【サービス終了、その瞬間】WFS『消滅都市』…作品に対するファン達の愛は永遠に不滅! 公式全国大会初代王者からのメッセージも

スマートフォンアプリ市場は、日々新しいゲームがリリースされている。その一方で、様々な事情により惜しまれつつサービスが終了してしまうゲームも少なくはない。

gamebizでもサービス終了に関する記事(関連情報)を取り上げている。

それら記事を読み、「あと数ヵ月後に終わるのか…」と思うが、サービス終了発表~サービス終了当日までの期間、そのゲームについて追ってはいなかった。

そこでgamebizでは、それらゲームのサービスが終了するその瞬間に立ち会って、ゲーム内でどのような事が起こったのかを伝える「サービス終了、その瞬間」を展開している。

今回は、2024年2月27日15時をもってサービスが終了となった、WFS(ライトフライヤースタジオ)の『消滅都市』をピックアップする。

WFS『消滅都市』(Since 2014 to 2024)

まずは『消滅都市』の概要について。

本作は、指一本の簡単操作でドラマチックなストーリーと爽快な横スクロールアクションを楽しめるゲーム。現代の日本を舞台に、「アクション」「ドラマ」「RPG」を融合した新感覚のゲームとして愛されてきた。

『消滅都市』は2014年5月26日にサービス開始となり、それから約9年9ヵ月でのサービス終了となった。

タイトル発表からサービス終了までの歴史を振り返る

続いて、『消滅都市』発表からの歴史を振り返っていこう。(長い歴史なので主な出来事を中心に)

『消滅都市』は2014年4月17日に、グリー<3632>がスマートフォン向けアプリ開発を担う新スタジオ「Wright Flyer Studios(ライトフライヤースタジオ)」の設立発表とともに、同スタジオの新作第1弾として、『天と大地と女神の魔法』と共に事前登録を開始した。(関連記事

それから約1ヵ月後の2014年5月26日に『消滅都市』はリリースされ、翌月にはGoogle PlayのテレビCMに登場することが決定。CM効果も手伝って、同年6月24日に『消滅都市』が配信から約1か月で50万ダウンロードを突破し、さらに同年7月9日には100万ダウンロードを突破、同年9月10日には150万インストール突破と、好スタートを切ったのだ。

▲当時公開されたPV。

2014年に開催された東京ゲームショウ2014では、グリー<3632>ブースに『消滅都市』が出展。展示物にはゲーム中に登場するスクーターが展示されたり、大画面のスマートフォンでTGS用の書き下ろしシナリオを限定クエストとして遊べたりと力を入れていた。(関連記事

その年は、オリジナルサウンドトラックvol.1、vol.2(関連記事)を立て続けに配信したり、金子ノブアキさん、早見あかりさんが出演する初となるテレビCMの放映(関連記事)、「NARUTO-ナルト-」とコラボキャンペーン開催(関連記事)など、さまざまな展開を見せ、2014年12月12日に250万DLを突破した。


▲オリジナルサウンドトラックvol.1のジャケット。

『消滅都市』と他作品のコラボについては、先述の「NARUTO-ナルト-」のほかに、「Angry Birds」や音楽シミュレーションアプリ『jubeat plus』、『にゃんこ大戦争』、『FINAL FANTASY ARTNIKS DIVE』、「進撃の巨人」(関連記事)、「BLEACH」(関連記事)などなど、枚挙にいとまがない。9年9ヵ月の歴史の中で、じつに多くの作品とのコラボを実現させ、ユーザーを楽しませてくれたのだった。

※ほかにも色々なタイトルがあるけど、キリがないので初期のコラボだけ挙げました。


▲ソーシャルゲーム黎明期にグリーと切磋琢磨していたDeNAとのコラボ(ニュースアプリ『ハッカドール』で)は個人的には胸熱。

リアルイベント関連では、東京ゲームゲームショウのほか、2015年の「コミックマーケット88」(関連記事)、「ニコニコ超会議2015」などに出展。個人的に印象に残っているのは、2016年に行われた「闘会議2016」。

実は筆者、前職時代に「闘会議2016」の「Wright Flyer Studios」ブースで『消滅都市』のイベントの企画について、グリーの方々と一緒に色々考えるという事をしていたのだ。(関連記事) 本イベントでは、ユーザーアンケートで意見を募りながら、開発初期から『消滅都市』のキャラクターデザインやUIの制作担当をしている櫻井さんが新タマシイ(以下、爆誕タマシイ)をその場で描きあげていくという企画は、なかなかナイスだった(自画自賛)。


▲「闘会議2016」Wright Flyer Studiosブースの『消滅都市』イベントの模様。

海外展開については、2015年11月16日に、『消滅都市』を、中国市場のApp Storeを含む13のプラットフォームにおいて配信開始。グリーは、同年7月にD2Cが中国の大手メディア・文化産業グループと合弁で中国に設立した上海東方明珠迪爾希文化伝媒有限公司と『消滅都市』の中国市場における独占配信および運営に関して契約していた。なお、WFSが手掛ける自社製ネイティブゲームを中国市場に向けて配信するのは『消滅都市』が初となった。

