東京ゲームショウ2026、来場者数は25万7642人で微減 悪天候など影響か 「展示の場」から「ゲーム業界の総合イベント」へ着実に進化

コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は9月20日、「東京ゲームショウ2026」(TGS2026)のリアル開催が閉幕したと発表した。9月17日から20日までの4日間の総来場者数は25万7642人。過去最多となった2025年の26万3101人から5459人、約2.1%の減少となった。
当初は9月21日までの5日間開催を予定していたが、最終日は台風25号の接近を受け、来場者や出展社、関係者の安全を最優先としてリアル開催を終日中止となった。公式番組などのオンライン配信のみ実施する形となった。
ただ、今回のTGSを「来場者数が減少したイベント」とだけ捉えるのは、少し違うように思う。
■来場者数は微減も、ビジネス面では存在感を拡大
日別の来場者数を見ると、9月17日のビジネスデイ初日は5万3630人で前年を上回り、9月19日の一般公開初日も7万8678人と前年の7万7415人を上回った。一方、18日は5万2545人、20日は7万2789人となり、それぞれ前年を下回った。4日間合計では前年比2.1%減となっている。
特に18日は終日雨となったこともあり、天候が来場者の動向に一定の影響を与えた可能性がある。また、最終日のリアル開催中止という特殊要因もあるため、今回の数字だけをもってTGSの集客力が低下したと見るのは早計だろう。
| 2026年 | 2025年 | 増減 | |
| 1日目 | 53,630 | 52,352 | 1,278 |
| 2日目 | 52,545 | 54,779 | -2,234 |
| 3日目 | 78,678 | 77,415 | 1,263 |
| 4日目 | 72,789 | 78,555 | -5,766 |
| 5日目 | 開催中止 | - | - |
| 合計 | 257,642 | 263,101 | -5,459 |
※3日目までの累計は前年とほぼ同規模だったが、4日目に入って5766人減少した。これが大きく影響したことがわかる。本文中でも触れたように天候の影響であろう。
むしろ注目したいのは、来場者数とは別のところにある。2026年は1,138社・団体が出展し、出展国・地域は53となった。出展社数は前年の1,136社を上回り、過去最多。一方、出展小間数は3999小間で、前年の4157小間から減少している。つまり、TGSは単純に「会場をさらに大きくしていく」という方向にはなっていない。
その一方で、大きく増えているのがビジネス関連の機能だ。ビジネスミーティングエリアの出展社数は177社から251社へ増加。さらに、TGSビジネスマッチングシステムを活用した商談は3673件となり、過去最多を記録した。
この数字は、現在の東京ゲームショウがどのようなイベントになりつつあるのかを考えるうえで、非常に興味深い。
■「年末商戦に向けた展示会」からゲーム業界の総合イベントへ
もともと東京ゲームショウには、年末商戦に向けて各社が新作タイトルを発表し、ユーザーに試遊してもらうという意味合いが強かった。もちろん現在もその役割は失われていない。家庭用ゲーム機、PC、スマートデバイス、VRなど幅広いプラットフォームの新作が展示され、一般ユーザーが実際にゲームに触れる場としての重要性は変わっていない。
しかし、TGSを取り巻く環境は大きく変わった。インディーゲーム、ゲーム開発・運営を支援するソリューション、AI、eスポーツなど、ゲームを取り巻くさまざまな領域が集まり、さらに会場周辺ではTGSに合わせたサイドイベントも数多く開催されるようになった。
そして今回、ビジネスミーティングエリアの拡大と商談件数の過去最多という数字が示したのが、「ゲームを見せる場」から「ゲーム業界の人が集まり、商談し、情報交換する場」へとTGSの役割が広がっていることだ。
来場者数が25万人を超える巨大イベントであることに変わりはないが、その価値を「何人集めたか」だけで測ることが難しくなっている。例えば、一般来場者の入場者数がわずかに減ったとしても、そこで数多くの商談が行われ、新たなビジネスにつながるのであれば、イベントとしての価値は別の形で高まっている。TGS2026は、そうした変化を数字の上でも感じさせる開催だった。
■小間数減少の背景には中国企業の出展減も?
一方で、出展小間数が4157から3999へ減少した点も興味深い。出展社数そのものは過去最多となったにもかかわらず、小間数は減っているため、出展企業1社あたりの展示規模が小さくなった可能性がある。
その背景の一つとして考えられるのが、中国企業の出展減少だ。開幕前には中国からの出展企業が前年より大きく減少したとの報道もあり、前年に大型ブースを展開していた企業の不参加も目立ったとされる。
ただし、CESAの今回の閉幕リリースでは小間数減少の理由までは説明されておらず、中国企業の動向が直接の要因だったと断定することはできない。
興味深いのは、こうした変化があっても出展国・地域は47から53へ増えていることだ。 海外企業の参加そのものが縮小しているというより、出展する企業や地域の構成が変化している可能性もある。
■来場者数が減っても、会場の混雑は解消されない
一方、実際に会場を歩いてみると、25万7642人という数字から受ける印象とは少し違う。来場者数は前年より減ったにもかかわらず、会場は依然としてかなり混雑していた。特に雨天となった日は、その印象が強かった。
TGSでは今回、会場内の混雑緩和に向けて、1~3ホール、4~6ホール、7~8ホール、9~11ホールの4エリアにセンサーを設置し、それぞれの人数をリアルタイムで管理。既定数に達した場合には入場規制を行い、別エリアへ誘導するなどの対策を実施していた。
試遊予約券やステージ観覧予約券を持っている来場者については、開始時間を確認したうえで入場を認める運用も行われていた。また、開場直後にはブース間の移動を制限するなど、人気ブースへの急激な集中を抑える取り組みも行われていた。
つまり、運営側も混雑を認識し、かなり細かな人流コントロールを行っていたわけだ。それでも、混雑そのものがなくなるわけではない。これは、「何人来場したか」よりも「どこに、いつ、どれだけ人が集中したか」が重要になっていることを示しているのかもしれない。

