
カプコン<9697>の第1四半期の連結業績は、売上高700億1000万円(前年同期比54.7%増)、営業利益410億5400万円(同66.9%増)、経常利益414億5200万円(同81.1%増)、最終利益291億5900万円(同69.2%増)と大幅な増収増益となった。決算説明動画では、完全新規IP『プラグマタ』のヒットに加えて、『バイオハザード』シリーズを中心としたリピート販売が四半期として過去最高を更新し、会社側は「通期計画達成に向けて非常に順調な滑り出し」との認識を示した。
・売上高:704億1000万円(前年同期比54.7%増)
・営業利益:410億5400万円(同66.9%増)
・経常利益:414億5200万円(同81.1%増)
・最終利益:291億5900万円(同69.2%増)
■『プラグマタ』が発売直後に250万本突破
主力のデジタルコンテンツ事業は売上高546億円、営業利益375億900万円と大幅な増収増益を達成した。第1四半期のゲーム販売本数は2381万本と前年同期の1416万本から約68%増加。このうち新作販売は255万本で、その大半を完全新規IP『プラグマタ』が占めた。同作は発売直後から好調に推移し、全世界で累計250万本を突破したという。
宮崎智史副社長は、「完全新規IPの『プラグマタ』が発売直後から好評を博した」と説明し、新規タイトルが業績をけん引したことを強調した。
■『バイオハザード』シリーズがロングセラーを加速
一方で業績をさらに押し上げたのがリピート販売だ。第1四半期のリピート販売本数は2126万本と前年同期比約60%増加し、四半期として過去最高を更新した。
2月発売の『バイオハザード レクイエム』がシリーズ全体への関心を高めたことで、過去作品の販売も大きく伸長。説明会では主なタイトルとして、
・ 『バイオハザード RE:4』(2023年発売)が243万本
・ 『バイオハザード RE:2』(2019年発売)が142万本
を販売したことを明らかにした。
さらに『デビル メイ クライ 5』も映像作品との連動施策が奏功し、新たなファン層の獲得につながったという。近年カプコンが進める「新作でIPを活性化し、旧作販売を伸ばす」戦略が引き続き成果を上げている格好だ。
■海外販売比率は9割超
デジタルコンテンツ事業では販売本数の90.8%を海外が占め、236の国・地域で販売を展開している。嶋内義和執行役員は、日本のコンテンツ産業についても言及。ゲーム・アニメ産業が日本の有力輸出産業へ成長している点を紹介した。
コンピュータエンターテインメント協会(CESA)の業界レポートでは、2023年のコンテンツ産業の輸出額は5.8兆円となり、半導体産業(5.5兆円)や鉄鋼産業(4.8兆円)を上回った。このうち約62%をゲーム産業が占めており、「今後もこのトレンドは拡大していく」との見通しを示した。カプコン自身も売上の約9割を海外市場で稼いでおり、グローバル展開が引き続き成長の柱となっている。
■アミューズメント施設も計画上回る推移
アミューズメント施設事業は売上高67億円と前年を上回った。営業利益は新規出店に伴う減価償却費の増加でやや減益となったものの、ガチャ専門店やグッズ販売、プライズ専門店など業態の多角化が奏功。来店客単価が上昇しており、第1四半期は「内部計画を上回るペース」で推移しているという。第1四半期には「カプセルラボ 羽生店」を新たにオープンし、店舗数は62店舗となった。
■パチスロは前年の反動減も新機種投入で堅調
アミューズメント機器事業は売上高70億円、営業利益40億円と前年同期比では減収減益となった。前年は既存機種の追加受注による高採算案件があった反動が影響したものの、第1四半期には新機種『バイオハザード RE:3』を投入し、販売台数は1万7000台と順調に推移した。
■通期計画は据え置き
業績予想に対する利益進捗率は5割近くと非常に高いが、会社側は通期業績予想を据え置いた。2027年3月期は売上高2100億円、営業利益830億円を計画しており、14期連続営業増益、12期連続の2桁営業増益を目指す。説明会では、新作タイトルによる収益拡大に加え、リピート販売を世界規模で積み上げる戦略を継続する方針を改めて示した。
【2027年3月期の見通し】
・売上高:2100億円(前期比7.5%増)
・営業利益:830億円(同10.2%増)
・経常利益:830億円(同12.0%増)
・最終利益:580億円(同6.3%増)
・EPS:138.65円
【通期計画に対する進捗率】
・売上高:33.5%
・営業利益:49.5%
・経常利益:49.9%
・最終利益:50.3%
■編集部の視点
今回の決算で特に注目されるのは、新作『プラグマタ』の成功以上に、リピート販売が2126万本という過去最高を記録した点だろう。大型新作がシリーズ全体の販売を押し上げる「カタログ販売」の強さは、カプコンの収益構造の大きな特徴となっている。
また、販売本数の約91%を海外市場が占めることからも、同社は日本企業でありながら実質的にはグローバルパブリッシャーとして成長を続けていることがうかがえる。『プラグマタ』で新たなIPを育成しつつ、『バイオハザード』や『デビル メイ クライ』など既存ブランドの価値を映像展開も含めて高める戦略は、今後も高い利益率を支える重要な成長エンジンとなりそうだ。
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会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1953億6500万円、営業利益752億9500万円、経常利益741億3400万円、最終利益545億8700万円(2026年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697
