【インタビュー】スマートフォンゲームの感動を追求する…魔法少女まどか☆マギカ外伝となる「マギアレコード」の開発を担うf4samuraiに訊く開発経緯と意気込み

セガゲームスから配信され、8月に600万ダウンロード突破するなど好調な「オルタンシア・サーガ-蒼の騎士団-」(以下「オルサガ」)を生み出し、アニメ放送に合わせて、ゲームの大型アップデートを実施した「アンジュ・ヴィエルジュ ~ガールズバトル~」(以下「アンジュ」)の運営も手掛けるf4samuraiが新作を開発していることが先日発表された。今回の新作は、アニプレックスと組み、あのテレビアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」(以下「まどか☆マギカ」)の世界観に基づいた新たな物語となるゲームだという。

そこで、今回は前回のインタビューから約半年ぶりに、同社の取締役COOの田口堅士氏と、CMOの佐藤允紀氏にインタビューを行い、「オルサガ」や「アンジュ」の現況や、新作「マギアレコード」(以下「マギレコ」)のこと、そしてこれらのタイトルにより成長していく上で、現在求めている人材像など、いろいろな話をうかがってきた。


■「オルサガ」は700万DLも間近に 「アンジュ」は第2部「世界ノ敵編」がスタート


―――:よろしくお願いいたします。まずは「オルサガ」ですが、8月に600万ダウンロード突破と引き続き好調ですね。

田口氏:はい、今は700万ダウンロードも間近に迫っているところです。「オルサガ」は、DAU(日次アクティブユーザー数)でいうと第2部のスタートやその後の施策で盛り上がり、この1年間はDAUも売り上げも昨年の最低値よりもずっと上回っている状態です。

第2部のストーリーもだいぶ佳境に入ってきているので、ユーザーさんも今後のストーリーを楽しみにしていただいています。
 

―――:第1部の終わりは反響が大きかったですからね。

田口氏:第1部の終わりはユーザーさんから「感動して泣いた」という声を多数いただきました。なので、第2部はそれを超えようとして作っているのですが、それが難しく苦労しています。

―――:なるほど(笑)

田口氏:第2部は「オルタンシア」対「カメリア」の戦争という大局を描くストーリーになってきていて、第1部のようにキャラクター個人にスポットを当てるのは難しくなってきています。その分、1部の物語の裏側がどうなっていたのかが分かる楽しみが増えていると思います。

―――:「オルサガ」は、先日「TVアニメ 七つの大罪 ~聖戦の予兆~」とのコラボイベントを実施することもあらたに発表されましたね。

田口氏:そうですね。これまでも「アルスラーン戦記」や「Fate/stay night[Unlimited Blade Works]」などのコラボを実施してきました。今後も世界観が近いものもそうですが、少し違った外伝的なコラボもやってみたいですね。

―――:「アンジュ」もアニメ放送に合わせて、ゲームもアップデートを行うなど、こちらも大きな動きがありましたね。

佐藤氏:はい、大幅アップデートも無事終わり、アニメの最終話に被せて新しいストーリーをスタートしました。

田口氏:「アンジュ」もそろそろ3周年ですからね。リリース後半年くらいからずっと安定した推移を続けている長いタイトルになってきました。


―――:ユーザーさんに長く愛されているタイトルになりましたね。

佐藤氏:7~9月にユーザーさんが増えました。アニメの影響で増えたユーザーさんだけでなく、戻ってきたユーザーさんも多いです。7月に以前からの人気キャラクターが水着となって限定イラストで登場するイベントを開催したのですが、こちらも好評でした。

今回のアップデートで、ゲーム第1部の後話とアニメの後話をクロスさせた第2部「世界ノ敵編」が始まりました。ここから1年半以上先を見据えたストーリーの更新が続く予定です。

 

■「まどか☆マギカ」の新しい物語を描く新作「マギアレコード」を発表


―――:前回インタビューさせていただいた時に今期中くらいに1本新作をというお話でしたが、いよいよその新作「マギレコ」が発表されましたね。


▼『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』PV第1弾
 


―――:そもそも今回、アニプレックスさんの人気IPである「まどか☆マギカ」の新作を作ることになったのは、どのようなきっかけだったのでしょうか?

佐藤氏:昨年夏にアニプレックスさんと初めてお会いしました。ちょうど「Fate/Grand Order」が出た直後くらいで、「まどか☆マギカ」についてもゲーム化の可能性があるというお話をうけて、弊社の運用姿勢などをアピールしました。

そこで、長く運営続けることに重点おいていることや、ユーザーさんの満足度をあげることなど、今後目指していく方向性で共通点があったため、10~12月くらいには企画書を作って提案を重ねていきました。


―――:実際に開発に着手されたのはいつごろですか?

