■はじめに
3月となり、気が付けばあっという間に1月と2月が終わったと感じる方も多いのではないだろうか。振り返ると2014年のこの2か月間にGooglePlayのマーケットは動きがあった。今週は2013年12月と2014年の1月と2月のGooglePlay売上ランキングの推移から、目立った動きをまとめたいと思う。
■絶対王者『パズル&ドラゴンズ』が73週連続首位!
2013年12月、2014年1月、2014年2月と引き続き『パズル&ドラゴンズ』がGooglePlayのゲーム売上ランキングの首位を守り、73週連続の首位となった。2013年の12月12日に発売されたニンテンドー3DS専用ソフト『パズドラZ』が12月20日に累計 100万本突破を超えるなどその勢いは止まらない。
またアプリの国内ダウンロード数を見ても2,500万ダウンロードを突破しているが、この数値は「リセットマラソン(リセマラ)」による重複ダウンロード数は、累計ダウンロード数には含まれていない (参照)。コロプラの『魔法使いと黒猫のウィズ』も2,000万ダウンロードが発表されているが、これは重複を含む数値となっている(参照)。先日の「パズドラ2周年記念 超絶発表会」では「じつは重複入れると日本の人口を超えますね」とガンホー森下氏の発言もあり (参照)、まだまだ他アプリと比べても突出している。
パズドラの新要素追加やリアルイベント、人気IPとのコラボなど積極的な施策も続いており、今年もアプリ市場の中心になりそうだ。
■新規タイトルが売上上位へ!勢いを取り戻したLINE
一時期は新作タイトルを売上ランキング上位タイトルとすることができず、勢いを落としていたと思われたLINEだが、2014年の1月29日に配信開始され『LINE:ディズニーツムツム』が今や売上TOP10圏内を定位置とする大ヒットタイトルとなった。また『LINE DOZER コイン落としゲーム』、『LINEクッキーラン』などのスマッシュヒットも出ており、新作タイトルのマネタイズに勢いを取り戻した。
「LINE」のゲームが勢いを取り戻した理由として、LINE内の送客の強化が考えられるだろう。昨年の12月30日の記事でも触れたが(参照)、フリーコインを見ても以前は掲載される案件はない時間も多かったが、今ではLINEのゲームを掲載していることが多くなった印象を受ける。このような集客の部分の影響も大きいと考えられる。
また新規タイトル好調の一方で、『LINE ポコパン』はTOP3圏内を維持しているが『LINE POP』、『LINEバブル』などの既存タイトルは売上ランキングの下降傾向が見られる。『LINE:ディズニーツムツム』に続く新規ヒットタイトルを出すことができるか注目となる。
上記はLINEアプリのGooglePlayゲーム売上ランキングの日別推移のグラフになる。『ディズニーツムツム』と『クッキーラン』が急上昇しているの対して、『ポコパン』を除く既存タイトルのランキングを徐々に下げていることがわかる。
■強力IP「ドラクエ」、スマホ市場へ本格的な参入開始
2014年1月23日にスクウェア・エニックスよりリリースされた『ドラゴンクエストモンスターズ』シリーズ初のスマートフォン・タブレット向け完全新作タイトル『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』がリリースされた。リリース直後から爆発的なインストール数の伸びを見せ、売上ランキングも1月30日にTOP10圏内に入ると、一時ガチャに関する問題も起こったが常にTOP10を維持する大ヒットタイトルとなっている。
2013年後半からバンダイナムコゲームス、セガ、スクウェア・エニックスなど家庭用ゲームソフト系パブリッシャーの伸長が見られるが、IPタイトルの大ヒットの事例となったことで、IPタイトルの進出は加速するだろう。家庭用ゲームソフト系パブリッシャーのスマホゲーム市場での存在感はますます大きなものになりそうだ。
■まとめ
『パズル&ドラゴンズ』や『魔法使いと黒猫のウィズ』などもまだまだ上位TOP3を堅持してが、2014年1月下旬にリリースされたタイトル『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』と『LINE:ディズニーツムツム』が2月には売上ランキングTOP10を維持するビッグタイトルとなるなど、この2か月の間に上位を脅かすタイトルが生まれ、ランキングに大きな動きが起こっていることがわかる。
AppStoreにおいては様々なアプリが2位を奪いあうなどGooglePlay以上に大きな動きが見られるが、AppStoreと比べて対象期間が長く売上ランキングへの反映に時間があるGoogle Playに、今後さらにその動きが波及するのか注目となるだろう。
また1月2月には『モンスターストライク』や『サウザンドメモリーズ』など事前予約の施策を上手く活用して上位にランクインしているアプリがあったことも忘れてはならないだろう。この点に関しては後編として来週の記事で触れていきたい。
■執筆者紹介
森山 晃義
国内初のネイティブソーシャルゲームに特化した集客スタジオ、株式会社AppBroadCast 事業戦略室 室長。モバイル広告の黎明期からモバイル広告業務に携わる。プラットフォーム系SAPのプロモーションマネージャーを経て、ネイティブアプリのデベロッパーではGoogleトップデベロッパーの認定に尽力。2013年8月より現職にてゲーム集客戦略の支援を手掛ける。
市場の拡大ととともにアプリのリリース数が増加したことで、今回の事前予約のようなリリース前からの集客施策だけでなく、サービス開始後のプロモーションも含めたプロモーション戦略を考えることもアプリが成功する重要な要素となっています。記事の内容に関するご意見・ご質問あるいは、集客プランに関するご相談がございましたら、こちらからご気軽にお問い合わせください。