
ネクソン<3659>は、8月17日、東京都内で「株式会社ネクソン モバイル事業説明会 NEXON MobileMedia day in Summer 2017」を開催した。モバイル事業本部本部長の金起漢氏(写真)が登壇し、ネクソンのモバイルゲーム事業のこれまでの展開を振り返りつつ、今後の展開について語った。今回はその事業説明会の模様をレポートする。
まず、国内のネイティブゲーム市場の分析からスタートした。国内のモバイルゲーム市場は、当初はパズドラやモンストなどカジュアル層に向けたゲームが成功し、その後やりこみ要素やゲーム性の高いゲームが多く生まれたことで、より競争が激しくなり、開発費やマーケティング費が高騰した。これが2015年にかけてで、すなわち市場が成熟し、成功確率が下がってきたとも言えるが、一方で昨年の下期からオリジナリティの高いタイトルや海外タイトルの参入が増加したことでさらに市場が成長してきたと指摘した。現在は新しいゲームが参入することで日本のユーザーに新しいニーズが生まれている段階にあると見ているという。

次に、ネクソンのモバイル事業本部の変遷を振り返った。モバイル事業本部を設立したのは2015年8月だった。市場の拡大からみれば、少し立ち上げが遅れていると言わざるをえないものの、全くのゼロからの立ち上げではなかったと明かした。ネクソンのPCオンラインゲームの運用で実績のあるメンバーや、gloopsでモバイル事業の経験のあるメンバーが参加することで、パブリッシングに必要な基盤を最初から整えて事業を開始することができた。当初は約35人だったメンバーも現在は約70名規模にまで拡大した。

それでは、これまでリリースしたタイトルはどういった状況だったのか。この2年間で合計18タイトルのモバイルゲームをリリースしたが、手がけたテイストやジャンルは多種多様だったこともあって多くのユーザーを獲得することに成功した。同社によると、累計登録ユーザー数は16倍強、モバイルの売上は約8倍になり、月別平均DAU(日次アクティブユーザー数)も大きく伸長した。




具体的なタイトルとして、『ドミネーションズ』、『HIDE AND FIRE』、『HIT』、そして先日リリースされた『StraStella』を紹介した。





最後に今後の展望や予定しているタイトルを紹介した。2年間で多くのタイトルをリリースして、「クオリティの高いゲーム」、「しっかりしたローカライズやカルチャライズ」が必要だと実感した。今後も継続して、1つ1つのタイトルをしっかり準備して、ローカライズやカルチャライズに注力し、日本のユーザーに新しい遊び方を提供していけたらということだった。

今後のリリース予定タイトルとして、『三国志曹操伝ONLINE』を2017年夏にリリースする。他にも、すでにグローバルで発表・リリースされているタイトルについても、現時点では日本配信は未定となっているが今後日本でのリリースができるように注力しているという。発表会後には一部のタイトルは開発版を試遊することもできた。

金氏は、当初からモバイル事業本部は“世界レベルの楽しさを日本モバイル市場へ“をミッションに取り組みを行ってきた。今後もより一層、世界レベルの多くのタイトルを日本のユーザーのみなさまに楽しんでいただきたい、という力強い言葉とともに説明会を締めくくった。

(取材・執筆:森山晃義、編集:木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社ネクソン
- 設立
- 2002年12月
- 代表者
- 代表取締役社長 イ・ジョンホン(李 政憲)/代表取締役CFO 植村 士朗
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上収益4462億1100万円、営業利益1241億7600万円、税引前利益1959億8700万円、最終利益1348億4800万円(2024年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3659