【レビュー】『モンスターハンターアウトランダーズ』が描く、スマートフォン向けの新たな狩猟体験
カプコンのライセンスのもと、TiMi Studio Groupが開発するスマートフォン向けタイトル『モンスターハンターアウトランダーズ』(iOS/Android対応)。シリーズ累計販売本数1億本を超える国民的ハンティングアクションが、スマートフォンで本格的に動き出す期待の一作だ。
今回、第2回クローズドβテストの内容をもとに、その特徴をレポートする。
『モンスターハンターアウトランダーズ』がスマートフォン向けタイトルとして登場すると聞いて、真っ先に思い浮かぶのは「シリーズらしいアクションの手触りを、スマートフォンでどのように表現しているのか」という疑念であろう。仮想パッドという制約のなかで武器を振り、モンスターの攻撃に対応し、素材を集めるという一連の狩猟体験がどのように楽しめるのか――それは、シリーズファンが抱く切実な思いでもある。
結論から言えば、実際に触れてみると、スマートフォン向けに丁寧に調整されている印象を受けた。本作では、『モンスターハンター』の狩猟アクションという本質を守りつつ、サバイバルやクラフト要素にも重きを置いたスマートフォンというプラットフォームに向けて操作体系やインターフェースを丁寧に再構築している。本作ならではの新たな狩猟体験としてまとめられている。
本作を起動してまず向き合うのが、キャラクリエイトだ。顔のタイプは11種類、髪型は男女それぞれ30種類以上と選択肢が豊富なうえ、こめかみや頬といった細部のパーツにまで手が入れられる。「『モンハン』のキャラメイクは時間泥棒」というのはシリーズ経験者にとって周知の事実だが、本作においてもそれは健在である。ただ、ここで費やした時間は決して無駄ではない。自らの手で作り上げた主人公冒険者とともにフィールドに立つことで、冒険への没入感は格段に高まるからだ。

▲こだわるととことん作り込むことができ、簡単に作りたければサクッと終えられる。
キャラクリエイトを終えると、いよいよオープニングへと突入する。本作のストーリーは、嵐に見舞われた際に不時着したアイソレシア島を舞台に、謎のオーロラの正体を突き止めるために冒険団として調査に動くというもの。キャラクターの掛け合いはもちろん、流れるムービーには相応の力が注ぎ込まれており、これから待ち受ける冒険への緊張感と高揚感が自然と胸に宿ってくる。
▲大所帯の冒険団。プレイヤーもその一員だ。
▲作り込んだキャラはムービーにも反映される。
感心したのは、チュートリアルがオープニングとつながる形でスムーズに体験できる点だ。説明のために一時停止させられるような断絶感はなく、物語の流れに乗ったまま操作方法を身体に刻み込める。スマートフォン向けタイトルとして非常に優れた設計に仕上がっている。
▲いきなりの大型モンスター狩猟。チュートリアルだからといって油断していたらやられかねないくらいにはしっかりと強い。
■スマートフォン向けに最適化された狩猟アクション
本作では、モンスターとの狩猟における操作モードがふたつ用意されている。操作に不慣れなプレイヤーでも楽しめる“スターティングモード”と、アクションゲームに慣れたプレイヤー向けの“ハンティングモード”だ。
前者は回避・攻撃・必殺の3ボタンに集約された直感的な構成で、直前のアクションによって攻撃内容が自動で変化する。そのため、3ボタンを操作しているだけなのに複雑な連続技を繰り出しているかのような爽快感を味わえる。
▲スターティングモードは3ボタンで直感的にプレイできる。
一方ハンティングモードは、攻撃・回避・必殺ではなく通常攻撃に加えガード・強化などの使用武器ごとに個別のアクションボタンが設置されており、これらのアクションボタンを組み合わせて狩猟を行っていくことになる。コンシューマー版とは操作体系が異なりながらも、スマートフォン向けに最適化された“モンハンらしい”アクションを実現している。
▲ハンティングモード中の狩猟画面。スターティングモードの必殺にあたる攻撃は、ハンティングモードにおいては特定の条件下でコンボの形でアクションボタンを押すことで発動する。
両モードはいつでも切り替えられるので、まずはスターティングモードで操作感を掴み、慣れてきたらハンティングモードへ移行するという使い方が自然だろう。とはいえ、どちらかのモードにしないと「できない」という動きはない。使いやすいと感じたモードでプレイすればOKだ。
■第2回クローズドβテストで使用できる6種の武器種、それぞれの個性を楽しめる。好みに合わせた狩猟スタイルを選ぼう
今回のβ版時点で実装が確認できた武器種は、大剣・太刀・双剣・ランス・ヘビィボウガン・弓の6種類だ。今回確認できた6種類の武器種は、それぞれ異なる個性を持っている。
大剣なら重厚な一撃を叩き込む豪快な戦法、太刀ならば流れるような立ち回り、双剣なら手数の多さで畳みかけるなど、それぞれの武器種ごとに異なる立ち回りを楽しめた。
▲各武器の操作方法は訓練所で学べる。
プレイヤーは初期武器として太刀を装備しているが、その後武器種を変えられるようになったら好きな武器を選んで差し支えない。ただ、アクション操作が不慣れなうちはヘビィボウガンを選ぶと立ち回りに余裕が生まれやすいだろう。モンスターから一定の距離を保ちながら攻撃できるため、被弾のリスクを軽減しつつ狩猟の流れを掴むことができる。これから始める冒険者の方は参考にしてほしい。
▲武器ごとに装備デザインも大きく異なり、シリーズ経験者ならば「あのモンスターの素材か!」と反応してしまう造形が随所に散りばめられている。
武器や防具はモンスターから剥ぎ取った素材を消費して作成・更新していく、シリーズでも親しまれている装備システム。一式装備として揃えることもできるし、部位ごとにスキルや見た目を考慮してカスタムすることも可能だ。装備を調える過程に込められた、装備を整える達成感も味わえる。

