ゲーム株概況　「ドラクエシリーズをスマホ展開」でスクエニが上昇、関連のサイバーエージェントも連れ高

10月8日の東京株式市場では、スクウェア・エニックス・ホールディングス（スクエ二）<9684>株が買われ、前の日の終値に比べて47円（3.1％）高い1577円で取引を終えた。13時30分ごろに「スクエ二が国民的ロールプレイングゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズのスマートフォン展開と、スマホ・タブレット向け完全新作タイトル『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』の提供を決めた」（関連記事）と伝わると、収益貢献への思惑から買いが入った。Cygamesがスマホ向けのドラクエモンスターズ新作の開発を手がけることが判明し、親会社のサイバーエージェント<4751>株も上げた。

スクエ二は8日午後、ドラクエシリーズの1から8までをスマートフォンで展開する方針と、「ドラクエモンスターズ スーパーライト」の提供決定を発表した。スクエ二株は前日終値よりも安い水準で推移していたが、発表後は取引終了にかけて上げ幅を広げる展開となった。スクエニは9月30日、ＮＴＴドコモ<9437>と連名で、「『ｄゲーム』に『ドラクエⅩ』を配信」「ドラクエとコラボレーションしたスマホ開発」などの連携強化を発表しており、スクエ二がスマホに注力する姿が見えてくる。

サイバーエージェント株も、スクエニ株を追いかけるように上げた。前日比で62円（2.4％）高い2651円で取引を終えた。リリース内で「ドラクエモンスターズ スーパーライト」について「Developed by Cygames, Inc.」と記載されていたことが買い材料視されたようだ。スクエ二宣伝部はソーシャルゲームインフォの取材に対し、サイバーエージェント傘下のCygamesが開発に関わっていることを認めた。

スマホ向けに展開するドラクエシリーズと新作「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」の価格はいずれも「未定」。株式市場からは「（アイテム課金ではなく）月額課金や売り切りモデルであれば、収益には大きく貢献しない」（エース経済研究所の安田秀樹アナリスト）との声があった。きょうのスクエニ株とサイバーエージェント株の上昇は期待先行で、どのような料金体系になるかが今後注目だ。

コロプラ<3668>は引き続き市場の関心が高く、8日の売買代金が671億円と、東証上場銘柄のうち3番目の多さだった。1位はソフトバンク<9984>、2位は東京電力<9501>。コロプラの株価は前日比175円（6.4％）高い2930円だった。

 

以下は、8日の主なゲーム企業の株価と騰落率（単位は円）。

銘柄名	現在値	前日比	前日比率
コロプラ	2,930	175	6.35%
スクウェア・エニックスＨＤ	1,577	47	3.07%
サイバーエージェント	2,658	69	2.67%
アクセルマーク	816	21	2.64%
マーベラスＡＱＬ	499	11	2.25%
エイチーム	2,555	54	2.16%
グリー	697	12	1.75%
日本ファルコム	1,050	18	1.74%
ディー・エヌ・エー	1,913	30	1.59%
クルーズ	3,405	50	1.49%
ガーラ	151	2	1.34%
ドリコム	105,800	1,200	1.15%
コーエーテクモＨＤ	1,003	9	0.91%
カプコン	1,878	13	0.70%
任天堂	10,870	70	0.65%
セガサミーホールディングス	2,635	-4	-0.15%
ＫＬａｂ	857	-4	-0.46%
コナミ	2,155	-12	-0.55%
アエリア	933	-6	-0.64%
オルトプラス	4,230	-30	-0.70%
バンダイナムコＨＤ	1,825	-14	-0.76%
ネクソン	1,181	-13	-1.09%
ケイブ	97,700	-1,300	-1.31%
ガンホー・オンライン	68,400	-1,000	-1.44%
ボルテージ	971	-19	-1.92%
ｅｎｉｓｈ	2,845	-77	-2.64%
モブキャスト	1,780	-151	-7.82%