【TGS2026】『モンスターハンターアウトランダーズ』10月29日に中国大陸除く世界各国で正式リリース 新古龍「ルガ・エアルダ」は“金色の鎧を纏った聖騎士”がコンセプト

カプコン<9697>監修のもとTiMi Studio Groupが開発するスマートフォン向けゲーム『モンスターハンターアウトランダーズ』が、10月29日に中国大陸を除く世界各国で正式サービスを開始する。
『モンスターハンターアウトランダーズ』は、『モンスターハンター』シリーズのハンティングアクションをスマートフォン向けに再構築したタイトル。プレイヤーは「冒険者」として「アイソレシア島」を舞台に、仲間たちとともにフィールドを探索しながらモンスターを狩猟していく。シリーズおなじみの武器や装備の強化といった要素に加え、最大4人でのマルチプレイにも対応している。
ゲームの基本的な内容については、gamebizで掲載した第2回クローズドβテスト(CBT)のレビューでも紹介しているので、あわせて確認してほしい。
今回、TGS2026会期中に行われたクローズド・プレスイベントでは、最新情報の紹介に加えて、本作で初登場となる古龍「光稜龍 ルガ・エアルダ」の狩猟を体験。さらに、TiMi Studio Group プロデューサーの黄冬(Don Huang)氏と、カプコン プロデューサーの関野亮央氏へのインタビューも実施した。
本稿では、正式サービス開始を控えた現在の開発状況とともに、「ルガ・エアルダ」がどのような考えのもと生み出されたのか、そしてスマートフォンで『モンスターハンター』らしい狩猟体験を実現するために、どのような調整が行われてきたのかを聞いた。
※記事中に使用している画⾯は開発中のもの。
■「ルガ・エアルダ」は“金色の鎧を纏った聖騎士”――新たな古龍はいかに生まれたのか
『モンスターハンターアウトランダーズ』では、シリーズに登場するおなじみのモンスターだけでなく、アイソレシア島を舞台とする本作ならではの存在も描かれる。その代表ともいえるのが、新たな古龍「光稜龍 ルガ・エアルダ」だ。
インタビューでは、まず「ルガ・エアルダ」がどのような経緯で生まれたのかを聞いた。
関野氏によると、本作では企画の初期段階から、アイソレシア島の生態系に関わる古龍の存在について検討していたという。開発についての話し合いは2020年頃から始まり、2022年頃には本作の発表に至っているが、「ルガ・エアルダ」に関する議論もその頃には始まっていた。
また、TiMi Studio Group側からは、カプコンからのサポートや許可があったことで、本作オリジナルの古龍を実現できたと説明。過去、ナンバリング作品以外にもオリジナルの古龍は登場しているものの、『モンスターハンターアウトランダーズ』ではサービス開始時から本作オリジナルの古龍を前面に出すことに挑戦しているという。
そのデザインを考えるうえで、カプコン側から提示された核となるキーワードが「金色の鎧を纏った聖騎士」だった。
▲「ふたつの太陽」の異名を持つ「ルガ・エアルダ」。その姿は、金色を基調としていることもあり、気品と威圧感がある。
関野氏によれば、このイメージをもとにデザインだけでなく、スキルや生態、攻撃アクションまでを組み立てていったという。聖騎士というモチーフから、巨大な盾と槍を思わせる攻撃表現も取り入れられている。
実際の戦闘では、突きによる攻撃を主体としながら、身体に「光素」を集めて鎧のように硬化させ、攻撃と防御の両面に活用する。周囲の光素を吸収することで、さらに強力な攻撃を繰り出すという特徴も持つ。
今回の試遊では、実際に「ルガ・エアルダ」と対峙することができた。
筆者が最初に選択したのは、操作が簡略化された「スターティングモード」。初めて触る状態でも攻撃や回避といった基本操作を把握しやすく、スムーズに狩猟を進めることができた。
▲自然とコンボが繋がってくれるため、攻撃面に割く思考のコストが少なく、モンスターからの攻撃を見極めることに集中できる。
一方、「ハンティングモード」ではより多くの操作や選択肢が用意され、攻撃の組み立てや立ち回りを考えながら狩猟する必要がある。アクションゲームとしての手応えを求めるプレイヤーは、こちらを選択することでより細かな操作を楽しめる設計となっている。
