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【連載】ゲーム業界 -活人研 KATSUNINKEN- 第二十八回「転職 〜中級編・自分の価値を知る〜」

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株式会社ファリアー 代表取締役 社長の馬場保仁氏が、ゲーム業界の人材・採用に関して語っていく連載記事「ゲーム業界 -活人研 KATSUNINKEN-」。同氏は、セガで家庭用ゲームの開発を、DeNAではスマホアプリ開発のプロデューサーを担うほか、人事・採用担当も兼任していた。ファリアー社を創業し、“人は人に活かされる”をモットーにゲーム開発、人材発掘・育成にこれまで以上に注力していく。開発現場・採用担当、双方の視点からゲーム業界における“人”に対してスポットをあてた連載記事。 

 


 

■第二十八回「転職 〜中級編・自分の価値を知る〜」




 
 
前回は、ゲームクリエイターが「案外知らない」「なんとなく怖いと思っている」「面倒くさそう」な転職の際のプロセスについてお話しました。実際問題、わたしも、
 
・ヘッドハンターからは、比較的頻繁に声がかかる
・エージェントからは、LinkedInなどで、やたらをconnect依頼がくる

 
というのが続いておりました。特に、いわゆる「ソーシャルゲーム」というジャンルが立ち上がってからはDeNAさんやGREEさんをはじめとする、IT系、SAP系の企業さんがコンシューマ系の企業に属するクリエイターを大量に欲したことによって激化したところがあると思います。現在も、5,6年前のガラケー全盛期の頃に比べると少し落ち着いてはいますが、スマートフォンアプリではサービスを念頭に置く必要は当然ありつつも、コンテンツ力がより高くないと市場での競争力をもてないという時代に突入しているため、以前にも増して、クリエイターのニーズは高まっています。
ですので、求人は、やはり今でも多く発生しています!
 
まずは、このことを念頭において今回のコラムをお読みください。決して氷河期ではないですし、新卒の学生さんが必死に門をたたいて業界に入るよりもはるかに、
 
・リスクがない
→なぜならば、転職活動は会社に所属しながらすることができる
・業界に関する知識がある
→学生時代は、大手パブリッシャーの一部の名前くらいは知っていますが、デベロッパーさんの業務内容や、そもそもゲーム会社の仕事の仕方なども、わかっていないことが多い
 
という観点からみても「有利に」「楽に」できるはずなんです。ただ、プロというのは職業を問わず基本、忙しいですし、「目の前のことをついつい見がち」というところがあります。なので、
 

・自分の会社が、業界の縮図・すべてだと思い込んでしまう
 →カルチャー、風土、ルール、福利厚生など、会社によって本当に異なります
 それこそ、
 
 ・フリーランチ!
 →昼ご飯は、全部無料、会社持ち! 若手にはありがたい制度!
 ・産休後の職場復帰支援
 →男性陣は、つい見落としがちですが、女性にとっては大事なことです
 ・部活動!!!
 →会社が部ごとに補助金をだして、社員間の交流をサポート!
 ・立ちミーティング
 →制度というほどじゃないですが、わたしDeNAにいって最初に驚いたことでした
 ・決済の上限額
 →これが高ければ、責任もつ気概次第で、かなりチャレンジできますからね
 などなど
 
自分のいる会社の制度、ルールがゲーム業界の一般的な常識である、と思い込んでいる人が多いのです。え?そんなルールあるの?うちとは大違いじゃん。。。とか、逆に、うちって素晴らしいんだな・・・ということもあります。恵まれすぎている環境を「当たり前のもの」として思っていることも逆にあるのです。
 

・忙しさにかまけてしまう
→これ、わたしもそうでした。皆さん、必死に頑張って働いておられますので、つい、目の前のことに流されてしまうんですよね。また、「今日あることは、明日もあり、来月もあり、来年も、3年後も同じようにあるように違いない」とやや希望的観測というか、帰納的思考に陥ってしまうところがあります。ゲームの業界は、本当に進歩、変化が激しい業界です。たしかに、大手はキャッシュがあるので、簡単には潰れないでしょう。と、思っていましたが、わたしはセガ時代に、2度神風が吹いて会社が、わたしたち社員が救われたタイミングに立ち会ったので、潰れないというのは、幻想でしかない、リアルにはありうるのだ、というのを実感しました。当時の故・大川功会長、現、セガサミーの里見治会長には、感謝してもし足りることはありません。

