IGポート、サンリオとの資本業務提携についてサンリオの払込み手続きが完了…サンリオキャラのアニメ化や新規IPの共同創出にも

ウィットスタジオやプロダクションIG、マッグガーデンを傘下に持つIGポート<3791>は、この日(7月3日)、サンリオ<8136>を割当先とする第三者割当による自己株式の処分について、サンリオによる払込み手続きが完了したことを明らかにした。同社は、サンリオと資本業務提携を行うことを6月17日に発表した。

資本提携では、サンリオに対して保有する自己株式92万9100株を割り当てるとともに、石川光久社長と社長の資産管理会社の保有する7万8900株を市場外の相対取引で売却する(いずれも1株あたり1750円)。サンリオは、IGポートの発行済株式の4.98％を保有する第4位株主となる。

業務提携では、サンリオが保有するキャラクターIPのアニメ化や、IGポートが制作する作品に関連するキャラクターを起用した事業機会の共同創出、新規IPの共同創出・開発・取得及び育成などを行う。両社の強みを最大限に活かし、互いに協力して事業を推進する。

IGポートは、多様なIPを創出する事業基盤を構築し、アニメ、ゲーム等の分野における開発、制作、流通の一層の強化を図り、持続的な企業価値の向上を目指す。サンリオもまたグローバルIPプラットフォーマーとしての地位を強化し、安定成長を目指す考え。

【業務提携について】
① サンリオが保有するキャラクターIPの映像化及びそれを通じたクリエイターの成長
サンリオが保有するキャラクターIPを同社グループが得意とする映像制作機能及び映像配信のネットワークを用いて映像化し、アニメ放送や配信等を行うことで、日本市場だけでなく、北米・欧州を中心とした海外市場での IP 認知度のさらなる上昇と、キャラクターの持つブランド感や世界観の深化をしていく。

また、映像化に際しては、「商品化で受けるデザイン」から「映像で価値を出すデザイン」を表現のゴールとして、同社の映像監督・脚本・プロデューサーとサンリオクリエイター(デザイナー)が協働機会を持つことで、両者が相互に成長できる体制の実現を目指していく。今後、具体的な制作内容・公開日が決定した場合は適切に公表する。

② 同社グループ制作作品に関連するキャラクターを起用した事業機会の共同創出
IGポートグループ制作作品に登場するキャラクターに関して、IGポートの映像機能、サンリオの事業基盤を活用し、商品化・ゲーム化などを通じた二次的 IP としてのメディアミックス展開を行い、新たな事業機会を創出していく。本取り組みでは、同社制作作品の新たなファン層の獲得や事業機会を創造することで、関係各社の経済圏拡大に寄与していくことを目指していく。

③ 新規IPの共同創出・開発・取得及び育成
サンリオとともに、国内外の消費者のニーズに合わせた新規 IPの創出又は既存 IPのリデザイン・出資などの共同プロジェクトに取り組むことで対象ターゲットの拡大及び事業のグローバル化を目指していく。具体的には、北米を中心とした海外市場のニーズに基づく映像作品を制作し、それを起点とした IPビジネスの創出といった取り組みなどを検討している。優良な IPを創出・獲得し、育成していくにあたり、同社が有するユニークな映像制作力及びサンリオが有するデザイン力、並びに同社が持つ日本・アジアの販路に加え、サンリオが有するグローバルの事業基盤を活用することを見据えている。

なお、IGポートは、自己株式の処分で得た資金の使途については、運転資金に10億0600万円、設備投資に6億0500万円を充当する予定。

【運転資金について】
・割当予定先との共同プロジェクトの実施にかかる費用
・割当予定先とのクリエイター等の人材交流にかかる費用
・クリエイターを含めた高い技術力を有する人材の新規採用費用
・コンテンツ投資にかかる費用

【設備投資について】
・映像制作事業における制作管理システムの更新、インフラ整備にかかる費用