Fate/Grand Order(FGO)、ディライトワークス、Google Play、App Storeに関するスマホアプリ&ソーシャルゲームセミナー記事

Custom Search
企業データベース
業界求人情報
TOP > 記事 > 【Unite 2016 Tokyo】『Fate/Grand ...

【Unite 2016 Tokyo】『Fate/Grand Order』開発・運営のディライトワークスがこだわりぬいたモーションの非共通化と、その実装方法

リスト
このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 企業データ

2016年4月4日~4月5日の2日間、東京・お台場にて開催された、国内最大のUnity公式カンファレンスイベント「Unite 2016 Tokyo」。本稿では、5日に行われた講演「Fate/Grand Orderにおける、ディライトワークス流Unity活用術」の模様を紹介する。

この講演では、『Fate』の新作RPGとして人気を博す『Fate/Grand Order』の開発・運営を手掛けるディライトワークスより、荻野洋氏、安生真氏の2名が登壇。キャラクターの魅力を表現するため、独自の手法でUnityを活用しているという同社のノウハウを解説してくれた。

 

■デザインではモーションの非共通化を重視



▲安生真氏(左)、荻野洋氏(右)

最初にマイクを握った安生氏が語ったのは、『Fate/Grand Order』におけるデザインのフローだ。まずは『Fate』シリーズのシナリオを担当する奈須きのこ氏から届くキャラ設定をもとに、ディライトワークスが立ち絵や動きのコンテを作る。このとき、コンテは原作を手掛けるTYPE-MOONで制作してもらっているという裏話も語られた。これは、ディライトワークスでコンテを作ると、モーションの表現ができる、できないの線引きを無意識のうちにしてしまうからだという。表現のハードルを設定しないための取り組みとのことだ。
 

ちなみに、本作のキャラクターはビルボードで表現されており、これは『Fate』シリーズとしては初めてのことだ。これについて安生氏は、ゲームと合ったグラフィックを考えた結果の採用であり、過去作品との差別化などは意識していないとの余談も紹介された。

さて、最終のコンテまでが完成したら、次は動画によるモーション修正に入る。バトルへの実装にはPlayMaker、uSequencerを利用しており、プランナーでも十分対応できる。しかし、Unity環境をある程度学習する必要があるというのが安生氏の見解だ。というのも、『Fate/Grand Order』のようなタイトルを開発する際には、アニメ制作経験のある人のほうが活躍できる。しかし、アニメ制作経験とUnity開発経験を兼ね備える人は少ない。安生氏が言うには、出来上がったモーションを一度動画にして、遷移や作画をチェックする際、両方の経験があったほうが魅力的なキャラクターに仕上げやすいとのこと。

そしてモーション修正の際に安生氏が注意しているのが、メリハリの付いた動きにすることだ。ビルボードで表現するキャラクターはセルルックで描いており、動きはリミテッドアニメの手法を採用。ヌルヌルとした動きにはならないが、その代わりとしてタメや動き出しを意識したモーションが実現するという。

最後に安生氏が語ったのは、モーションの非共通化に対するこだわりだ。開発当初はある程度モーションを共通化することで利便性を高める考えだったが、運営を進めるに連れ、ファンの登場キャラへの思いを強く感じるようになったという。そのため、現在はできるだけワンオフで、もともとのキャラ設定を反映したモーション作成に努めているそうだ。
 
 

■霊基再臨や宝具にも緻密なこだわり


次に荻野氏が壇上に立つと、出来上がったデザインをゲーム内へ実装するまでの方法が語られた。まずはバトルに参加するサーヴァントだが、開発を始めた頃は平面的で奥行きがなく、華がない画面だったという。これは、当初Spineで表現していたことが原因だったそうで、荻野氏によるとSpineは、3D空間で派手な動きをさせづらい問題を持っていたとのこと。「特に槍など、手前を奥に動きのあるキャラクターが難しい」とは荻野氏の言葉だ。