でも、そういった神風が吹くことは滅多にありません(だから、神風なのですが…笑)。セガが生き残れたのは、それこそ、「創造は生命」の社是にのっとったクリエイター魂とコンテンツに価値があるとおもっていただけたからだと思います。必要以上にセガを礼賛したいわけじゃないんですけどね(笑)。

ただ、この社是」「企業理念というものが、あるのか?ないのか?では、大きく異なるということです。それが社のカルチャーを構築し、どういう人材を欲し、大切にし、評価するのか? そして、企業の存在意義の1つである、社会貢献どういった形で社会に還元していくのか?というのも見えると思います。
 
さて、ここまでは、「転職」を考えすらしない人の「現状」をお話しました。
次に、今回のメインテーマ、自分の価値を知るです。
 
わたしは、自分が最初に、セガから転職した際、感じたことがありました。
 
「ああ、これって、なんか、プロ野球選手のFA宣言に似てるな」
 
と。今年も、オリックスの糸井選手や、西武の岸選手がスポーツ紙上で話題になっていますが、皆さん、
 
「他からの評価も聞いてみたい」
 
という言葉を良く発せられます。この気持ち、これ、10年以上新卒で入っていまの会社で働いている皆さん、そうは思いませんか? いえ、正確には、わたしも、
 
「思わなくもないが、サラリーマンの俺には、無縁の世界だな」
 
と思っていました。ですが、いざ転職活動を始めることを決意すると、ほぼほぼ近い状態なんだなということに気づきました。なので、変な話ですが、
 
・どこか俺を欲してくれるのかな?というワクワク
・活動してみても、どこも手を挙げてくれないかもしれないドキドキ

 
というのが始めた当初ありました。FAやポスティングで宣言こそすれ、手が上がらない。。。ということもままありますからね。ただ、プロ野球選手に比べると、我々サラリーマン、いや、ゲームクリエイターはリスクがないんですよね。なぜならば、
 
転職活動は、会社に所属しながらできる
 →つまり、どこからも手があがらなくても、前と同じ条件で現職で働ける


 
からです。しかもそのために、いるのが、エージェントの存在です。もちろん、エージェントによっては、同じ会社からばかり、引きまくる人もいて、クライアントや候補者に迷惑をかける人もいます。そういった人は、
 
・断っても就業時間中に何度も、オフィスに電話をしてくる
・オフィスに、何度も、封書で手紙を送ってくる

 
といった、現職の人たちの目につくところで「複数回」アクションをとってきます。
もちろん、仕事熱心なのだと思いますが、候補者、特に、10年以上1社に勤めて、まだ転職までは思ってないけど選択肢の範囲に、ないわけではないかなーと思ってるくらいの方は、かなり、臆病になりますし、慎重にもなります。そこに土足で踏み込んでいる「ように感じられる」ことをしてしまってはいけないと思います。わたしは、エージェントさんたちに説教したいわけではありません(笑)。
ただ、候補者側のクリエイターの皆さんがエージェントさんを見分ける際の1つのポイントに使うと、ストレス少なく活動できるのではないかと思います。

 

●エージェントの見分け方

 
これ、正解はありません。
もし、あるとするならば2つだと思います。
 
1、候補者である自分と、うまがある人
→やはり、人間同士なので、相性というものはあります。
プロである以上は、エージェントの皆さんも100%の力を発揮されて頑張られていると思います。が、101%以上の力を発揮できるのは、やはり、「その人のことが好きだから」といったような、人間の根幹ある感情が大きいと思います。なので、相性がいい方と出会えるか?は1つの大きなポイントです。
 
2、親身になってくれる人
→具体的にどういうことかというと、単純に、依頼してからの接触回数や情報交換の回数が多い、濃い人のことをさします。ここも、1に依存するところも少しはありますが、基本この2はできて100%だとわたしは思います。その候補者の人生を考えて、単に給料高ければそこに押し込む(そのほうがエージェントの手数料は増えるので、売上重視だとそういう会社もなくはないです。でも、入社後早期に退職されたらペナルティもあるので、無理やり押し込みにいくエージェントは減っていると思います)とかでないエージェントであることが大切です。
また、ゲームクリエイターの紹介エージェントであれば、
 