▲装備にはスキルが付与されている。スキルの組み合わせを考えて装備を揃えるのも本作の楽しみ方のひとつ。
■広大なフィールドを自分のペースで探索していく楽しさ
本作の舞台は、森林・沼地・砂漠など、多様な環境が広がるフィールドを探索できる。フィールドは相当の広さを誇り、メインクエストを通じた解放に加えてプレイヤーが自ら歩き回ることで新たなエリアを開拓することも可能だ。

▲広大なフィールド。森林・沼地・砂漠と、エリアごとに生態系が異なり、探索の多様性を生み出している。
フィールド上には小型・大型のモンスターが生息しており、特に大型モンスターと邂逅したら狩るか狩られるかの狩猟がスタート。手にした武器を用いて狩猟を行っていくことになる。迫力ある狩猟体験が楽しめるのはもちろんのこと、筆者が注目したのは攻撃前に必ずモンスターが赤く光る演出だ。これは小さなスマートフォン画面でのプレイのうえでありがたい配慮と言えるだろう。アクションゲームを遊び慣れていないプレイヤーにとって、回避のタイミングを視覚的に把握できるこの仕様は、参入のハードルを下げるうえで大きな意味を持つ。
▲地図上には素材や大型モンスターの位置が表示されるため、効率的な探索動線を組み立てられるようになっている。
▲大型モンスターの狩猟時では、攻撃する部位を固定できる。攻撃する箇所を絞れるようにすることで、少しでもストレスフリーに狩猟できるようになっている。
広大さゆえに移動の煩わしさが懸念されるかもしれないが、そこも抜かりない。キャンプ地の設営場所にたどり着けばファストトラベルが可能となるほか、高所からの滑空が可能なグライダー、一定距離を高速で突き進めるジップライン、冒険者を遠くへ射出するカタパルトなど、フィールド移動を快適にする仕掛けが随所に配置されている。探索欲を刺激しながら、プレイヤーをスムーズに次の目的地へと誘導する設計の妙が光る。
▲ジップラインやカタパルトなど、フィールド移動を快適にするギミックを各所に設置できる。
狩猟も探索もできることが多く、どれをやろうか迷ってしまうほど。ただ、画面左側には現在の目的が常時表示され、探索型のクエストであれば目的地への案内も表示されている。情報量が多いながらも迷いを生じさせにくいこのUIの構成は、モバイルゲームとしての優しい間口の広さとして機能しており、シリーズ未経験者でも踏み込める環境が整えられていると感じられた。
▲画面左にはストーリーが描かれるメインクエスト以外にも、フィールドで多彩に発生するサブクエストも表示される。現在自分が行いたいことを選んで、クエストの達成を目指していこう。
■心強い味方“冒険者”と、本作ならではの育成要素
本作の特徴として目を引くのが、“冒険者”という存在だ。プレイヤーは自身が作成した主人公以外にも、“招集”によって冒険者を仲間にできる。プレイヤー自身を含む最大4人までのパーティで狩猟に臨むこととなる。

