KLab、『ドラクエスマグロ』は想定線で推移 海外不振との見方を否定 『ヒロアカ』新作を今期投入へ

KLab<3656>は、2026年12月期第1四半期決算説明会の質疑応答で、ゲーム事業の現状と今後の戦略について説明した。足元では開発を担当する『ドラゴンクエスト スマッシュグロウ』(ドラクエスマグロ)が概ね想定通りに推移していることを明らかにしたほか、年内配信予定の『僕のヒーローアカデミア UNITED SURVIVAL』や新規IP獲得への取り組みにも言及した。

同社によると、『ドラクエスマグロ』の初動については「概ね想定の範囲内」と評価している。売上のピークアウト時期については具体的な時期こそ明かさなかったものの、過去のタイトル実績や市場動向などを踏まえ、業績予想へ反映していると説明した。真田哲弥社長は説明パートで「第2四半期から相当程度の業績貢献を見込んでいる」とコメントしていた。

また、同タイトルの海外展開については、一部で指摘されている「海外不振」との見方を否定した。KLabは開発会社の立場であるため具体的な販売状況への言及は避けたが、海外市場は日本市場と異なり立ち上がりが緩やかな傾向があると説明し、現時点で低迷しているとの認識は持っていないとした。

外部課金についても触れ、業界全体で利用が拡大しているとの認識を示した。一般的なタイトルでは課金売上の半分程度、タイトルによっては6~7割がストア外決済となるケースもあるとしている。

一方、今期の成長ドライバーとして期待されるのが『僕のヒーローアカデミア UNITED SURVIVAL』だ。同社は同タイトルが今期中の配信を予定していることから、通期業績予想にも織り込んでいると説明した。事前登録開始時期は未公表ながら、開発は「非常に順調に進んでいる」としている。収益予測については、IP認知度や市場環境などを踏まえて事業計画を策定したという。

開発パイプラインについては、内製タイトルの『ヒロアカ』新作に加え、海外向けゲーム開発支援モデルとして手掛ける『ジョジョの奇妙な冒険 黄金讃歌』の2本を公表している。その他の案件については非開示としている。

新規IPの獲得についても継続的に営業活動を行っているという。同社は近年、大型IPを活用したゲーム開発へ軸足を移しており、新作開発では「数を増やすこと」よりも、「開発費を回収できる強力なIPを確保すること」を重視していると説明した。特に、グローバル市場で受け入れられる人気IPであるかどうかを重要な判断基準としている。

経営陣は今後の成長戦略についても言及した。ゲーム事業では「世界に通用する強力なIP(S級IP)」を獲得し、グローバル展開によって大きな収益を生み出すことを目指すという。日本のアニメやマンガIPの人気が世界的に高まっていることから、市場拡大余地は大きいとみている。

その一方で、ゲーム事業への依存度を下げるため、GPU AIクラウド事業やAI VTuber事業など新規分野の育成も進める方針だ。ゲームヒットの有無に左右されにくい収益構造の構築を目指しており、AI関連事業との相乗効果を活用しながら収益源の多様化を図る考えを示した。

なお、過去に発表していたポケットペアとのハイブリッドカジュアルゲーム共同開発については、同プロジェクトから撤退したことを明らかにした。一方で、ポケットペアとは別の形で協業を開始しているという。

今回の質疑応答からは、『ドラクエスマグロ』の立ち上がりを見極めながら、『ヒロアカ』新作の投入とグローバルIP戦略によってゲーム事業の再成長を目指す姿勢が鮮明になった。一方で、過去の『EA SPORTS FC™ TACTICAL』中止案件などを踏まえ、大型IPへの選択と集中を強める方針も改めて示された格好だ。

KLab株式会社
https://www.klab.com/jp/

会社情報

会社名
KLab株式会社
設立
2000年8月
代表者
代表取締役社長CEO 真田 哲弥
決算期
12月
直近業績
売上高68億5600万円、営業損益13億400万円の赤字、経常損益14億2100万円の赤字、最終損益41億7600万円の赤字(2025年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3656
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