 ・ゲームが好きである
 → 最近もプレイしている
 ・ゲームクリエイターが好きである
 → クリエイターが比較的内向的でシャイなことも理解している
 ・ゲーム企業の特性を知っている
 → 企業ごとの強み弱みはもちろん、コンシューマ、スマホの違いなども
 ・その会社の未来について独自の観点でモノが言える
 → 転職は「いま」でなく少なくとも「5年後」のイメージ必要ですから

 など
 
 の項目にはチェックが入る人であってほしいと思います。ですが、わたしの経験上、あまり全部にチェックの入る人で且つ、親身になってくれる人という方には、あまり出会ったことがありません。親身になってくれる人は、かなりいます。が、ゲームをつくったことがないので、クリエイターの志向性や、企業特性を把握しているエージェントさんはほぼほぼいないといってもいいでしょう。ただ、勉強熱心な方は書籍や候補者さんからの聞き取りでどんどん知識は増えていくので、1回お会いしただけで決め付けるのは、早計かもしれません(笑)。
 
また、繰り返しますがエージェントも人間なので、「会社」ではないことも前回お話いたしました。大手であれば、必ずしも、上記の項目をすべて満たすわけではありません。あくまでも、個人個人なのです。なので、エージェントからの連絡があったら、
 
就業10年超えたら、まずは1回話を聞いてみよう!
 
くらいのスタンスがいいと思います。日本のプロ野球はまだありませんが、メジャーリーグではFA権を取得する年数になったら、必ずFA宣言しなくてはいけません。それが、「選手会」の勝ち取った権利に対する選手たちの責任だからです。ただ、そのおかげで、人材の流動化は活発になり、能力高い人たちはより正当な(もしくはそれ以上の笑)サラリーを受け取ることができるようになり、一般的な層の人たちも、現在の自分の価値を知ることができますし、環境を比較的容易に変えやすいのです。

忙しい、面倒なことやりたくないのは、ゲームクリエイターも野球選手も同じことです。なので、エージェントが活躍をするわけです。ともすれば、報道では、エージェントが暗躍してサラリーがやたら高騰している!みたいな話ばかりが話題になりがちです。でも、逆に選手たちの立場から考えれば、数字に強く、経営観点もあり、ビジネスや論理でガンガンと契約更改時に迫られるよりも、間に入ったり、極論自分はその場いかなくても、交渉や自分の権利を勝ち取ってくれるエージェントは心強い味方のはずです。
 
ただ、1つだけ違うのは、我々、サラリーマンゲームクリエイター(まあ、わたしは独立しちゃいましたが)は、会社に守られている、ということです。そして、少なくとも入社時に試験こそあれ、ドラフトほどの難関は突破しておりません。なので、戦力でなかった
ヒヨコの時代から、ポテンシャルを信じて採用してくれ、育成し、いまにいたらせてくれている。そしてその間も毎月給料を払ってくれた組織でもあるのです。自分たちには権利がある!というのは、間違いないとは思います。
 
「やりたい仕事に就く権利がある~♫ もちろんだ!」
 
というフランス革命時を題材にしたミュージカルの歌詞にもありますが、それ以前に、サラリーマンであることで守られていることもたくさんあるのです。なので、わたしは、いたづらに転職を促すわけではありません。

 

●最後に「転職の検討を開始するのはどんな時か?」

 
転職の検討を始めるきっかけ、というのは些細なことが多いと思います。
 
・大学の同期と久々に飲んだら、すごく生き生きしていたとき
・会社の同期がポロっともらした自分とのサラリーの違いがあったとき
・なにげない上長の一言に傷ついたとき
・賞与、昇給の時期に、給料あまりかわらず、30歳、40歳の節目にいくらになりそうか、
 見えてしまったとき
・仕事に慣れて、同じことを繰り返している自分に気づいたとき
・ふと風邪をひいて、家で寝ているとき

など
 
ですね。どれもその人の人生なので、きっかけも様々だと思います。
ただ、その時にアドバイスしたいのは、3つだけです。
 
①少しでも、考えたら、いったん、どこかの会社の採用情報を見てみる、もしくは、
 エージェントに登録して話をきいてみよう!