ルガ・エアルダは攻撃が激しく、怒り状態になると攻撃範囲も広がる。さらに槍を生成して突進するなど、攻撃の合間を見極めながら立ち回る必要があった。強力な攻撃を受けた際にはハンターの動きが乱される場面もあり、相手の行動を見ながら攻撃のタイミングを探ることが重要になる。
■スマホでも“狩り”を成立させる――操作を簡略化しつつ、戦略性を残す
スマートフォン向けタイトルとして開発するうえで、大きなテーマとなったのが操作方法だ。
『モンスターハンター』シリーズの狩猟アクションには、武器種ごとの操作やコンボ、モンスターの動きを見ながら攻撃と回避を使い分ける判断が求められる。一方、スマートフォンでは、コンソール向けタイトルと同じ操作量をそのまま持ち込むことが必ずしも適しているとは限らない。
TiMi Studio Groupでは、複雑すぎる操作や長いコンボをそのまま再現するのではなく、UIやインタラクションを通じて攻撃と防御の関係を理解しやすくすることを意識したという。
特に大きいのがロックオン周りの調整だ。スマートフォンでは頻繁な入力が必要になると操作の負担が増えるため、ロックオンを簡略化し、少ない操作で狙いを定められるようにした。
さらに、先ほども触れた通り、本作では「スターティングモード」と「ハンティングモード」という2つの操作体験を用意している。
スターティングモードは、攻撃・回避・必殺という主要なボタンを中心に構成され、初めて『モンスターハンター』をプレイするユーザーでも入りやすいように設計されている。
一方のハンティングモードは、より本格的な操作を楽しみたいプレイヤーに向けたもの。
TiMi Studio Groupによれば、スターティングモードは手軽なプレイ体験につながっており、継続率にも良い数字が出ているという。操作に慣れたプレイヤーや、より深く遊びたいプレイヤーはハンティングモードを選択できる形だ。
黄氏は、こうした2つのモードを用意することで、プレイヤーが自身のプレイスタイルや習熟度に応じて遊び方を選べるようにしていると説明した。
■CBTで見えてきた「パワー差」を調整 アクションや役割、戦略性を重視する方向へ
正式サービスに向けた開発では、CBTを通じてゲームバランスにも調整が加えられている。
黄氏によると、第2回CBTから第3回CBTにかけては、狩猟に関する数値パラメータや基本的な設計を変更。初期のテストでは、キャラクターの育成状況によるパワー差が大きくなりすぎていたという。
そこで第3回CBTに向けて数値差を縮め、単純な育成度合いだけで勝敗が決まるのではなく、アクションやテクニック、冒険者ごとの役割、戦略性を重視する方向へ調整した。
▲本作では、冒険者は狩猟において大きく分けて3つの異なる役割(極撃タイプ・巧作タイプ・支援タイプ)をそれぞれ担う。なお、主人公冒険者はロールを自由に切り替えられる。
ここでいう「パワー差」は武器そのものの性能差ではなく、キャラクターの育成度合いによる差を指す。十分に育成したキャラクターと、そこまで育成していないキャラクターとの間に生じていた差を見直した形だ。
また、テストでは操作をよりシンプルにしてほしいという意見や、新しい遊び方を求める声も寄せられているという。
長期運営を前提とするタイトルだけに、正式サービス後もユーザーからのフィードバックを取り入れながら、遊びの幅を広げていくことが期待される。
■TGS2026では新エリアや新モンスターも登場 分岐するフィールドを探索
今回のTGS2026向けビルドでは、これまでのテストでは見られなかった要素も用意されているという。
試遊では洞窟を思わせる新たなエリアを探索でき、地形を利用した新しいフィールド体験ができるほか、これまで公開されていなかった複数のモンスターも登場。
道中では2つのルートに分かれる場面もある。それぞれの分岐先での狩猟を経て、リオレウス亜種の狩猟へと向かっていく。また、新たな冒険者も使用可能となっている。
▲TGS2026『モンスターハンターアウトランダーズ』試遊ブースの様子。
こうした新要素について、正式サービス後もモンスターや冒険者、オトモ、エリア、ストーリー、新システムなどを追加していく方針を示した。
