【インタビュー】Aiming椎葉社長が語る採用動向…「『好き』をとことん突き詰める人を評価」「企画書よりゲーム歴を重視」


『剣と魔法のログレス いにしえの女神』で知られるAiming<3911>は、企画・運営職の採用にあたって、ゲームのプレイ歴を重視する「ゲーオタ採用」を掲げていることで有名だ。今回、同社の椎葉忠志社長にインタビューを行い、最近の採用状況や採用に対する考え方、ゲーオタ採用を掲げる理由について話を聞いた。



――:よろしくお願いいたします。御社の採用状況はいかがでしょうか。

引き続き積極的にやっています。ゲームの開発規模が上がっていますので、特に工数としてグラフィックを中心に大きくなっており、デザイナーの需要は高いまま変わらないです。3D系のデザイナーはもちろんですが、モーションやエフェクトのデザイナーについては当社も含めて全く足りない会社が多いのではないかと思います。

例えば、エフェクトだけを専門にやっている人は、家庭用ゲームソフト開発でも少なくて、演出まで考えられるのは、相当レベルが高い人でないとできません。韓国や中国のゲームを見ていると、日本人の感覚からすると出しすぎではないか、と思うくらいエフェクトが出ます。『セブンナイツ』のようなゲームがヒットしていることを考えると、我々も見習って、そのくらいやらなくてはならないのではと思うこともあります。

 


――:新卒・中途のどちらを重視されていますか?

当社は、どちらかというと、新卒重視と言えるかと思います。年間で採用した人数は60−70人で、半分以上が新卒です。

オンラインゲームの開発経験者は非常に希少です。特にMMORPGの開発経験者になると、もっと少ないでしょう。つまり、中途で経験者が取れないという前提で採用活動をせざるを得ず、結果として新卒を重視することになります。新卒の若い方のほうが子供の頃からオンラインゲームで遊んでいるので、ゲームの特徴をよく分かっていますし、何よりオンラインゲームを作りたいという人も多いですから。

ただ、中途採用についても、積極的に行っているのは事実です。変な話かもしれませんが、年間、何人を採用しようという数字は明確には決めておらず、自分たちの基準に合った人だけを採用しています。人数を達成するために、採用基準を引き下げるようなことはしていません。

 


――:採用にあたってどういった点を重視されているのでしょうか。

エンジニアの方にはソースコードを提出していただいていますし、デザイナーの方には作品をお願いしています。家でプログラミングが好きでコードを書いてしまう方や、ついついイラストを描いてしまうような方が好きですね。当社は、「ゲーオタ採用」を掲げていますが、エンジニアやデザイナーにはそれを強く求めてはいません。自分の「好き」をとこんとん突き詰めて仕事をしているような人を好んで採用しています。

企画や運営職については、企画書の提出を求めていません。当社はそもそも企画書を作りませんし、企画書をうまく書けるスキルは、面白いゲーム作りにはあまり関係がないと考えています。企画書によくゲームの特徴的なシステムが書かれていますが、それだけでゲームは楽しくなりません。ゲームの一連の流れの中の一部ですし、企画書はゲームの面白さの3%も表せていないんじゃないでしょうか。

企画や運営で一番重要なのは、ゲームで遊んでいる量です。ゲームを自分でどれくらい楽しめていて、それでいて客観性を持てているか。ゲームを作るプロになりたいと思うのであれば、自分が好まないタイプのゲームも遊んでおく必要があります。例えば、『リーグ・オブ・レジェンド』を好んで遊んでいる人は、『キャンディークラッシュ』はあまり遊ばないと思います。しかし、『キャンディークラッシュ』は大ヒットしていますから、実際に遊んでなぜヒットしているのか、客観的に考える必要があります。

また、人柄や、ある種の「人間力」のようなものも重視しています。ゲームというのは、チームで開発するものなので、協調性や人の気持を考えられない方は、どんなに優秀な方であってもパフォーマンスを発揮できません。仕事ができて、人間的な魅力がある方は入社後も高く評価される傾向にありますね。

 


――:Aimingで働くことの楽しさや面白さはどういった点にあると考えていますか?

社歴や前職の経験、年齢など一切関係なく、プロジェクトのリーダーにすぐに抜擢されることある、チャンスがある、ということでしょうか。開発も運営もするというゲームは相当な経験が必要ですが、海外のゲーム会社からライセンスを取得して国内で運営するゲームは、開発を海外の会社が行うため抜擢しやすいですね。

Aimingは既に650人を超える社員がいますが、思い切って抜擢した事例があります。昨年サービスされた2つのタイトルで運営リーダーを抜擢任命したのですが、一方の運営リーダーはまだ契約社員でした。私はそれを知らずに任命してしまいまして、気づいて謝ってすぐに正社員になってもらいました(笑)

もう一方の運営リーダーはアパレル業界の出身者で入社1年ちょっとでした。そういうなかでも頑張ってもらい、最高月商1億円をあげることができています。ライセンスを取得して国内で運営するゲームで一定の結果が出せたのは当社くらいではないでしょうか。ゲームの見極めは長年の経験が重要ですが、実際に運営しているのは若手という状況です。

 


――:その方々もゲームが凄く好きなんですか。

はい。いずれもゲームが好きで、本当にアホみたいに遊んでいます(笑) 当社は、頑張っている人を抜擢したくて仕方がない会社です。「今、彼がやっている仕事は非常に価値がある。いまの給料はその仕事に見合っていない、入社から短いとか関係ないから適切な給与にしよう」と1回の昇給で月給が10万20万上がるということもあります。


――:それはすごい話ですね。プロジェクトのリーダーになると、社長からいろいろと指示を出されるのですか?

いえ。外部の方から見ると、当社は、私がワンマン社長で上からいろいろと指示をしていると思われるかもしれませんが、実はかなりの部分を社員に任せています(笑) 私自身も懇切丁寧に教わったことがないですし、社員には自主的に考えて勉強して頑張れと話しています。年齢や経験、国籍も性別も関係なく、自主的に考えて仕事を積み重ねることで成長することができます。また、どんな社歴や前職であっても良く考えているならばそれぞれの立場で意見を自由に発言できますので、みんなでゲームを作ってサービス運営をしている実感も得られます。
 


――:仕事での経験ほど成長できるものはないですからね。最後にメッセージをお願いします。

当社は、引き続き「ゲーオタ採用」を掲げています。お客様の「面白い」を理解し、ゲーム作りに反映するために、学歴や職歴よりも、ゲームでどれだけ遊んだかを示す「ゲーム歴」を重視しています。「好き」をとこんとん突き詰めて仕事をしたいという方はぜひAimingに応募していただきたいですね。


――:ありがとうございました。
 
(編集部 木村英彦)
 
■関連サイト
 

採用サイト

株式会社Aiming
http://aiming-inc.com/
自分たちの面白いをカタチに変える
自分たちの面白いをカタチに変える

会社情報

会社名
株式会社Aiming
設立
2011年5月
代表者
代表取締役社長 椎葉 忠志
決算期
12月
直近業績
売上高181億9900万円、営業損益13億900万円の赤字、経常損益11億円の赤字、最終損益22億2700万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3911
企業データを見る