【WFS特集 Vol.4】『消滅都市2』開発者インタビュー…QAからプロデューサーへ ひたすら爆進した3年半の軌跡


「Wright Flyer Studios」は、2014年にグリー<3632>が設立したスマートフォン向けアプリ開発スタジオ。
 
第1弾としてリリースされた『消滅都市』は現在、全世界累計850万ダウンロードを記録。2017年には、アニメ制作スタジオA-1 Picturesとタッグを組んで制作する『ららマジ』、同スタジオ初の本格3DアクションRPG『武器よさらば』、やりこみ要素満載のシングルプレイ専用RPG『アナザーエデン 時空を超える猫』、さらに『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~メモリア・フレーゼ~』をはじめとする大型IPタイトルをリリースするなど、ハイクオリティな作品を次々と提供している。
 
そこで本稿では、Wright Flyer Studiosの魅力を探るべく、全6回に渡って同スタジオのキーパーソンをゲストに迎えた連載企画を実施。第1回から第4回は、『消滅都市』シリーズディレクターである下田翔大氏にインタビュアーを務めていただく。第4回となる今回は、『消滅都市2』でプロデューサーを務める栗山知也氏を招き、今のポジションに辿り着くまでに歩んだキャリアや、スタジオ内に通ずるゲーム制作に対する姿勢についての話を伺ってきた。
 
【話し手紹介】
Wright Flyer Studios事業本部
消滅都市2 プロデューサー
栗山知也
 
2014年に新卒で入社。QA(品質保証)としてリリース前の『消滅都市』に携わったことをきっかけに、プランナー業務を経て、2017年4月より同タイトルの3代目プロデューサーとして日々の運営を務める。
 
Wright Flyer Studios事業本部
第3スタジオ部 部長
下田翔大氏【聞き手】
 
2012年入社。『消滅都市』の生みの親。シナリオや世界観の設定を始め、シリーズディレクターとしてIP展開やプロダクトのまとめ役を担っている。10月に新設された第3スタジオの部長を務める。
 
 

世の中に大きな爪痕を残したい! QAから作り手へ

 
下田翔大氏(以下、下田):栗山くんとは担当プロダクトが同じなのもあって、濃い付き合いですよね。まずは、これまでの経歴を遡ってお聞きしたいのですが、入社したのはいつでしたか?
 
栗山知也氏(以下、栗山):2014年の新卒入社です。その頃はちょうど『消滅都市』がリリースされる直前で、最初はリリースを控えた『消滅都市』のデバッグや最終チェック作業を行うQA(品質保証)という部署に配属されました。
 
リリース直後に改めて『消滅都市』チームにアサインされ、しばらくはプランナーを務めました。その後、2015年夏にはプロデューサー業務に携わるようになり、2016年11月にリニューアルした『消滅都市2』で開発ディレクターを務め、2017年4月から正式に『消滅都市』プロデューサーになりました。
 
下田:そもそもなぜ、グリーを選んで入社したのでしょうか?
 
栗山:きっかけは長期インターンの募集を見かけたことでした。入社を決めたのは、その際に働いている皆さんを見て、社内の雰囲気から好きなことを楽しんでいる自由さが感じられたからです。入るからには世の中に何か爪痕を残したいというざっくりとした想いはありました。
 
下田:QAとしてゲームに関わっていた頃はどういった気持ちで仕事をしていましたか。
 
栗山:当時からゲーム事業は社内でも一番売上・利益をあげている部署でしたし、アプリ市場でもストアの上位はゲームが占めているという状態でしたので、事業の大きさという意味でもゲーム分野には興味がありました。
 
下田:具体的にQAではどのようなことをしていたのでしょう。
 
栗山:仕様書を基に、実機で画面がどのように遷移するかなど、ゲームの構造を細かく書き起こしていました。実際にボタンをタップするとその通りに動くかを一から動作確認していくのがメインの仕事ですね。
 

下田:その後はどういった経緯でプランナーをすることになったのかを聞かせてもらってよいですか?
 
