【イベント】手軽さで新時代を切り開く「LINE QUICK GAME」が新作体験会を実施…『釣り★スタ』『ドリランド』『たまごっち』など4タイトルをレビュー!

 
LINE<3938>は、8月29日に、LINE QUICK GAMEのメディア向け新作体験会を開催した。本稿では、LINE QUICK GAMEの概要とともに、当日の体験会で得られた情報から各タイトルのレビューを掲載していく。
 
●LINE QUICK GAMEとは
「LINE QUICK GAME」は、メッセンジャーアプリ「LINE」が提供する新たなゲームサービスとして、7月30日からテストサービスを開始している。従来のLINEのゲームサービス「LINE GAME」と大きく異なる点として、別途アプリをインストールする必要がなく、「LINE」上でゲームを起動し、プレイできるようになっているのが特徴だ。


▲「LINE」のトーク画面からゲームを起動できるため、アクセスの早さと手軽さが他のゲームサービスにはない特徴となっている。
 
「LINE QUICK GAME」も、ゲームはシンプルで誰でも遊びやすいものが揃っており、「LINE」に登録されている友だちと協力したり、対戦するといった機能も搭載されている。
 
7月30日のテストサービス開始とともに、『にゃんこ防衛軍』、『LINE みんなでクイズ(β版)』、『Dino Balls(ディノ ボールズ)』、『LINE 今日のナンプレ』の4タイトルをリリース。8月13日に『釣り★スタ QUICK』も追加され、8月29日現在で5タイトルがプレイできる。※9月3日には『探検ドリランド ブレイブハンターズ』も配信開始された。
 

▲「LINE QUICK GAME」の概要については、LINE株式会社 ゲーム事業2部事業部長の楠森祐輔氏が解説をした。
 

▲5タイトル累計で55万人を超えるユーザーが登録している。
 
なお、「LINE QUICK GAME」は、2018年内に現状に加え10タイトルの追加を目標にしている。さらに「LINE QUICK GAME」自体もアップデートしていき、順次機能を追加していく予定だ。9月中旬に「LINE QUICK GAME」は正式オープンとなり、その段階でゲーム内広告や課金システムが追加されるとのこと。


▲今後の「LINE QUICK GAME」ロードマップがこちら。
 
今回の体験会では、現在サービス中の『釣り★スタ QUICK』、9月上旬にリリース予定の『探検ドリランド ブレイブハンターズ』、『Jetpack Bandits(ジェットパック バンディッツ)』。9月中旬リリース予定の『LINEで発見!! たまごっち』の4タイトルのテストプレイをさせてもらえたので、開発者による紹介内容と合わせて各タイトルのレビューを掲載していく。
 
●『釣り★スタ QUICK
まずは『釣り★スタ QUICK』から。プレゼンを行ったのは、本作のプロデューサーを務める、Wright Flyer事業本部所属の石井健太郎氏。石井氏は本作について「GREEプラットフォームの人気タイトル『釣り★スタ』を、「LINE QUICK GAME」用として一から作り直しました。新たなプラットフォームに合わせ、起動後すぐに遊べるようにこだわりました」と、手軽さをアピール。
 
 
▲グリー・Wright Flyer事業本部『釣り★スタ QUICK』プロデューサーの石井健太郎氏。
 
実際にゲームを起動してみると、すぐに釣り場が表示され、釣りのチュートリアルが始まった。釣りバトルの画面や操作方法はGREE版『釣り★スタ』と、大きくは変わっていないので、かつて『釣り★スタ』をプレイしていた人であれば懐かしさ溢れる画面になっている。
 

▲魚がサークル内に入ったら画面をタップすると、魚の体力が減っていく。魚の体力が0になれば釣り成功となる。
 
以前はシルエットだけだった魚影がイラストになっていたり、水草がアニメーションになっていたりと、デザインもリッチになっているので、GREEのWebゲームと比べるとネイティブアプリを遊んでいる感覚に近い。
 
ホーム画面がキャスト用の画面になっていて、ゲームを起動するとすぐに釣りを始められるので、本当に操作が少なくて済む。他の画面への移動は、常に表示されている画面下のメニューから選択するだけなので、手順が少なくとにかくお手軽。
 