  →これは、今回のテーマの「自分の価値を知る」という行為ですね。
 転職活動、つまりは、相手の会社の人と会うまでいくと後ろめたくなる方もいると思います。が、
 
 ・たかだか情報を入手しただけ
 ・相手先とは会わないで、エージェントからのみ情報を得る
 
 であれば、気楽だと思うのです。また自身から、エージェントに登録すれば、
 
 ・職場にメールも電話も手紙も、そのエージェントからはこない(笑)
 ・本腰いれて活動したいときに相談できる相手がいる
 ・費用は、かからない(無料です)
 
 だということです。海のものとも山のものともわからない相手は、会って、切ればいいのです。もしくは、「他のエージェントに既に登録して相談してます、すみません」と断ればいいのです。後ろめたくなく、情報は入手できる、且つ、うざい勧誘は断る理由も明確になる、いざとなったら相談できる先もできる! メリットしかないと思います。まあ、強いて言うならば、暇な時にやりたいですけどね(笑)。
 

②本当にこの会社でやれることは残ってないか?を考える
 →本腰をいれて活動を開始する際、もしくは、どこかの会社の人とあって、内定がでたとき、それを受諾するかどうか?の時に、最後に、
 
 俺って、わたしって、現職の会社で、もうやれることないとこまでやりきったかな?
 
と一度冷静に考えてみることが大事です。それすら、エージェントに聞いてもらいながら相談するのもかまわないと思います。自分だけだとついつい客観的に考えられないことが多いからです。もちろん、100%すべてやりきっての人は少ないと思います。あくまでも今の立場で、とかになります。
 

③家族としっかり相談しないといけない
 →内定でてから、はじめて、ご家族に報告される方がいます。奥様から、旦那様からしたら、寝耳に水のことです。「あなたの人生を信じて捧げます!」というのは簡単には言えませんし、ご家族にも仕事や、周囲の方との関係値もあります。ですので、できれば、活動を始める際、もしくは、最終面接の前くらいには、相談することをおすすめします。

実例として、内定でたのに、ご家族の猛反対があったために、現職にとどまり、その後、その会社が大リストラをして結局それに巻き込まれて以前より悪い条件で以前内定の出た会社とは別の会社になんとか再就職された、というのもありますので。
 
 
最後に、転職や採用は、どこまでいっても運とタイミングとご縁があります。
相性のよいエージェントや、面接官、人事採用担当者との出会いは、まさに運でしかありません。ですが、そこをたぐり寄せるのは自分の意思ですし、覚悟です。

現状に不満をもって、ストレスためて、体を壊すくらいなら、情報収集から動き出す、自身の価値を知る、は自分の身を守るため、会社が守ってくれない部分のガードは自分でしていくしかない、ということを締めの言葉にしたいと思います。
 
今回は、以上で!
 
 


■著者 : 馬場保仁
株式会社ファリアー 代表取締役社長。過去、セガ(当時 セガ・エンタープライゼス)で『プロ野球チームをつくろう!』『Jリーグプロサッカークラブをつくろう!』など多数のゲーム開発に従事。その後DeNAにてスマホアプリ開発のプロデューサーを担うほか、人事・採用担当も兼任。現在は、ファリアー社を創業し、“人は人に活かされる”をモットーにゲーム開発、人材発掘・育成にこれまで以上に尽力している。著書に「ゲームの教科書」(ちくまプリマー新書)がある。
 
 
 
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■ゲーム業界 -活人研 KATSUNINKEN- バックナンバー

第二十七回「転職〜入門編〜」

第二十六回「リーダーシップとは」

第二十五回「思考のスタミナ」

第二十四回「出て行く勇気」

第二十三回「個人でつくる・集団でつくる」

第二十二回「指摘される勇気、指摘する気遣い」

第二十一回「どこを見るか? どう採るか?」

第二十回「100%の力を発揮するために……」

第十九回「まずは、”伝える”ことから始めよう!」

第十八回「カード少なく勝負に挑まない」

第二回「学校トーク!!」…三者鼎談【後編】(第十七回)

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第十六回「新人事始」

第十五回「就職活動にみられる地方格差」

第十四回「【思いやり】の向こう側

第十三回「仕事選び 〜成長・夢・時間〜

第十二回「本当にそれは、ゲームに必要か?」

第十一回「ハッカソンの功罪」

第十回「会社選びと成長(プロ、アマ問わず)」

「学校トーク!」 東京工芸大学 『パックマン』生みの親 岩谷徹氏に訊く【後編】(第九回)

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第七回「学生さんにやっていただきたいこと~前編~」

第六回「学生さんにやっていただきたいこと~前編~」

「社長トーク!」第1弾 コロプラ 馬場功淳 社長【後編】(第五回)

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第三回「若手のチャンスとキャリアパス」

第二回「企業×学校×学生」

第一回「ゲーム業界って本当に人手不足なの?」
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