■雨天時に浮き彫りになった「休める場所」の問題
今回改めて感じたのが休憩スペースの問題だ。TGSでは会場内で気軽に休める場所が十分とは言いにくく、階段や床などに座って休む来場者の姿が少なくなかった。これは以前からあった事象ではあるものの、今年も随分多いなと感じたものだった。
晴れていれば、会場の外に出て休憩したり、周辺の飲食店を利用したりするという選択肢もある。幕張メッセ周辺にも飲食施設はあるため、多少歩くことを厭わなければ食事をすることはできる。
しかし、雨が降ると事情が変わる。「少し歩いて外で食事をしよう」「会場を出て休もう」という行動そのものに心理的なハードルが生じるため、結果として多くの人が会場内にとどまりやすくなる。その結果、混雑している会場からさらに人が出ていかず、休憩したい人も休める場所を見つけにくいという状況が生じる。
これはTGSの運営だけで解決できる問題ではない。幕張メッセという会場の構造や周辺環境にも関係する、ある意味では構造的な課題だ。だからこそ、これを「運営の問題」と批判するよりも、TGSがさらに成長していくうえで残された課題と捉えたほうが適切だろう。

※階段や2階コンコースなどで座って休憩している人が少なくなかった。会場と周辺施設という構造的な要素もあり、運営努力だけでは解決しがたい課題だ。
■「何人集めるか」から「どう過ごしてもらうか」へ
TGS2026を振り返ると、来場者数は前年比で微減したが、出展社数は過去最多となり、出展国・地域も増加。ビジネスミーティングエリアは大きく拡大し、商談件数も過去最多となった。 こうした数字を見る限り、TGSの存在感そのものが弱まったというより、イベントとしての役割が変化し、広がっていると見るほうが自然だろう。
かつてのTGSが「年末商戦に向けて新作を披露する場」という色彩を強く持っていたとすれば、現在はそこに、商談、海外企業との交流、インディーゲーム、開発支援、AI、eスポーツ、サイドイベントなど、さまざまな機能が加わっている。その意味では、TGSはすでに単なるゲーム展示会ではなく、ゲーム産業そのものが集まる総合イベントへと進化しつつある。
だからこそ、次に問われるのは「何人集められるか」だけではないのかもしれない。25万人を超える来場者を迎えるイベントになった今、どれだけ快適に移動できるか、どこで休めるか、雨天時にどう人を分散させるか、そして来場者がどれだけ気持ちよくイベントを楽しめるかといった「体験」の部分も、今後ますます重要になってくる。
TGS2026は、東京ゲームショウが次のステージへ進んでいることを感じさせる一方で、その成長に伴って新たな課題も見えてきた開催だったと言えそうだ。次回の「東京ゲームショウ2027」は2027年9月16日(木)~20日(月・祝)に幕張メッセで開催予定となっている。
【PR】ゲーム・エンタメ業界未経験OK!これまでの職種経験を活かして憧れの業界へ
会社情報
- 会社名
- 一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)