栗山:QAに配属されてから2カ月ほど経った頃、リリース後の『消滅都市』はプランナーが不足している状態でした。自身のキャリアを考えてもQAの次はプランナーに、と考えてはいたのですが、当時、『消滅都市』プロデューサーを務めていた方から声を掛けていただいた、というのが経緯になります。
 
下田:当時の話で、ある日、栗山くんから「ここの配置はバランス的にどうなの?」、「ここがイケてないから自分に作らせて欲しい」と言われたのを鮮明に覚えています。
 
栗山:トイレですれ違った際に意見を伝えたら「じゃあ、作って」とツールを渡されましたね。
 
下田:あの時は自分が忙しかったこともあり、「そこまで言うなら作ってくれよ」という気持ちでした(笑)。そうしてツールを渡したら本当に作ってきてくれましたよね。あの時の心境はいかがでしたか?
 
栗山:世の中に出ていくものに自分が関われるということがすごく嬉しくて、ツールを渡されて作ったものが採用されたときは、さらに嬉しかったです。
  
下田:そういった経緯があり、チームとして若い人もいた方が活気が出るだろうということで栗山くんを呼んでもらったという流れでしたね。そこからは『消滅都市』で何を担当していましたか?
 
栗山:いろいろな人が作っているクエストやキャラクターのデータをまとめて「お知らせ」としてお客さまに届けたり、期間限定クエストなどでスケジュールIDの発行をしたりしました。
 
 

ゲーム作りにハマったプランナー時代

 
下田:そこからプランナーとして本格的に開発に携わることになったきっかけは、どのタイミングからでしたっけ?
 
栗山:実は、先ほど話した企画を終えた後はしばらく作る仕事をさせていただけず、飲み会の場で「もう嫌だ!」と訴えたことから、ステージやバトルのバランス調整をさせていただけることになりました(笑)。
 
最初に担当したのは、当時、始まったばかりのランキングイベントやコラボクエストでした。
 
下田:作ってみていかがでしたか?
 
栗山:すごく楽しかったです!
 
ただ、最初はエクセルのデータが非常に緻密に作られていることに驚きました。『消滅都市』のランキングイベントでは、99段階の難易度が用意されているので、そこに対して攻撃力や防御力、HPといった値を99パターン用意しなければならないんです。
 
作業に慣れてからは、自分なりに考えて「こういう行動をすると面白いんじゃないか」と思ったことを設計の段階で紙に書いて数字を入れ、実際にプレイして遊びごたえを確かめていました。
 
下田:電卓片手に悩んでいた姿を思い出しますね。
 
 
栗山:周りからは「エクセルでやれば?」と言われましたが、自分は電卓派でした(笑)。
 
下田:ただ、その頃からゲームに対するセンスは圧倒的だと思いました。
 
栗山:ありがとうございます。自分の中にプレイ感として「こうあるべきだ」というものがあったのが大きかったと思います。これは、今までずっと自分が遊ぶ側としてゲームをプレイしてきた経験があったからかもしれません。
 
下田:クリエイターがものづくりをする際は、主に論理的に組み上げていくタイプと、プレイした際の感情が先に来るタイプの2パターンがあると思うのですが、栗山くんは完全に後者ですよね。3バトル目まででプレイヤーに自分の強さを実感してもらいつつ、4バトル目・5バトル目ではピンチな状況を乗り越える必死さを演出したい、というような感情の流れに数字を合わせていくといいますか。
 
栗山:そうですね。クエスト設計をするときは、自分がプレイヤーとして遊ぶならこういう遊びができたら面白いなということを書き出し、1バトル目・2バトル目といった感じに分解して、最終的に数字に落とし込むというイメージではあります。
 
下田:あと1回ダメージを受けるとヤバいという状態で、回復できるステージに入るまでの、長いランアクションをプレイするドキドキ感的な。
 
栗山:最初に「ここでピンチになる」というざっくりしたメモを書いておき、ピンチとは何なのかを考え、ステージやパラメータと合わせて設計していくという感じですね。
 

栗山:で、その次にコラボクエストを作りました。リリースまで時間がない中、エンジニアさんに相談して「どうすれば面白くなるか」というところから、夜通し内容を突き詰めて作っていた時は本当に楽しかったです。自分のワガママを聞いてもらいました。
 
下田:振り返ってみると、「今の状況に飽きた」「新しいことをやりたい」「次のステップに進みたい」と言い出すのはいつも栗山くんですよね。
 
栗山:そうかもしれないですね。通常の現場だと「飽きた」なんて言うと「じゃあお前が頑張って考えろ」と言われると思うのですが、そうしたときに「じゃあこれやる?」と話が展開していくのがWright Flyer Studiosの良いところですよね。
 
下田:若い人とベテランが良いバランスで配属されている場所ということもあり、若い人からの要望に応えられるよう、「じゃあやってみれば」と言える環境を作ってあげたいというのがおじさんたちの心情であり、Wright Flyer Studiosの特徴になってますね。
 
そんな中、これをやったことが大きな経験になったというポイントはありますか?
 