佐藤氏:年明けくらいですね。当初は私と田口と2人で進めていて、最初はこの企画に「オルサガ」や弊社の強みをどう当てはめるかを考えていました。アニプレックスさんとしては、そうではなく一旦すべてリセットして新しいもの、f4samuraiとして最大限できるだけのことをやってほしいという話になって、そこから火がつき3ヵ月程かけて一気に今の方向性を固めていきました。

―――:いわゆるライセンスアウトという形ではなくて、一緒に作品を作っていくということですよね。

佐藤氏:すでにファンの方が非常に多い作品ではあるものの、テレビアニメを追体験してもらうのではなく、新しい舞台で、新しいキャラクターがテレビアニメキャラクターとともに活躍し、その新しい物語全体をユーザーさんに気に入っていただける作品になればと思います。

―――:多くのファンに愛されるIPを扱うことになりますが、その上で心がけていること、注意していることなどはありますか?

佐藤氏:キャラクターの細部に深い意味があって、表情からまぶたの微細な位置、配色、そういったことも考え抜いた上でキャラクターが成り立っています。自分たちも「アンジュ」や「オルサガ」でキャラクターをデザインしてきましたが、実際それ以上のものを感じました。

その部分で、いわゆるIP作品は、ヒットしたからIP作品というのでなく、こういったキャラクターを考え抜く事を続けているからこそ、多くのファンが付くということを再認識しました。作り手のこだわりや、その人らしさ、こういう気持でこういうキャラクターを創っているんだというような思い入れみたいなものを、ちゃんとIPを扱う側が察すること、理解することがすごく大切なんだと学びました。

今回、劇団イヌカレー(泥犬)さんの魔女のデザインについても、一体一体の設定周りや、キャラクター作りを深く考え抜かれ、かつ誰もできないような発想を形にされます。そういったクリエイティブをいかにゲームで扱っていくかを考えていくのは、ただただ楽しいです。


田口氏:企画当初はゲームを作ろうという感覚だったんですけど、それだとアニプレックスさんとは釣り合わなかったのかなという感じはありました。

なので、うちのメンバー全員に合言葉で「リミットを外そう」と伝えました。ゲーム開発の経験を積んでくると、工数的にこんなことやり切れないとか、もっと共通化しようとか、いろいろなことにリミットを設けて、断念してしまうことは少なくないんです。だけど、そういう「リミット」を全部外さなきゃ、アニプレックスさんも「まどか☆マギカ」のファンも納得しないよということで、やっています。ただ、「こんなのホントにできるの?」みたいなことも多いです(笑)

一人一人のキャラクターに意味があるように、ちゃんと一人一人のキャラクターの動きにも理由があると思っていて、本当にキャラクターを愛せるような感じに作っていきたいなと思っています。


―――:今回の新作には、キャラクターデザインの蒼樹うめ先生などアニメと同じスタッフが携わっているんですね。

佐藤氏:はい、キャラクターデザインの蒼樹うめ先生、魔女原案は劇団イヌカレー(泥犬)さん、OPアニメーション制作ではシャフトさんにご協力いただいています。

携わる方々は皆さん素晴らしい方ばかりで、アニメのスタッフロールでしか見たことのない方たちとお話しているのは、不思議な気分にさせられます。

 

■100名規模の体制構築へ ほぼ全職種で採用を実施中


―――:少し話は変わりますが、こちらのオフィスに移転されて半年が経ちますね。

佐藤氏:実はもう増床を検討しているところです。

田口氏:既にこのビルの違うフロアも確保してあるので、そこを今改築しています。もともとそこにも入る予定で借りていて、このフロアと同じように綺麗にしているところです。

オフィスが前と比べて綺麗になったことはやはり採用面ではプラスに働いていると思います。

 

―――:前回インタビューさせていただいた時には60名体制だったと思いますが、現在はどのような体制になっていらっしゃいますか?

佐藤氏:今は75名ぐらいの体制になっています。前回のインタビューの時にお話しさせていただいたとおり、100名くらいの体制を作っていきたいと思っています。「まどか☆マギカ」のチームは新しいメンバーが多いですね。

田口氏:チームの半分以上はここ一年で参加した新しいメンバーです。

佐藤氏:「まどか☆マギカ」を好きな人に制作に携わってもらう機会を提供できることは、アニプレックスさんも喜んでくださっているので、ぜひ参加していただきたいです。直接応募していただくのも是非。


―――:やはり作品を愛しているということは大事ですからね。

佐藤氏:そうですね。この作品に携わりたい!というのも志望動機としてあってもいいかなと思います。オリジナルタイトルに携わる機会と両方を経験できる環境をメンバーに用意できたのは良かったです。

―――:新作も発表されて、会社の規模が大きくなってくると、ますます人材が重要になってきますよね。今はどのような職種の方に来ていただきたいですか?

佐藤氏:ほぼ全職種ですね。プランナー、デザイナー、イラストレーター、シナリオライター、サーバー、フロント、ネイティブと採用していて、ポジションによっては、そろそろ埋まってくる職種もあります。

―――:採用は「マギレコ」に限らず、どのタイトルでも行っていらっしゃるのですか?

佐藤氏:はい、面接のタイミングでも希望を聞いています。まだまだチームをリードしていくようなメンバーも必要ですし、今はとにかく物量が増えているところなので、これからこの業界で頑張っていきたい若手も入りやすいタイミングだと思います。「マギレコ」については、より“こだわり”を面倒と感じず、楽しめる方が良いと思いますね。

―――:どうもありがとうございました。


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