そこで、採用されたのが3DグラフィックツールのMayaだ。Mayaであれば3D空間の動きに適しているだけでなく、開発スタッフの中にも動かせるエンジニアがいる。このような理由で、比較的初期の段階から採用が決定したそう。そしてMaya上で制作されたバトルキャラは、人物がメッシュを重ねあわせた平面、振り回す武器だけ立体的にして、アニメーションでありながら奥行きのある表現を可能にしている。
 

だが、これですべて解決というわけにもいかない。『Fate』シリーズを表現するうえで欠かせないのが、剣を不可視にするインビジブルエアだが、Mayaのみでは表現が不可能だったのだ。そこで荻野氏は、両手や頭など、何かを付け加える可能性がある部分にダミーノードを埋め込み、そこにプレハブをぶら下げるスクリプトを作成することで解決したという。あくまでもプレハブなので容易に動かすことが可能で、表現力も向上。現在ではインビジブルエア以外にも活用の場が広がり、どんなキャラクターでも作成できるようになった。
 

次に開発チームが挑戦したのは、データを増やさず見た目を変えることだ。本作には霊基再臨という、いわゆるキャラクターの進化要素が搭載されている。すべてのキャラが最低三段階の進化を遂げるのだが、この時にデータ量を増やさないことが目標として掲げられた。しかし、進化するたびに別キャラにしていたらデータ量は増大してしまう。この解決方法として生み出されたのが、ひとつのテクスチャに進化分を全部詰め込む手法だ。「ミルフィーユのよう(荻野氏)」な状態で各パーツのイラストを重ねあわせると、あとはプログラムで表示・非表示を切り替えられるようにしたのだ。
 

バトルキャラの動きについては、デザイナーが攻撃エフェクトを作成し、『Fate/Grand Order』専用のPlayMakerのActionをプログラマが書く。ここにはアニメ再生のほか、音声再生、エフェクト生成などが盛り込まれている。そして、Unityのエンジニアがそれらを使い、動きをつけていく。カメラが敵にフォーカスするなど、独特の演出方法はPlayMakerのおかげだという。

最後に荻野氏が紹介したのは、本作における必殺技「宝具」の制作だ。宝具に限ってはゲーム開発用環境とは別だったらしく、宝具再生/編集のみに特化した環境を作り上げていったという。そのカギとなったのが、カットシーンエディタのuSequencerだ。これはシーンに置いたものを動かしたり、タイミングによって音を鳴らしたりと、さまざまな演出に対応。しかもこれらの演出をタイムライン上で編集できるという手軽さも売りになっている。この手軽さゆえ、宝具発動時の演出はuSequencerのタイムラインに割り当てて、動かすだけというシンプルな作りになっている。
 

なお、上述の通り宝具制作は独自の環境になっており、宝具を再生するまでの作りこみはデザイナーが担当、それをゲームに組み込んで動作確認をするのはUnityエンジニア、何か難しい演出を加えるときはプログラマの出番と、役割がはっきりと分かれているそう。荻野氏は分業が功を奏して、「無茶ぶりにも負けない柔軟な体制ができた」と振り返っていた。

最後に荻野氏は「さまざまな要望に耐えられる設計にすることが大切」とアドバイス送る。PlayMakerとuSequencerの利用、そしてUnityらしい分業を上手く行えば、ハイペースでの更新も可能になるとして、講演を終えた。
(取材・文:ライター  ユマ)


■『Fate/Grand Order 』
 

App Store

Google Play



(C)TYPE-MOON / FGO PROJECT
リスト
このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい( ディライトワークスFate/Grand Order(FGO)

企業情報(ディライトワークス株式会社)

会社名 ディライトワークス株式会社
URL http://delightworks.jp/
設立 2014年1月
代表者 庄司顕仁
決算期
直近業績
上場区分
証券コード

Facebook

スマートフォンゲーム最新情報をシェア中

Twitter

毎日つぶやき!スマートフォンゲーム最前線!

はてブ

このエントリーをはてなブックマークに追加

毎日配信!スマートフォンゲーム最前線!

RSS

毎日更新中。スマートフォンゲーム最新情報

新着記事