さらに、本作にはプレイヤー同士が集まって一緒に遊べる「冒険団」システムも用意される。長期運営の中でプレイヤー同士が交流し、固定の仲間を作って遊ぶといったコミュニティ面での広がりも想定されているという。
■スマホで“正統派の狩猟体験”を届ける――『モンハン』らしさをどう再構築したか
では、『モンスターハンターアウトランダーズ』はシリーズの中でどのような立ち位置を目指しているのか。
関野氏は、本作について、スマートフォン上でしっかりとした狩猟体験を届けることを目指していると説明した。
モンスターを狩り、その素材から装備を作り、プレイヤー自身を成長させ、さらに強いモンスターへ挑戦する――。
『モンスターハンター』シリーズが持つ基本的なサイクルを軸にしながら、スマートフォンというデバイスに合わせて操作やUIを作り直している。
そのため、単純にシリーズ作品をスマートフォンへ移植するのではなく、モバイル環境で遊びやすい形へと再構築しながらも、狩猟を繰り返して強くなっていく体験そのものは大切にしているという。
▲従来のシリーズに登場するモンスターに加え、アイソレシア島に存在する特殊な物質により外見や能力が変化した「融光種」と呼ばれるモンスターたちが登場するとのこと。
今回の試遊でも、スターティングモードでは操作の分かりやすさを、ハンティングモードでは敵の動きを見ながら攻撃や回避を選択するアクション性をそれぞれ確認できた。
■TiMi Studio Groupの強みは「モバイル」「オンライン」「アクション」 カプコン監修で二人三脚の開発
本作を開発するTiMi Studio Groupについて、黄氏は大きく3つの強みを挙げた。
1つ目は、モバイルを含むマルチデバイスでのゲーム開発経験。2つ目は、オンラインサービスやソーシャル、マルチプレイを含むネットワークゲームのノウハウ。そして3つ目が、アクションゲーム、とりわけモバイル向けアクションゲームの開発経験だという。
加えて、開発チームには『モンスターハンター』のファンも多く、本作の開発自体がメンバーにとって大きな意味を持つプロジェクトになっていると語った。
一方、カプコン側から見たTiMi Studio Groupについて関野氏は、モバイルゲームでの豊富な実績やノウハウに加え、『モンスターハンター』を好きなメンバーが多いことを評価。
カプコンがシリーズとして守るべき部分を監修しながら、TiMi Studio Groupがスマートフォンならではのアイデアを持ち込み、試行錯誤を重ねていく。その積み重ねによって、『モンスターハンターアウトランダーズ』ならではのスマートフォン向けハンティングアクションを形にしてきたという。
▲本作に登場するクラフトシステムや多彩なアクティビティの採用は、TiMi Studio Groupが培ってきた知見が活かされていると感じる部分だ。
『モンスターハンターアウトランダーズ』は、10月29日に中国大陸を除く確認済みの対象地域で正式サービスを開始する。
新たな古龍「ルガ・エアルダ」をはじめ、アイソレシア島を舞台とする物語や新モンスター、冒険者、エリアなど、長期運営を見据えたコンテンツが用意されている。
シリーズの狩猟体験をスマートフォン向けにどう落とし込むのか。そして、カプコン監修のもと、TiMi Studio Groupの開発によって、どのような「モンスターハンター」が生まれるのか。正式サービス開始に向け、今後さらに明らかになる情報にも注目したい。
(取材・文 編集部:山岡広樹)
■『モンスターハンターアウトランダーズ』
※掲載のゲーム画面は開発中のものです。
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会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1953億6500万円、営業利益752億9500万円、経常利益741億3400万円、最終利益545億8700万円(2026年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697
会社情報
- 会社名
- TiMi Studio Group(Tencentグループ)