栗山:抽象的ではありますが、楽しくものづくりができたことが良かったと思います。何かをやらされているのではなく、自分がやりたいことを実現するためにチームが協力してくれて、「これをやれば面白いんじゃないか」という方に向かって突き進む作り方ができたという点は、間違いなく自分がゲーム作りにハマったきっかけでした。
 
 

導く側になって初めて見えた壁~ディレクターとしての苦節を語る~

 
下田:その後、どういった経緯でディレクターになったのかを話してもらえますか?
 
栗山:下田さんが他のプロダクトを見るタイミングでディレクターの後任を探すことになったのですが、複数いた候補の中でこの話を振られたときに「面白そう!」と答えたのが僕だけだったという話は聞きました(笑)。
 
下田:実際にディレクターを務めてみていかがでしたか?
 
栗山:めちゃくちゃ大変で難しかったです。
 
プランナーとディレクターでは業務も全く異なりますし、何よりチームを導くために、自ら作るコンテンツはチームメンバーが考える一番のものでなくてはいけません。また、今までより相談されることも増え、役割が広がると同時に責任も重くなります。正に混乱の極みという状態でした。
 
下田:ゲーム作りを始めてから最初に感じた壁だったわけですね。
 
栗山:そうですね。時期的にはちょうど500万ダウンロードを達成する前だったのですが、キャンペーンの内容を考えながら先の3ヶ月の方針を考えるというようなことをしていました。
 
下田:開発の内情として、500万ダウンロードキャンペーンは、500万ダウンロード達成前から準備を始めて、推移を見ながらゲーム内でメインシナリオやキャンペーンのタイミングをリンクさせなければならないですし、公式サイトや広告も合わせなければならないというところで、かなり調整難易度の高い仕事でしたよね。
 
 
栗山:これまでは自分が面白いと思うものを考えればよかったのですが、ここからは大きな流れを考えつつすごい物量の作業をこなし、誰に担当してもらうかという割り振りも考えなければいけませんでした。
 
下田:ただ、栗山くんがそうして大変な思いをしてくれたおかげで、自分は広く他のプロダクトも見られるようになりましたし、クリエイティブという意味では『消滅都市』に対して一番集中できていた時期だったと思います。それまではディレクターとしてチームを回しながら制作を進めるという形だったのですが、栗山くんが大役を背負ってくれたことでものづくりにどっぷりとハマる時間ができ、作り手としては幸せでした(笑)。
 
席にいると頼られてしまうという面もあったので、あえていない状況をつくっているときもありましたね。
 
栗山:そう考えると、下田さんがクリエイティブに専念できたおかげで『消滅都市』としても次の一歩が開けたのかもしれません。
 
 

決断の連続だった『消滅都市2』への大型アップデート

 
下田:そして、いよいよ『消滅都市2』への大型アップデートですね。一番大変だったのはどの部分でしたか?
 
栗山:ディレクターの頃は下で支えてくれるメンバーも多くいて、自分が判断しきれない部分を他の人に頼ることができたんです。当時の状況をお伝えすると、『消滅都市2』を開発するタイミングでは、”運営継続チーム”と”大規模アップデートチーム”の二つにチームを分けて作業を進めていました。
 
下田:チームを分けないと、日々の運営に引きずられて大きなことが動かせないと思ったので、自分の方でそういった決断をさせていただきました。そして、チームを分けた中で大規模アップデートチームのディレクターを栗山くんに任せることにしたんです。
 
栗山:なので、自分で決断することが多くなり、何かを決めることに悩む場面が多かったです。決断した後も開発を進めていく中で迷いが浮かんでは別のことを考え、やはりこうしておけばよかったと思うこともありましたし、決断することに悩んでばかりいました。
 
下田:決断に対する責任も重くなりますよね。
 
栗山:自分が最終防衛ラインではないですが、示した方向へチームが進んでいく責任の重さを感じました。
 
下田:具体的に辛かった体験はありましたか?
 
