【サービス終了、その瞬間】スクエニ『DFFオペラオムニア』…光の戦士だったプレイヤーたちと過ごした約7年の物語に幕を下ろす

スマートフォンアプリ市場は、日々新しいゲームがリリースされている。その一方で、様々な事情により惜しまれつつサービスが終了してしまうゲームも少なくはない。

gamebizでもサービス終了に関する記事(関連情報)を取り上げている。

それら記事を読み、「あと数ヵ月後に終わるのか…」と思うが、サービス終了発表~サービス終了当日までの期間、そのゲームについて追ってはいなかった。

そこでgamebizでは、それらゲームのサービスが終了するその瞬間に立ち会って、ゲーム内でどのような事が起こったのかを伝える「サービス終了、その瞬間」を展開している。

今回は、2024年2月29日13時をもってサービスが終了となった、スクウェア・エニックスの『DISSIDIA FINAL FANTASY OPERA OMNIA(ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア)』(以下、DFFオペラオムニア)をピックアップする。

スクエニ『DFFオペラオムニア』(Since 2017 to 2024)

まずは『DFFオペラオムニア』の概要について。

本作は、コンシューマやアーケードで人気を博している『ディシディアファイナルファンタジー』を題材としたスマートフォン向けRPG。歴代『FF』シリーズのキャラクターが共演する新たな物語が描かれ、ブレイブシステムをとり入れた爽快なコマンドバトルが楽しめた。

『DFFオペラオムニア』は2017年2月1日にサービス開始となり、それから約7年でのサービス終了となった。

タイトル発表からサービス終了までの歴史を振り返る

続いて、『DFFオペラオムニア』発表からの歴史を振り返っていこう。

本作が発表されたのは2016年8月27日。『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』というタイトル名を公表し、同時に公式サイトをオープン。さらに開発にはシリーズ同様コーエーテクモゲームスのTeam NINJAが携わっていることが明かされた。下は当時公開されたティザートレーラーだ。

発表当初は、iOS/Android端末向けに2016年配信予定となっていたが、2017年1月31日に行われた「ファイナルファンタジー 生誕30周年 Opening Ceremony」で、シリーズ関連タイトルの最新情報と30周年記念施策が発表された際、翌日の2017年2月1日よりサービスを開始することを決定した。(関連記事

『DFFオペラオムニア』は2017年2月6日に早くも100万ダウンロードを突破した。『FFVIII』より「スコール・レオンハート」が登場するイベント「獅子の心」も開始し、同年2月7日のApp Storeの売上ランキング(ゲームカテゴリー)にて7位にランクイン。(関連記事) さらに同年2月9日のGoogle Playの売上ランキング(ゲームカテゴリー)でも61位から27位に上昇し、初のトップ30入りを果たすなど(関連記事)、好調な滑り出しを見せたのだった。

2017年2月20日には『DFFオペラオムニア』が200万ダウンロードを突破。翌月の3月1日からは新たなキャラクターが参戦するメインストーリー6章や、ほかのプレイヤーのキャラクターがバトル中に助けてくれる「フレンドサポート」機能が追加され、より白熱したバトルを楽しめるようになった。

2017年5月13日には、『DFFオペラオムニア』新CM3篇を全国で順次放映開始。本CMでは女優の菜々緒さんが『FF XIII』の主人公「ライトニング」に扮したユニークな内容で話題を呼んだ。(関連記事

また、TVCM放送開始を記念して、FINAL FANTASYオールスター40体がクリスタルで登場する巨大広告を東京メトロ 丸ノ内線 新宿駅 メトロプロムナードに掲出した。

その後『DFFオペラオムニア』では、定期的にシリーズ作品の人気キャラクターが参戦する新シナリオや新イベントを開催して『FF』ファンを楽しませた。またその歴史の中で、開発陣や声優をゲストに迎えた公式生放送「DFFオペラオムニアLIVE」や公式番組「オペオペBURST」なども放送し、ゲーム外でも作品を盛り上げる施策を行っていった。

2018年4月6日、App Storeの売上ランキング(ゲームカテゴリー)で前日129位だった『DFFオペラオムニア』が26位に急上昇。これは同年4月5日より『FF VI』の「リルム」が登場する新イベント「絵に宿る力」と、その「リルム」と「エドガー」「ビビ」の★5 武器をピックアップした「リルムイベントガチャ」の開催が要因となった。このように、新イベントやガチャといった施策によって、App StoreやGoogle Playのトップ30圏内に顔を出していった。

2018年10月9日には、過去のイベントで期間限定で登場していた「ザックス」が再登場する断章「いつか射す光」を配信するとともに、600万DL突破を記念した特別プレゼントも実施した。 

2018年は前年に続いてTVCMを放映している。この年のCMは俳優の本郷奏多さん、間宮祥太朗さんが出演するTVCMを同年11月22日より放映。『FF』シリーズ経験者の本郷さんと、『FF』シリーズ初心者の間宮さんが扮する各キャラクターのかけあいに注目が集まった。(関連記事

ダウンロード数も年を重ねるごとに伸びていき、2021年3月1日に世界累計 900万DL突破を発表。2022年5月31日には1000万DLを記念したキャンペーンが開催された。

2023年に入っても、最大513連ガチャ無料の6周年キャンペーン、最大755連ガチャ無料のサマーキャンペーンを開催したり、『FFIX』の「サラマンダー」や『FF VII』の「ルーファウス』が登場するなど、さまざまな施策を展開していたが、同年11月29日、『DFFオペラオムニア』のサービスが2024年2月29日をもって終了することが発表された。