▲個性豊かな冒険者が多く登場する。固有の能力で選ぶもよし、見た目で選ぶのもよし。好きな冒険者を編成していこう。
▲冒険者は、切り替えてプレイヤー自身が操作することも可能。特有の必殺技を持っており、編成を考える楽しさがある。一部の冒険者はメインクエストを進行することで仲間となるのもありがたい。
▲訓練所では各冒険者の操作方法も教えてくれる。はじめて操作する冒険者はまず訓練所で動き方を学んでおくといい。
注目すべきは、各冒険者がそれぞれ独自のレベルと育成軸を持っている点だ。武器や防具の強化に加えて、冒険者単体のレベルアップや上限解放、さらには“技能”と呼ばれる固有能力の強化を重ねることで戦力の底上げができる。
装備を調えるだけでは突破できなかった手強いモンスターも、冒険者自体を鍛え上げることで局面が開けていく。また、冒険者ごとの育成要素により、継続して成長を楽しめる設計となっている。アクションスキルだけでなく育成による能力強化の比重を高めることで、プレイヤー層の裾野を広げる構造になっている点も特徴的だ。スマートフォンタイトルならではの育成の厚みを実感できる要素となっている。

▲冒険者ごとにレベルや技能が設定されており、育成の手応えが直接的に強さへ反映される設計となっている。
さらに各冒険者にはオトモを1体帯同させることができ、このオトモも育成対象として機能する。アイルーをはじめ、本作ならではのオトモも存在しており、編成の選択肢を豊かにしている。シリーズに慣れ親しんだプレイヤーにとっても、冒険者・オトモという育成要素は新鮮に感じられるかもしれない。しかし、強さの上昇を実感しやすい構造として受け入れてしまえば、これはこれで中毒性があるのも確かだ。




▲オトモは3種類。冒険者によって連れて行けるオトモの種類が異なる。
■オンラインで楽しむ共闘。仲間とともに大型モンスターへ挑もう
本作では、仲間とともに大型モンスターに挑む協力プレイも楽しめる。本作においても、オンラインを活用した複数人参加の狩猟コンテンツが用意されており、スマートフォンでも共闘の楽しさを味わえる。“狩猟”や“共闘”と呼ばれるモードでは、複数のプレイヤーが協力して大型モンスターを狩猟することができる。
▲狩猟はソロでも可能。素材収集にピッタリだ。
なかでも“巣穴の狩猟”はメインクエストで遭遇した大型モンスターのみが討伐対象として選択できる仕様となっているため、マルチプレイを楽しむためにもメインクエストを積極的に進めたいというモチベーションが自然と湧き上がる設計になっている。ソロプレイとマルチプレイが緩やかに連動し、プレイヤーをゲームの奥へと誘い込む構造は巧みだ。
▲大型モンスターとのマルチプレイ狩猟。複数プレイヤーで連携して狩猟を行う場面では、仲間と連携して戦う楽しさをスマートフォンでも感じられる。
スマートフォンならではの手軽さにより、空いた時間にも狩猟を楽しみやすいのは、本作が従来のシリーズとは異なる大きな強みだ。セッションの短時間化とマルチプレイの両立は、プレイサイクルへの組み込みやすさにもつながっており、日常的に遊びやすいプレイサイクルにもつながっていると感じた。
■持ち歩ける本格的な狩猟アクション体験として、新たな『モンハン』の形が、ここに誕生
プレイを通じて一貫して感じたのは、スマートフォンで狩猟を楽しめるよう、丁寧に調整された一作であるという印象だ。オープンワールドの規模感、操作モードの工夫、冒険者育成という独自の深み、そしてオンライン協力プレイの充実。いずれの要素も、スマートフォンタイトルとして真剣に設計された形跡がある。
スマートフォン向けかつ基本プレイ無料ということもあり、これまでシリーズに触れてこられなかったプレイヤーも、狩猟アクションを手軽に楽しめるきっかけとして、本作からの『モンハン』デビューを果たす絶好の機会となる。一方で、長年シリーズを遊んできたプレイヤーにとっても、親しみのある武器種や装備システムが刷新された形で新鮮に楽しめるはずだ。今後の情報は公式サイトおよび公式Xにて順次公開予定。正式リリースが楽しみだ。
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会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1696億400万円、営業利益657億7700万円、経常利益656億3500万円、最終利益484億5300万円(2025年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697
会社情報
- 会社名
- TiMi Studio Group(Tencentグループ)