栗山:マルチプレイを「これで進める」と決めた後、下田さんから「それは駄目だろ」と言われたときは辛かったですね(笑)。メンバーからは「もう作っちゃってるよ」ときっと言われるのでしょうが、確かに下田さんの案の方が絶対に良いというのも分かるので、そのときの自分にそこまで考える力がなかったことを、力不足だったと強く感じました。
 
他にも、ある程度こういう方針でやっていきたいと決めてチームに説明するのですが、各職種のメンバーから反対意見が出ることもあります。そういった環境をまとめていくというのは『消滅都市2』の開発に入ってからが初めての経験だったかもしれません。自分が決断する立場になることで、開発をどう進めればチームの力を最大化できるか、やりたい方針を達成できるかをということを考えなければいけなくなり、とても大変でした。
 
下田:運営は基本的にチャレンジしたい人がいたら「やってみなさい」と言える場所なんですよね。結果として上手くいく場合もあるし、想定したより盛り上がらない場合もありますが、結果を分析して次に生かしていくスピード感が大事です。ただ、新規開発となると規模も大きくなるので「とりあえずやってみたら?」では成り立たないんですよね。
 
栗山:そうですね。開発となると3~4ヶ月かけて大規模で取り掛かる必要があるので、その大変さはありました。

下田:そんな辛い開発を乗り越えて『消滅都市2』がリリースされるわけですが、そのときの心情はいかがでしたか?
 
栗山:何か大きなリリースをするというのは、自分にとって『消滅都市2』が初めてだったんです。なので、感動的なリリース日になると思っていたのですが、実際はそんなことはなく前日も夜遅くまでデータを作っていました。当日もリリースの達成感を感じる間もなく不具合対応に追われていました。1週間ほど経ってお客さまが戻ってきているのを数字で見たとき、ようやくリリースできたという実感が湧きました。
 
 
下田:『消滅都市2』があったおかげで、スタジオとして大きなチャレンジをできることも証明できましたし、結果も非常に良かったです。そういうところに若い人たちが面白がって飛びついて、大変な壁だと思いながらも登ろうとしてくれることで、スタジオとしても色々なチャレンジができます。それは、これからも続いていくと思いますよ。
 
 

長期運営・開発を続ける上での信念とは

 
栗山:逆に僕からも聞きたいことがあるのですが、下田さんのモチベーションの根源はどこにあるのでしょうか。
 
下田:”レベルアップ感”でしょうか。大きな部や予算を使ってどのように『消滅都市』を大きくしていくかという俯瞰視点、シナリオやゲームデザインを深く孤独に考え抜く視点、仲間を集めたり、自分ひとりだけではできないことを増やしていくという視点、それぞれの視点で自分の能力値が広がっているなと思える限りは楽しんでいられますね。
 
栗山:広がり続けているのを楽しんでいるのですね。
 
下田:ただ、飽きっぽいのは自分も同じなので、掘ってばかりだから次は俯瞰してみよう、それにも飽きたらちょっと横に走ってみよう、というように、やることを変えながら気分転換しつつ進めています。
 
最近は、みんなで手を繋ぎながら走り回って一緒にゴールを目指すという、ちょっと高度なことを覚えました。3人のシナリオライターで協力してメインストーリーのエンディングを完成させたり。最高の仲間でチームを組めているからこそできることですね。いまだに「こんな方法でものづくりをすることもできたのか」と思います。
 
栗山:自分は一人でストーリーを深掘って考えたりすることがないので、掘れそうな人を誘導したり、お願いしたりしていますね。
 
下田:そこはチーム内で上手く役割分担ができていますよね。ちなみに、最近はどうですか?
 
栗山:最近も忙しくて大変です。日々何か課題に直面していますね。
 
下田:プロデューサーになって変わったところはありますか。
 
栗山:『消滅都市2』の開発の延長かなとは思いつつも、先ほど挙げた”自分が最終防衛ライン”という気持ちはさらに強くなりました。自分が「これをやろう」と決断したことがゲームに反映されますし、そこに対するフィードバックも受け止めなければいけません。

下田:そういったプレッシャーにはどのようにして立ち向かっているのでしょうか。
 
栗山:まずは自分が納得いくまで考え抜くようにしています。物凄い量のエネルギーを使いますが、自分が納得できれば決断に対しても自信が持てますし、覚悟もできます。また、自分が把握できる範囲ではありますが、提案した際に発生するデメリットまで考慮したうえで、その際の対処法まで考えておくというのは意識して行っています。
 
