's Library」等を通じ、会計業界における認知度向上を図った。

ファッション分野のエージェンシー事業を展開するインター・ベルは、アパレルメーカーとの豊富なネットワークと同社の持つ販売員育成ノウハウにより、アパレルメーカーからのニーズが増加した。

また、広告分野における人材事業を強化することを目的に連結子会社化したプロフェッショナルメディアは、2015年9月に、広告・Web業界専門の求人サイト「広告転職.com」を全面的にリニューアルした。

■2016年2月期通期予想は据え置き
なお、2016年2月期通期の予想については、従来予想から変更なく、売上高250億円(前期比9.0%増)、営業利益15億円(同15.7%増)、営業利益15億円(同13.6%増)、最終利益8億円(同7.5%増)の見込み。
 
株式会社クリーク・アンド・リバー社
http://www.cri.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社クリーク・アンド・リバー社
設立
1990年3月
代表者
代表取締役会長CEO 井川 幸広/代表取締役社長COO 黒崎 淳
決算期
2月
直近業績
売上高441億2100万円、営業利益39億5600万円、経常利益40億200万円、最終利益28億9900万円(2023年2月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
4763
企業データを見る