【TGS2015】『グランブルーファンタジー』コンポーザー、植松伸夫氏と成田勤氏が登場 楽曲にまつわるここまでの道のりを語った

Cygamesは、東京ゲームショウ 2015にて『グランブルーファンタジー』のコンポーザーセッションを実施した。登壇したのは同作のプロデューサー・春田康一氏とディレクター・福原哲也氏。そして多数の楽曲を制作しているコンポーザーの植松伸夫氏と成田勤氏だ。
 

▲左から春田康一氏、福原哲也氏
 

▲左から成田勤氏、植松伸夫氏

植松氏は開口一番、大掛かりなCygamesブースに驚いている様子で、春田氏と「お金かかったでしょ?」と、いきなり突っ込んだ内容の質問。これには福原氏もタジタジの様子で、会場の笑いを誘っていた。また成田氏は、プライベートでも『グランブルーファンタジー』をやり込んでいるそうで、ランクは120~140に達しているとか。
 
そんな2人が中心となって『グランブルーファンタジー』の楽曲を制作しているが、植松氏いわく、そのきっかけとなったのは、キャラクターデザインを務めている皆葉英夫氏から直接依頼を受けたことだという。その時「アイリッシュっぽい楽曲がほしい」と言われ、アイリッシュとファンタジーRPGの相性の良さを知っている植松氏は、すぐに「やらせてください」と返答したとのこと。

成田氏はボーカルものを作曲する機会が多いが、元々はインスト系の仕事が多かったという。そのため苦労しつつも「新鮮で楽しい」と、『グランブルーファンタジー』における楽曲制作の心境を明かしていた。

ちなみに、成田氏のボーカルものというと、英語とも違う歌詞を聞くことができるが、これは成田氏自身が考えた造語だという。なんでも、「特定の国籍を連想してしまわないように」という配慮のもとに考えた案であるとのこと。成田氏の努力もあって『グランブルーファンタジー』の世界観形成に一役買っているが、その反面、ボーカルには歌詞をカタカナ語に直して覚えてもらうなど、ならではの苦労もあるようだ。
 
このような話からも、成田氏が楽曲に対して抱いている強いこだわりが感じ取れるが、一方の植松氏はというと、楽曲制作時の決まり事は特にないという。その中で、敢えて挙げるとすれば「早朝に作ること」であると植松氏はコメント。目が冴えてから作ると悩みができてしまうため、寝ぼけ眼のうちに作り上げることがポイントだとか。これを聞いた成田氏は「僕は深夜に『グランブルーファンタジー』のログインボーナスをチェックしてから仕事に入ります」と、ヘビープレイヤーらしいエピソードを振りまいていた。
 
また、楽曲の構想を練るときは、ゲームのイラストはもちろんのことテキストも非常に重要とのこと。シナリオや、キャラクターのセリフだけでもイマジネーションは膨らんでいくと植松氏は語っていた。「今後作ってみたい楽曲は?」という質問に対して植松氏は「打楽器だけでバトルBGMを作ってみたい」と回答。成田氏も「打楽器中心の楽曲はワクワクする」と、植松氏と同じ考えを持っているようだ。この話について春田氏は「早速今から企画してみます!」とノリノリの様子。今後追加される新曲にも期待したいところだ。
 
 
そのほかステージ上では植松氏から、コンサートにかける思いも語られた。東京ゲームショウ 2015の最終日には、『グランブルーファンタジー』初のコンサートが開催されるが、同氏はこれとは別に、しっかりとしたコンサートをやってみたいという気持ちがあるようだ。これには春田氏も「すぐにでも企画が始まりますよ」と、またも迅速に対応する構えを見せる。そのほかにも楽譜を発売したいなど、音楽にまつわる今後の野望が次々と飛び出すセッションとなった。
 
【Cygames ブース】



■『グランブルーファンタジー』
 


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