調査資料

日本における過去12ヵ月間のデジタル広告費は42億ドルに　主な出稿先はInstagram　Yostarは主にXに広告出稿を展開　Sensor Tower調査

Sensor Tower（センサータワー）

Sensor Tower（センサータワー）

2024.12.17 09:25

Sensor Towerは、「[レポート]2024年日本のデジタル広告インサイト」を公開したことを発表した。

コンシューマーブランドが世界中のユーザーと接するにあたり、デジタル広告は重要な戦略であり、ライバルが異なる広告チャネルを利用してどのように広告出稿しているかを把握することが重要だ。このレポートは、2024年の日本におけるコンシューマーブランドデジタル広告に関するトレンド、投入額が多いジャンル、主な出稿先、投入額が多いブランドについて詳しく分析している。また、花王とYostarの広告出稿先選定戦略およびオーディエンスのペルソナについてのケーススタディも行っている。

※このレポートでは、Facebook、Instagram、TikTok、X（旧：Twitter）における日本市場向けデジタル広告に関するデータを集計している。

■日本における過去12ヵ月間のデジタル広告費は42億ドル

2023年11月から2024年10月までの12ヵ月間に広告主がFacebook、Instagram、TikTok、X（旧：Twitter）の各プラットフォームに出稿した日本市場向けデジタル広告費総額は42億ドルに達し、インプレッション数の合計は9860億回を超えている。

小売の広告費がメディア・エンターテイメント、求人・人材育成情報その他のジャンルの広告費よりも多く、RakutenおよびAmazonが最も広告出稿力の大きいブランドとなっている。

■Instagramが日本におけるデジタル広告の主な出稿先

統計対象となっている広告プラットフォームのうち、Instagramが日本におけるデジタル広告の投入費およびインプレッション数が最も多いプラットフォームだ。2024年1月から10月にInstagramに対して出稿された広告費は、金額にして22億ドルで、Facebookの3倍に上っている。

時間の経過から見ると、2024年10月の日本におけるデジタル広告費は、前月から14％増加して4億ドルに迫り、それに伴って同月のインプレッション数も6％増加して900億回に達している。

■ジャンル別デジタル広告費においては小売、メディア・エンターテイメント、求人・人材育成情報が多い

日本においてデジタル広告費が多いジャンルは、小売、メディア・エンターテイメント、求人・人材育成情報だ。過去1年間の投入費は、小売が9.2億ドル（シェア22％）、メディア・エンターテイメントが7.1億ドル（同17％）、求人・人材育成情報が4.5億ドル（同11％）で、日用消費財、ゲーム、健康・保健の各ブランドがこれに続いている。

小売の中では、ファッション、クーポン・割引券、消費者向け電子機器の各サブジャンルが日本のデジタル広告市場において活気を呈している。メディア・エンターテイメントの中では、書籍・コミック、映画・テレビ、音楽・ポッドキャストの各サブジャンルのインプレッションが際立っている。

■Rakuten（楽天）、Amazon、NTTが日本におけるデジタル広告インプレッショントップ3

Rakuten（楽天）、電気通信事業者のNTT、求人情報プラットフォームのマイナビ、出版社の講談社の4つの日本ブランドが日本におけるデジタル広告インプレッショントップ10に入っています。ランキングトップのRakutenは、過去12ヵ月間のデジタル広告インプレッション数が340億回を超えている。

そのほか、Amazon、Samsung、SHEIN、Temu、Disney、Adobeの6つの海外ブランドがインプレッションランキングトップ10に入っている。

■花王は日本においてインプレッション数が最も多い日用消費財ブランド

1887年に設立された花王は、「ハイジーン＆リビングケア」「ヘルス＆ビューティケア」「ライフケア」「化粧品」「ケミカル」に関する製品を製造している。同社は、過去12ヵ月間の日本における日用消費財ブランドデジタル広告投入費・インプレッション数ランキングで2位に入っており、Biore、Kate、Curelなどの人気ブランドを擁している。

花王は、日本とアメリカで重点を置く広告出稿先に違いがある。日本においては同社のインプレッション数の58％がInstagramによるものであるのに対し、アメリカにおいてはFacebookを主な出稿先とし、インプレッションの55％をFacebookに依存している。

■Yostarの主な広告出稿先はX

モバイルゲームパブリッシャーのYostarは、2017年以降、『アークナイツ』『アズールレーン』『ブルーアーカイブ』『雀魂 -じゃんたま-』などのモバイル2Dアニメゲームのリリースに成功しており、中でも『アークナイツ』のIAP収益は14.5億ドル（Yostarからの収益のみ）に達している。日本はYostarにとって最重要市場であり、世界総収益の59％をもたらしている。