【ドリコム決算説明会】7~9月期は3四半期連続の営業黒字に "IPシフト"奏功 新作『ダビスタ』の業績寄与は"保守的"に



ドリコム<3793>は、10月26日、2017年3月期の第2四半期決算を発表するとともに、東京都内で証券アナリスト・機関投資家向けの決算説明会を開催した。新作の状況や事業戦略に関するトピックスについてはすでに報じたとおりだが、今回は決算数字を中心に報じていく。

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発表した第2四半期(16年7~9月)の連結は、売上高16億5300万円(前四半期比QonQ5.6%減)、営業利益1億3000万円(同44.1%減)、経常利益9900万円(同55.2%減)、最終利益5600万円(同51.2%減)だった。QonQでは減収減益だったものの、3四半期連続の営業黒字となった。
 


決算説明会に臨んだ内藤裕紀社長(写真)は、「全体的に順調に推移している」と決算を振り返った。第2四半期は減益となっているうえ、次の四半期は赤字見通しなのだが、当初の見通しを上回る着地となったことや、新作『ダービースタリオン マスターズ』への期待感もあり、明るさが感じられる内容だったように思われる(「」内の発言は、内藤社長の発言)。
 


 
さて、決算を見ていくと、売上高はQonQ5.6%減の16億5300万円だった。オリジナルのネイティブアプリの売上が低下した影響でQonQでは減収となったものの、『ONE PIECEトレジャークルーズ』と『ジョジョの奇妙な冒険スターダストシューターズ』が引き続き安定的に推移した。さらに、『ONE PIECEトレジャークルーズ』海外版がこの四半期から本格的に業績に寄与し始めたという。

▲タイトル別の売上高推移。他社版権タイトルが好調だが、ちょこっとファームや陰陽師などリリースから一定期間経過したタイトルも堅調に推移している。


また、営業利益は同44.1%減の1億3000万円だった。不採算プロジェクトをクローズしたことで利益が出るようになったが、『ダービースタリオンマスターズ』など新作開発に係る外注費や原材料費が多くなったことが減益要因だった。また、東京ゲームショウ2016やテレビCMなど『ダービースタリオンマスターズ』の広告宣伝費が「多めに出た」ことも響いた。
 



▲IPシフト以降、ソーシャルゲームを展開する「コンテンツサービス」が5四半期連続の営業利益計上となった。


 
■第3四半期は『ダビスタ』の寄与を保守的に

続く第3四半期(16年10~12月)の連結は、売上高15億9700万円(前四半期比3.4%減)、営業損益1億6300万円の赤字(前四半期は1億3000万円の黒字)、経常損益1億9100万円の赤字(同9900万円の黒字)、最終利益2900万円(同48.2%減)と減収・営業赤字となる見通しだ。最終利益については、黒字をキープする。
 


営業赤字となるのは、主に新作スマートフォンアプリ『ダービースタリオンマスターズ』の広告宣伝活動を強化するためだ。JRAの秋のGIシーズンに合わせて、広告宣伝費として会社全体の費用として2億3100万円増やす(新作には3億円を投じる)。

『ダービースタリオンマスターズ』については「ガチャをたくさん回すゲームシステムではない」ことから収益見通しが立ちづらく、売上高は1億5000万円と保守的に設定したそうだ。この結果、「売上と広告宣伝費がアンバランスな状況」となるとのことだ。

最終利益は減益となるが、黒字をキープする見通し。子会社グリモア全株式をHappy Elementsに売却したことに伴い、株式売却益1億7300万円を計上するため。さらに連結子会社だったReDuacateが持分法適用会社に異動したが、同社の増資に伴い、特別利益4700万円を計上する。
 
株式会社ドリコム
http://www.drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高108億円、営業利益22億8100万円、経常利益21億9200万円、最終利益11億5900万円(2023年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
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