あとは、少しでも疑問点がある場合はいろんな人に聞いてみることです。結果としてそれで答えが出なくても、意見をぶつけて答えを探るということは常にしています。
 

栗山:大きな決断ができることは、大変ではありつつも面白いことでもあります。例えば、「CMを放映します」と言ったときに俳優さんのキャスティングからクリエイティブまで常に関わっていられるので、実際にCMが流れたときの反響を見たときに救われますね。普通に生きていたらできないような大きな規模で自分のやりたいことを実現できるというのもやりがいの一つです。
 
下田:この3年間を振り返ってみて、改めていかがですか。
 
栗山:本当に怒涛の3年でした。休んだ実感がないというか、ずっと走り続けてきたという感覚はあります。その中でも自分は「ずっと同じ場所にいない」という特性があるのかなと思いました。飽きっぽいのかもしれないですが、常に新しいことをやってみたいと思っています。
 
 

■Wright Flyer Studiosは新しいことに挑戦できる場所

 
下田:そんな栗山くんにとってWright Flyer Studiosはどういう場所ですか。
 
栗山:業界経験が浅い人にもチャンスは巡ってくるし、きちんと評価をしてもらえる。自分がやりたいと思ったことに挑戦させてくれる場所だと思います。
 
Wright Flyer Studiosとしても1年前には想像できないほど変わりましたし、これからさらに想像できない域に達することができるのではないかと楽しみです。
 
下田:Wright Flyer Studiosには「新しい驚きを与える」というブレないビジョンがありますからね。
 
『消滅都市』はWright Flyer Studiosとしても最初のコンテンツになりますが、スタジオにとっての位置付けってどのようなものでしょうか?
 
栗山:『消滅都市』がターゲットにしているお客さまは変わっておらず、そこに対してどれだけ大きな驚きを与えられるかというところで日々、切磋琢磨しているという印象ですね。Wright Flyer Studiosでは、現在さまざまなプロダクトが立ち上がっていますが、最初の頃からチーム内でライバル意識を持ちながらどんどん新しいものを作っていく、今までやってこなかったことに踏み込んでいるのが『消滅都市』だと思います。
 
下田:その上で大事にされている魂みたいなものはありますか。
 
栗山:『消滅都市』のコアコンセプトでもある「物語体験で人の心を震わせ、その人の人生を豊かにする」という部分はこれまでも守ってきましたし、これからも守っていきたいですね。そのうえで、今の市場に合わせたり、次に何をすれば面白いのだろうかということを自分たちなりに考えていきたいと思います。
 
下田:この先こうなっていきたいという想いはありますか?
 
栗山:まず近いところでは『消滅都市』というIPをさらに大きくしていきたいという想いがあります。先ほど自分が飽きっぽいとは言いましたが、『消滅都市』は出会って3年、飽きることなくずっと好きなコンテンツです。悔しいですが、下田さんの書くストーリーが好きなんですよね(笑)。
 
その先となると想像も付きませんが、何かひとつ大きなムーブメントを作ってみたいですね。それは『消滅都市』の展開かもしれないし、別の取り組みかもしれませんが、何かを遂げたいという想いがぼんやりとあります。
 
下田:冒頭に入社の決め手を聞いたとき「世の中に何か爪痕を残したい」と言っていましたが、全く同じ言葉が出てきたなと思いました(笑)。
 
そういったことを実現するために今、必要だと思われていることはどういったところでしょうか。
 
栗山:世の中で次に何が起きるかを考えるための情報を入れることで、先の世界を想像する力が必要だと思っています。
 
下田:今後も無茶振りは続くと思いますがよろしくお願いします。

本日はありがとうございました。
 


また、Wright Flyer Studiosでは、12月18日にセミナーの実施を予定している。今回のセミナーでは、「運営」をテーマに、『アンジュ・ヴィエルジュ』、『オルタンシア・サーガ』、『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』の最高マーケティング責任者であるf4samuraiの佐藤允紀氏、『逆転オセロニア』プロデューサーを務めるディー・エヌ・エーの香城卓氏、Wright Flyer Studiosで『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~メモリア・フレーゼ~』でプロデューサーを務める野澤武人氏が登壇し、「神運営」とは一体何なのか、その実現に向けて日々どんなことに取り組んでいるのかを赤裸々に語り合う。
 
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(取材・文:編集部 山岡広樹)
  (撮影:TAESOO KANG)
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株式会社WFS
https://www.wfs.games/

会社情報

会社名
株式会社WFS
設立
2014年2月
代表者
代表取締役社長 柳原 陽太
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