Roblox(ロブロックス)は、日本の開発者がより制作を容易にする2つの新機能を発表した。1つ目の機能として、バーチャル空間中のコンテンツ翻訳を行う新しい無料の自動翻訳ツールの提供を開始した。このツールにより、クリエーターは日本語で没入型バーチャル空間を制作・公開するだけで、その日本語で制作したコンテンツが、ロブロックスが現在サポートする他の15言語に自動的に翻訳されるようになる。1日あたりのアクティブユーザー数(DAU)が7100万人を超えるグローバルコミュニティであるロブロックスにおいて、この自動翻訳ツールにより、日本語で制作したバーチャル空間を提供可能なユーザー数を世界中で拡大することができる。
2つ目の機能として、マーケットプレイスにおいて、3Dアバターアイテムを公開する機能を使用可能なユーザーの対象を拡大する。マーケットプレイスとは、ロブロックス・プラットフォーム上でユーザーが作成した服やアクセサリーなどを探したり、購入したりできる場所。クリエーターはRoblox Studio(ロブロックス・スタジオ)の無料ツールキットを使ってこれらのアイテムを制作することができる。
ロブロックスではこれまで、マーケットプレイスでアイテムを公開できるクリエーターは、UGC(ユーザー生成コンテンツ)プログラムのメンバーに限られていた。ロブロックスの年次イベントである2023年のRoblox開発者会議(RDC)で、同社は、ユーザーがアバターをカスタマイズするために購入できるアバターや服、その他のお気に入りのアイテムの選択肢を増やすために、コンテンツ制作が可能なクリエーターの対象者を増やす意向を発表した。
ロブロックスは、ロブロックス上で3Dアイテムを公開するための資格取得の方法を、これまでの申請制から、透明性のある資格要件に変更した。これにより、今後は本人確認書類の認証を受け、プラットフォーム内通貨のRobux(ロバックス)プレミアム1000か2200を定期購入中であり、コミュニティ基準とマーケットプレイスポリシーに一貫して従っているという要件をすべて満たしているクリエーターは、制作したコンテンツをマーケットプレイスでアップロード、公開、販売できるようになる。
これらの新しい資格要件により、より多くのクリエーターがマーケットプレイスでアイテムを公開できるようになることから、クリエーターは新たな収入源を得ることができ、ユーザーは購入できるアイテムの選択肢が増えることになる。また同時に、ロブロックスは、ユーザーに確実にマーケットプレイスポリシーを遵守してもらうことができ、違反者がロブロックスからの改善指示を回避することを防止できる。
ロブロックスは、人々に愛されるコンテンツが提供されており、制作したコンテンツに対する権利が保護されるマーケットプレイスを作ることを大切にしている。そのため、ロブロックスはクリエーターに説明責任を果たすための安全装置となる仕組みを導入している。知的財産権(IP)侵害の削除要請を管理するための新しいツールである「知的財産権管理(Rights Manager)」の提供を開始した。今後も機能を拡張することで、知的財産権侵害を検出し対処するためのより多くのツールをクリエーター・コミュニティに提供していく予定。
■adidas Gaming グローバル責任者 トーマス・ヴェーナー氏 コメント
「当社は、ロブロックスを無限の創造力を表現するためのプラットフォームと捉えており、このプラットフォームが現実世界で確立されたブランドに創造性あふれる機会を与えてくれることに高い関心を持っています。当社がロブロックス上での事業に参入することにより、ロブロックスのユーザーは、アイコン的な人気を誇る当社公式の製品をバーチャル空間における自身のアイデンティティの一部として身につけることができるのです。これが、2023年にロブロックス・マーケットプレイスでアディダス独自のデジタルアイテムコレクションを発表し、今年アディダス単独のバーチャル空間「adidas コーデ・クリエーター（adidas Outfit Creator）」の提供を開始した理由です。ロブロックス上においてこういった新しい手法やアイテムで革新的な取り組みを行うことにより、無数にある当社製品の中でも、特定のどの製品カテゴリーやスタイルにユーザーが関心を持っているのかを調査することもできます。また、既存の製品カテゴリーにとらわれることなく、例えばヘアスタイルなどの、ロブロックスのユーザーにとって重要な製品カテゴリーにおける当社のブランド製品を、ユーザー自身の最高のクリエイティブな表現の一部として再構築することもできます」
■ロブロックス経済担当バイス・プレジデント エンリコ・ダンジェロ氏 コメント
「制作を誰もが行えるようにすることは、クリエーターにとってだけでなく、ユーザーにとっても素晴らしいことです。これは、ロブロックス・マーケットプレイスがユーザーにとってより多様な表現の拠点となっていくための第一歩に過ぎません。アバター用アイテムを作成するクリエーターが世界中で増えることにより、ユーザーはバーチャル空間でなりたい自分を表現できる3Dアイテムを見つけることができるようになるでしょう」
