日テレHD、2033年度に海外売上1000億円目指す方針 広告収入頭打ちでアニメやドラマ、バラエティを世界展開 海外拠点やスタジオ設立、映画配給も
日本テレビホールディングス<9404>は、グループ全体で海外ビジネス規模を飛躍的に拡大させる基本方針をまとめ、グループ全体の海外売上高を2033年度に1000億円を目指す(2024年度第二四半期で120億円)。バラエティ制作のスタジオ設立、北米ビジネス拠点の設置、映画の世界配給などに積極的に取り組むことで伸ばしていく考え。
地上波広告収入の頭打ちに伴い、テレビ各局ではポートフォリオの拡大に向けた動きが加速している。国内のテレビ広告の市場規模が1.6兆円に留まるのに対し、海外における日本コンテンツの市場規模は4.7兆円と拡大を続けている。そのうちの9割がアニメとゲームだが、今後、バラエティや映画、ドラマ、音楽、ライブなど広い領域でビジネスを展開する余地があるとみているという。
同社グループは、豊富なコンテンツ・IPを武器に海外ビジネスの拡大に取り組みたい、としている。
【基本方針】
○これまで放送、国内展開をゴールにしてきたグループ各社の社内体制を、海外展開まで意識した体制に再構築する。
○海外ビジネスの規模拡大のため、セールス強化とともに商材(コンテンツ)を作り出す基盤の強化に早急に取り組む。
○IP 展開を上流から下流まで一気通貫で行う体制の構築を目指す。自らのリソースで足らない部分を補うため、外部との協業、M&A 等に積極的に取り組む。
○ビジネスをドライブさせる人材の育成とともに、キャリア採用を強化していく。
【主な施策】
① 海外向けコンテンツ制作スタジオ設立
バラエティの海外展開を目指した制作スタジオを2025年6月に設立する。社内外のクリエイター・制作会社との共創で企画を開発し、バラエティのフォーマットセールスを強化する。また、海外での現地制作体制確立を目指す。
② 北米(ロサンゼルス)拠点設置
アメリカ・ロサンゼルスに2025年7月にビジネス拠点を新設する。バラエティフォーマットを中心に日本テレビのコンテンツ・IP の北米セールス展開を支援すると同時に、情報収集やビジネス拡大の起点として海外ビジネス展開の最前線に立つ。
③ 映画の全世界配給
2025年、年末頃に細田守監督(スタジオ地図)の最新作『果てしなきスカーレット』(日本配給:東宝)を、ソニー・ピクチャーズの参画を得て全世界に配給する予定。またハリウッドとの共同製作や、海外向け新作映画の製作など新しい取り組みを進める。
④ イベントの海外展開
スタジオジブリ作品が原作の舞台『となりのトトロ』や展覧会など、イベントを支援する体制を作っていく。スタジオジブリ以外の IP でも事業展開する。
⑤ その他
アニメ、ドラマ、音楽事業などにおいても、IP の上流から下流まで、グループの連携も含めた多様なチャンネルを活用して、海外展開を進めていく。
会社情報
- 会社名
- 日本テレビ放送網株式会社