また、2016年4月28日にはFuntown Hong Kongと、『消滅都市』を台湾・香港・マカオで独占配信および運営することに合意し、契約締結している。

『消滅都市』の長い歴史の中で、2016月11月17日に『消滅都市2』への大規模アップデートが行われたことも忘れてはいけない。『消滅都市2』は、ユーザーごとのデータはそのまま自動的に引き継ぎながら、これまで配信してきたストーリーのフルボイス化、最大3人でプレイできるマルチプレイ機能の追加、新ストーリー「2度目の消滅」の配信、一部のタマシイ(ストーリーやクエストにも登場するキャラクター)へのボイス実装などを実施。これまでプレイしてきたユーザーも、これからプレイするユーザーも、新しい魅力が見つけられるコンテンツが用意された。

海外展開、そして『消滅都市2』へと進化を遂げたことで、2016年12月9日に『消滅都市』からの累計で全世界777万ダウンロードを達成、2017年1月10日には累計で全世界800万ダウンロードを達成したのだった。

2018年5月27日、『消滅都市』の4周年を記念したリアルイベント「PROJECT消滅都市発足発表会」が開催され、アニメ化が発表。その後、ポニーキャニオンから、TVアニメ「消滅都市」が2019年よりTOKYO MXほかで放送することが決定した。

続いて大きな動きを見せたのは、2018年11月25日。この日『消滅都市2』のアップデートが行われ、『消滅都市0.』(ショウメツトシゼロ)にタイトルが変更となった。「消滅都市0.」では、「罪と向き合う物語」をテーマとして、新たな主人公ソウマ(CV:朝井彩加)とカノ(CV:茅野愛衣)を中心とした物語が繰り広げられた。

もう1つの展開として、2018年12月26日に行われた生放送「消滅都市シリーズ年末大忘年会」にて、『消滅都市』シリーズの新作『消滅都市 - AFTERLOST』のティザームービーが公開。翌年2019年3月8日に実施した「消滅都市シリーズ5周年企画発表生放送」では、タイトル名が『AFTERLOST - 消滅都市』であることが明らかになった。

『AFTERLOST - 消滅都市』は2019年3月25日に日本国内だけでなく、世界5つの国と地域で事前登録を開始。当初は2019年4月配信を予定していたが「さらなるクオリティ向上が必要と判断したため」「5周年をより盛り上げていくため」という2点を理由に延期することを発表。その後、2019年6月6日に日本だけでなく、韓国、台湾、香港、マカオで同時リリースとなった。(関連記事


▲『AFTERLOST - 消滅都市』は2021年6月30日をもってサービスを終了した。

話を『消滅都市0.』に戻そう。『消滅都市0.』は 2019年6月28日に1000万DLを達成したことを発表。ついに大台を突破したのだった。

2020年2月7日、『消滅都市0.』はアップデートを行い『消滅都市』となることを発表。ついにメインストーリー最終章「-epilogue-」が公開され、約6年間に渡り紡がれてきた物語が最終章を迎え、ユキとタクヤの旅は完結することとなった。

それから数年が経った2023年12月19日、『消滅都市』のサービスが2024年2月27日をもって終了することが発表された。

長寿タイトルのサービス終了発表は、多くのゲームファンに衝撃を与え、公式X上では様々な声がポストされ、トレンド入りするほどの反響を呼んだ。


▲サ終発表直後の『消滅都市』に関する公式Xのポスト。

またサービス終了発表当日には、『消滅都市』シリーズの下田翔大ディレクターがファンに向けてメッセージを公開したほか、サービス終了が間近に迫った2024年2月18日には、note上で『消滅都市』についての話を書いたことを公式X上で報告(https://twitter.com/shota_shimoda/status/1758873945770709178)。下田氏は最後の最後まで『消滅都市』という作品、そして『消滅都市』ファンと向き合っていた。


▲サービス終了発表当日の下田氏からのメッセージ。

『消滅都市』元世界王者、サービス終了に寄せて

ここでは、2015年4月に行われた『消滅都市』初のオフラインイベント「第1回 公式全国大会 ニコニコ超会議杯」で優勝したトッププレイヤー「消滅亭やまはん」から、同タイトルのサービス終了に対する思いを語ってもらった。

これまで多くのゲームをプレイしてきましたが、『消滅都市』は僕にとって間違いなく人生を変えてくれた一本です。

第1回 公式全国大会で優勝できたことはもちろん、ゲームを始めたばかりの頃に「弟かしら」を周回した記憶や、新しい「降臨クエスト」が登場する度に攻略に勤しんだこと、「デスパーティ」でフレンドと競い合ったこと、レイドが実装された時の衝撃は今も鮮明に覚えています。

他にも、「Green Light」は初めて聴いた時から好きになりすぎてメロディーが頭から離れなくなったこともありました(笑)。

どれも大切な思い出です。

この作品を通して、数多くの出会いがあり、今も残っている繋がりがあります。

ストーリーの更新が終わってゲームから少し離れてしまってからも、『消滅都市』を通じて出会った友人たちと集まれば久々にランキングを走って一晩中大盛り上がりできる、そんなゲームは他にありません。

WFSの皆さん、改めてこんなに素敵な作品と出会わせていただき、ありがとうございました!

