カプコン、23年3月期決算は売上・利益とも過去最高 『MHサンブレイク』545万本、『バイオRE:4』375万本、リピート販売2930万本と過去最高の4170万本を達成

カプコン<9697>は、5月10日、2023年3月期の連結決算を発表し、売上高1259億3000万円(前の期比14.4%増)、営業利益508億1200万円(同18.4%増)、経常利益513億6900万円(同15.9%増)、最終利益367億3700万円(同12.9%増)だった。売上高は過去最高、全ての利益項目で6期連続の最高益を達成した。

・売上高:1259億3000万円(同14.4%増)
・営業利益:508億1200万円(同18.4%増)
・経常利益:513億6900万円(同15.9%増)
・最終利益:367億3700万円(同12.9%増)

 

 

主力シリーズの大型タイトルの投入や、デジタル販売を通じたリピートタイトルの積極的な販売推進により、グローバルに販売本数の増加を図ったことで、販売本数は4170万本と前期3260万本を上回った。さらに、これらの主力コンテンツと映像作品やライセンス商品、eスポーツとの連携を強化し、IPの持つブランド力のさらなる向上を図った。

また、アミューズメント施設事業における効率的な店舗運営や新業態店舗の推進、アミューズメント機器事業における同社人気IP活用等による販売拡大などの施策が、収益の向上に貢献した。

グメントごとの経営成績は、次のとおり。

 

① デジタルコンテンツ事業

・売上高:981億5800万円(同12.1%増)
・営業利益:535億0400万円(同18.0%増)

昨年6月に発売した『モンスターハンターライズ:サンブレイク』(Nintendo Switch、パソコン用)が、より軽快に進化したアクション等によりグローバルに高い評価を得るとともに、無料タイトルアップデート等の継続した施策により安定した人気を集めた。その結果、545万本を販売し業績に大きく貢献した。

また、今年3月に発売した『バイオハザード RE:4』(プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、パソコン用)も、原作ストーリーの再構成や最新のグラフィック技術により、引き続きグローバルに好評を博した。この結果、375万本を販売し収益向上に大きく寄与した。

さらに、リピートタイトルにおいては、積極的なプロモーションによるIPの認知拡大と新たなファン層の獲得に加え、新作の継続的な投入および価格施策との相乗効果等により、『モンスターハンターライズ』や『モンスターハンター:ワールド』、『デビル メイ クライ 5』、『バイオハザード ヴィレッジ』など、シリーズタイトルを中心として販売が拡大した。その結果、リピートタイトルの販売本数が2930万本と前期2400万本を上回り、収益を押し上げた。

 

② アミューズメント施設事業

・売上高:156億0900万円(同25.8%増)
・営業利益:12億2700万円(同88.0%増)

新型コロナウイルス感染症のまん延防止等重点措置が、昨年3月に全面解除したことによる来店客数の回復に加え、既存店の効率的な店舗運営や新業態での出店効果などにより収益拡大を図り、前期比で増収増益となった。

10月にクレイジーバネットをはじめとした総合アミューズメント施設の「MIRAINO イオンモール土岐店」(岐阜県)を出店したほか、11月に同社人気キャラクターグッズの物販店にカフェを併設した「カプコンストア&カフェ ウメダ」や今年3月に「MIRAINO イオンモール豊川店」(愛知県)などをオープンした。施設数は、スクラップ・アンド・ビルドによる施設展開と地域密着型の店舗戦略に努めたことにより、合計5店舗を出店するとともに2店舗を閉鎖し、45店舗となった。

 

③ アミューズメント機器事業

・売上高:78億0100万円(同35.7%増)
・営業利益:34億3300万円(同46.2%増)

市場に一部好転の兆しが見え始めた環境下、昨年8月発売の『新鬼武者2』の販売台数が1万5000台となったほか、9月発売の『バイオハザードRE:2』も同1万5000台、今年1月発売の『モンスターハンターワールド:アイスボーン』が同1万2000台となり、各機種が収益に大きく貢献するとともに、市場から高評価を獲得し好調に稼働した。その結果、当期5機種の販売台数は4万4000台となった。

 

④ その他事業

・売上高:43億6000万円(同0.1%減)
・営業利益:14億3300万円(同5.5%減)

映像ビジネスにおいて同社タイトルのブランド価値向上に向け、引き続き主力IPを活用した映像化を推進するため、米国に映像子会社を設立するとともに、「ストリートファイター」の実写映画化等の契約を締結したほか、ライセンスビジネスでは新規タイトルや人気タイトルのキャラクターグッズ展開などに注力した。

他方、eスポーツビジネスにおいては、eスポーツ等への先行投資なグローバル規模でのユーザー層の裾野拡大に向けた施策を推し進め、世界各地で開催するオンライン大会「CAPCOM Pro Tour2022」や同大会の新カテゴリー「ワールドウォリアー」を実施したほか、「ストリートファイターリーグ: Pro-JP2022」、「CAPCOM CUP IX」および「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ2022」を開催するなど、各大会の振興を図るとともに、今年6月発売予定の『ストリートファイター6』のプロモーション展開を推進した。eスポーツ等への先行投資が響いた。

 

■2024年3月期の業績見通し

2024年3月期の業績は、売上高1400億円(前期比11.2%増)、営業利益560億円(同10.2%増)、経常利益560億円(同9.0%増)、最終利益400億円(同8.9%増)、EPS191.28円を見込む。

・売上高:1400億円(同11.2%増)
・営業利益:560億円(同10.2%増)
・経常利益:560億円(同9.0%増)
・最終利益:400億円(同8.9%増)
・EPS:191.28円

株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
決算期
3月
直近業績
売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
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