ドリコム、第3四半期決算は営業損失2600万円と赤字転落…『Wizardry Variants Daphne』は売上21億円と好調も既存・新規タイトルが弱含み
ドリコム<3793>は、1月30日、2025年3月期 第3四半期累計の連結決算を発表し、売上高82億円(前年同期比7.4%増)、営業損失2600万円(前年同期は7億8900万円の利益計上)、経常損失7800万円(同7億2900万円の利益計上)、最終損失8億2300万円(同9700万円の利益計上)だった。損失計上となったが、中間期の営業損失3億1500万円から大きく減った。
・売上高:82億円(同7.4%増)
・営業損失:2600万円(同7億8900万円の利益計上)
・経常損失:7800万円(同7億2900万円の利益計上)
・最終損失:8億2300万円(同9700万円の利益計上)
『Wizardry Variants Daphne』が想定以上に推移したものの、第1四半期にリリースした新規タイトル『悪魔王子と操り人形(あくあや)』や、その他既存ゲームが弱含みで推移した。『Wizardry Variants Daphne』の広告宣伝費や改修などの一時費用も響いた。第1四半期にリリースした新規タイトル1本について、将来収益の再評価を行い減損処理を行ったことで特別損失6億0100万円を計上したため、最終損失を計上した。
四半期の業績推移を見ると『Wizardry Variants Daphne』の登場で急速に改善していることがわかる。
第3四半期累計における各セグメントの業績は以下のとおり。
■ゲーム事業
セグメント売上高は76億7600万円(前年同期比5.2%増)、セグメント利益は6億3700万円(同57.3%減)となった。
ゲーム事業においては、第3四半期にリリースした新規自社配信タイトル『Wizardry Variants Daphne』がこの四半期において21億6000万円の売上高と想定以上の推移となっている。現在の運用中モバイルゲームタイトル本数は10タイトルとなっており、新規タイトル以外にも複数の長期運用タイトルから収益を獲得している。なお、第1四半期にリリースした新規タイトルは売上が想定を下回り、クローズを決定した。
売上高については、一部の運用タイトルが前年を下回る推移となっているが、第3四半期にリリースした新規タイトルの貢献により前年同期比で増加した。
利益については、新規タイトルによる貢献があったが、運用タイトルの弱含み、および第1四半期にリリースした新規自社配信タイトルが想定を下回る売上となったこと等により、前年同期比で減少した。
■コンテンツ事業
セグメント売上高は5億3000万円(前年同期比55.5%増)、セグメント損失は6億6400万円(前年同期はセグメント損失7億0200万円)となった。
コンテンツ事業においては、IPの保有、育成、収益化を目的として出版・映像事業に取り組む中、ライトノベルレーベル「DREノベルス」とコミックレーベル「DREコミックス」から毎月刊行を実施している。また、同社の有するインターネットサービスの知見と先進的なテクノロジーを活用し、Web3領域における新たな事業開発や、SNSを活用したファンマーケティング支援サービス『Rooot』『Fanflu』等を提供している。
売上高については、「DREノベルス」に加え、2023年秋から「DREコミックス」の刊行を開始しており、シリーズ累計20万部を超える人気作品を複数輩出できていること等により、前年同期比で増加した。
利益については、出版・映像やWeb3などの新規事業領域への投資を行っており費用先行が継続しているが、上記の増収要因により、損失額が前年同期比で減少した。
■2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は、売上高135億円(前期比38.0%増)、営業利益5億円(同44.6%減)、経常利益4億円(同49.6%減)、最終損失2億円(前期は1億0400万円の利益計上)、EPS-6.96円を見込む。
・売上高:135億円(同38.0%増)
・営業利益:5億円(同44.6%減)
・経常利益:4億円(同49.6%減)
・最終損失:2億円(同1億0400万円の利益計上)
・EPS:-6.96円
売上高については、一部の既存運用タイトルが弱含みの推移となっているが、2024年10月15日(第3四半期)にリリースした『Wizardry Variants Daphne』の寄与に加え、第4四半期に新規自社配信タイトルをリリースすること等により前期比で増加を見込んでいる。
営業利益および経常利益については、新規タイトルの貢献を見込んでいるが、プロダクトミックスの変化による変動費の増加影響等により、前期比で減少を見込んでいる。
最終利益については、営業利益および経常利益の減少要因に加え、第1四半期にリリースした新規タイトル1本について、将来収益の再評価を行い、特別損失としてソフトウェアの減損損失6億0100万円を計上したため、赤字となる見通し。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ドリコム
- 設立
- 2001年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 内藤 裕紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3793