またいつか、ユキやタクヤたちに出会えることを願って。

・消滅亭やまはんの『消滅都市』連載記事はこちら
・消滅亭やまはんの公式Xはこちら

また、消滅亭やまはんは本記事のために、2024年2月23日(金)に行われた『消滅都市』ファンによる非公式非公認オフ会の写真も提供してくれた。オフ会当日はクイズ大会やDJイベント、プライベートランキングを使って競ったりという内容だったそうだ。ありがとう、やまはん!


▲消滅亭やまはんから提供してもらった、『消滅都市』非公式イベントの模様。

1週間前からプレイ…有終の美(サ終)を見届ける

『消滅都市』の発表からサービス終了決定までの流れをお届けしたところで、ここからはサービス終了1週間前の2024年2月21日からログインしたプレイ記録をダイジェストでお届けしよう。

…と、通常なら1週間のプレイの模様をダイジェストでお伝えしているのだが、今回は消滅亭やまはんのコメントやサービス終了発表時の反響を載せたことで、記事内容がステーキハウス リベラ 目黒店の横綱ステーキ並みにボリューミーになったので、筆者のプレイ記録はデザート感覚で実にさっぱりあっさりとお伝えしようと思う。


▲チュートリアル後に引けたガチャからゲットできたのは、努力の靴屋さん エミコだったよ。

基本的にはストーリーモードをひたすら進めていった。『消滅都市』がリリースされた当時、筆者は30代半ばだったので、まだギリギリ人並みに操作できていたが、いまや40代半ば。動体視力や反射神経はさらに低下しており、CHAINを繋げるのもなかなかに大変だった。でも、久しぶりにプレイしたらやっぱり面白かったよ。


▲気分転換にイベントクエストなどにも挑戦し、タカオに一種の親近感が湧いたりもした。

そんなこんなで1週間はあっという間に過ぎ、サービス終了当日を迎えた。筆者は終了1時間前の2月27日14時にログインし、ゲーム内の様子をチェックした。

ほかのプレイヤーの皆さんは、ラスト1時間でログインしているのだろうか? そう思って、降臨クエストをマルチでプレイしてみることに。筆者が募集をかけると、ものの数秒で2名の参加者が名乗りを上げてくれた。

ご覧の通り、筆者はランクも総ダメージ数も2人のプレイヤーさんと比べると全然ダメダメ。正直貴重な最後の時間を筆者のために割いてもらって申し訳なく思ったが、2人ともスタンプで「ありがとう」と言ってくれたよ。ありがとう、そしてありがとう。

そしてサービス終了数分前に、もう一度降臨クエストをマルチプレイで募集したところ、やはり一瞬で2人のプレイヤーさんが参加してくれて驚きを隠せなかった。しかも、もうあと少しでサービスが終了するにも関わらず、筆者のフレンド申請を受けてくれたのも感動した!!



▲「ありがとう 消滅市」さんは『消滅都市』のフィナーレにふさわしい感謝に溢れるお名前かなと思ったので、あえて伏せておりません。ご容赦くださいませ。

最後に筆者のフレンドになってくれたプレイヤーさん(人数は少ないですが)のリストを見てみると、最終プレイが数分前という奇跡的な光景を目の当たりにした。

ちなみに、15時を過ぎてもゲームをプレイすることができたが、筆者もほかの業務との兼ね合いで後ろ髪を引かれつつログアウト。もう一度アプリを起動したら下のメッセージが表示された。

こうして、『消滅都市』は約9年9ヶ月の歴史に幕を下ろしたのだった。


▲サービス終了後の公式X(Twitter)

なお、iOS/Android版では「オフライン版」が用意されているという。オフライン版『消滅都市』は、ストーリー、タマシイの閲覧を目的としたアプリゲームとなる。コラボなどの一部を除くタマシイがレベルMAX状態で付与され、各種クエストがプレイ可能状態となるとのこと。プレイ後の経験値獲得、タマシイの強か・進化などの育成機能、各種オンライン機能は利用できない。また、オフライン版に現在のデータを引き継ぐことはできない。(オフライン版についてはお知らせページを参照)

©WFS

【サービス終了、その瞬間】バックナンバー

前回の記事 ⇒ バンダイナムコENT『ONE PIECE サウザンドストーム』…その最後を見届けるべく多くのプレイヤーが酒場に集結

23年7月~10月掲載記事まとめ ⇒ 『燐光のレムリア 星空の絆』『エヴァBF』『ワールドウィッチーズ ユナフロ』『ロックマンX DiVE』

番外編もチェック ⇒ 番外編「after that サービス終了」(2023年)…『ハニプレ』『ダイの大冒険 魂の絆』『ロックマンXDiVE』等のその後をリサーチ

・その他のバックナンバーは こちら

株式会社WFS
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会社情報

会社名
株式会社WFS
設立
2014年2月
代表者
代表取締役社長 柳原 陽太
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