▲サービス終了発表の当日、『DFFオペラオムニア』の藤原プロデューサーからのコメントも公開された。

1週間前からプレイ…有終の美(サ終)を見届ける

『DFFオペラオムニア』の発表からサービス終了決定までの流れをお届けしたところで、ここからはサービス終了1週間前の2024年2月23日からログインしたプレイ記録をダイジェストでお届けしよう。

1987年に1作目が発売されてから、現在もなお多くのファンに夢と感動を与え続けている『ファイナルファンタジー』シリーズ。『ドラゴンクエスト』シリーズと並んで国民的RPGとして人気を博す『FF』作品は、筆者も子どもの頃から大人になってからも遊んできた(全作品ではないけど)。

一番最初に遊んだのはファミコン版『ファイナルファンタジーIII』。当時は夢中になって遊んだけど、結局クリアーはできなかった。なんせクリスタルタワーから闇の世界に至るまでの長い道のりは、某名人と親から言われていた「ゲームは1日1時間」という縛りのある筆者には無理な話だったけど、シリーズ作品の中でかなり思い入れがある。

先月発売された『ファイナルファンタジーVIIリバース』の元となるプレイステーション版『FFVII』も、当時あのグラフィックには驚かされたし、コンビニで初めて買ったゲームとして印象に残っている。

ちなみに好きなキャラはカイン。筆者がカインだったらセシルとローザの仲を見ていたら十数回裏切る自信がある。

続いて好きな武器はガンブレード。あれほど中二心をくすぐる武器がほかにあろうか? いやない!

最後に好きなコスチューム。これは『FFX』のユウナの衣装でしょう。異論は認める、趣味嗜好は各々あるから。

と、皆さんにとってどうでもいい情報をお届けしたが、要するにシリーズをすべてプレイしている猛者と比べると浅いものの、筆者も人並みには『FF』に触れてきたということを言いたかったのだ。

そんなマニアから筆者のような人並みのユーザーでも、そして全世代の『FF』ファンに刺さるのが、この『DFFオペラオムニア』だ。

実際に筆者もアプリをインストールしてプレイしてみたが、各作品のキャラクターたちの夢の共演を見られるだけでもテンションが上がったもの。

バトルシステムも筆者のようなおっさんにはもはやうまく操作できないアクション系ではなく、安心安全のコマンドバトル。バトル演出も派手で見ていて飽きないのも良かった。


▲いやー、やっぱガンブレードかっこいいな。スコールもかっこいいけどね。


▲いやー、やっぱユウナの衣装は可愛いね。ユウナ自身も可愛いけどね。画面は後ろ姿だけどね。

先程、各作品のキャラたちの夢の共演と書いたが、ストーリーを進めたりガチャを引いたりすることで、色々なキャラが仲間になるところも楽しい。自分がプレイしていた作品のキャラが出てきた日には、久しぶりに地元の駅で学生時代の友達にあったかのような懐かしささえ覚えた。まぁ、それだけ『FF』シリーズのキャラは魅力的ってことよね。


▲余談だが、パンネロの衣装もなかなかいいよね。この画面も後ろ姿だけど、だがそれがいい!


▲仲間にしたキャラクターを図鑑で見ているだけでも楽しかった。

そんなこんなで数日間、筆者なりの楽しみ方をして、気が付けばサービス終了の当日を迎えていた。筆者は終了1時間前の2月29日12時過ぎに最後のログインをした。

他のプレイヤーさんの様子を見てみようと、この7日間でフォローしたプレイヤーさんや唯一フレンドになってくれた方のログイン状況をチェックしてみた。

と、数十分前や数時間前と、とりあえず最終日に最後のログインをした方が比較的多かった。

残り数分となり、筆者は少しでもストーリーを進めることにした。

そして時刻は13時になり、メンテナンス中の表示が。

こうして、『DFFオペラオムニア』は約7年の歴史に幕を下ろしたのだった。


▲サービス終了後の公式X(Twitter)

なお、前述の藤原プロデューサーのコメントにもあった通り、『DFFオペラオムニア』公式チャンネルにて、メインシナリオ、断章、交錯する意志の動画が公開されているので、ファンの皆さんは動画を視聴してゲームの想い出に浸ってほしい。

© KOEI TECMO GAMES/SQUARE ENIX
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA

【サービス終了、その瞬間】バックナンバー

前回の記事 ⇒ WFS『消滅都市』…作品に対するファン達の愛は永遠に不滅! 公式全国大会初代王者からのメッセージも

23年7月~10月掲載記事まとめ ⇒ 『燐光のレムリア 星空の絆』『エヴァBF』『ワールドウィッチーズ ユナフロ』『ロックマンX DiVE』

番外編もチェック ⇒ 番外編「after that サービス終了」(2023年)…『ハニプレ』『ダイの大冒険 魂の絆』『ロックマンXDiVE』等のその後をリサーチ

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株式会社スクウェア・エニックス
https://www.jp.square-enix.com/

会社情報

会社名
株式会社スクウェア・エニックス
設立
2008年10月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
決算期
3月
直近業績
売上高2428億2400万円、営業利益275億4800万円、経常利益389億4300万円、最終利益280億9600万円(2023年3月期)
企業データを見る
株式会社コーエーテクモゲームス
https://www.gamecity.ne.jp/

会社情報

会社名
株式会社コーエーテクモゲームス
設立
1978年7月
代表者
代表取締役会長(CEO) 襟川 陽一/代表取締役社長(COO) 鯉沼 久史
決算期
3月
直近業績
売上高681億700万円、経常利益341億6600万円、最終利益268億5200万円(2023年3月期)
上場区分
非上場
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