 
魚を釣り上げたときには、釣果を友だちとシェアできる。珍しい魚や大きな魚が釣れたら自慢するといったメッセンジャーらしい楽しみ方もできそうだ。さらに、魚の大きさなどを競う"コンテスト"も開催されているとのこと。
 

 
釣り成功時には、コインや宝箱も獲得できる。コインはショップで釣り具などのアイテム購入に使える。釣り上げた宝箱はストックされていき、選択すると一定時間経過後に開封。コインやアイテムが入手できる。
 
 
▲コインは、釣り具の強化などにも使用できる。
 

▲今後は友だち招待による宝箱の開封時間短縮が考えられているとのこと。
 
「LINE QUICK GAME」用に、釣りバトルにフォーカスしたデザインに変更されたことで、結果的に『釣り★スタ』の魅力を上手くピックアップした形になっている。釣り場も魚の種類も豊富で、遊び尽くすには結構な時間が必要となりそうな印象を受けた。手軽でありながらも長く遊べるタイトルとなっていそうだ。
 

▲魚図鑑の登録数を増やしていくことで、新たな釣り場が開放される。全ての釣り場を回ろうと思ったら、なかなかのボリュームになる。
 

公式サイト


●『探検ドリランド ブレイブハンターズ』
続けて、『探検ドリランド ブレイブハンターズ』が紹介された。こちらは、Wright Flyer事業本部に所属する石井翔大氏がプレゼンを行った。石井氏は「『探検ドリランド』のキャラクターを使った、まったく新しいゲームになっています。ダンジョンを探索しながら、ボスを探し、ボスの討伐を目指すRPGになっています」と、本作の概要をまとめた。
 
 
▲グリー・Wright Flyer事業本部で『探検ドリランド ブレイブハンターズ』のプロデューサーを務める石井翔大氏。演出に関しても「ボスのアニメーションにもこだわっています」と自信を覗かせた。
 
本作では、ランダムに生成されたダンジョンに突入し、その最奥に鎮座するボスを倒せばクリアとなる。動けるターン数が決められているため、「のこりターン」が0になる前にボスを見つけなければならない。そうして、どんどんダンジョンを踏破していくという形式のRPGになっている。
 

 
ダンジョン内での操作は、スワイプによる移動のみ。戦闘も基本はオートで進行し、スキルポイントが溜まっていればキャラのアイコンをタップすることで、スキルを任意に使用できる。ボスの強力な攻撃に合わせて防御スキルを使用する、事前に有利な属性のキャラを編成して挑むといった戦略性はしっかりと原作から受け継がれている。
 

▲スキル使用時に派手なカットインがあるなど、演出面はかなりリッチ。スキル使用に必要なスキルポイントはダメージを受ける度に溜まっていく。
 
何より嬉しいのは、キャラの入手がダンジョンの宝箱からという点だ。宝箱からは強化用の素材も入手できるほか、出現率も低くない。普通にゲームを遊んでいるだけで自然と仲間が増え、強化も進められるのは嬉しいポイントだ。
 

 
序盤はサクサク進められたが、5~6つ目のダンジョンになると、未強化でのクリアが難しくなってくる。インスタントゲームでありながら、遊びごたえは抜群。友だちと協力して戦える"レイドボス"も実装予定とのことなので、一緒に遊ぶ仲間がいれば遊びの幅がさらに広がりそうだ。
 

▲強力なボスに負けてしまったシーン。スキルを使うタイミングを見極められれば勝てそうな勝負だっただけに残念だが、戦略性があるのでつい「あと一回だけ」の魔力に捉われて繰り返し遊んでしまう。
 

アクセスはこちら(スマホのみ)


●『Jetpack Bandits(ジェットパック バンディッツ)』
3つ目は完全オリジナルタイトルの『Jetpack Bandits(ジェットパック バンディッツ)』だ。プレゼンを行ったのは、LINEの開発ディレクター 進藤孝史氏。
 

▲LINE・『Jetpack Bandits(ジェットパック バンディッツ)』開発ディレクターの進藤孝史氏。
 
『Jetpack Bandits』のバトル画面は、現行のメッセンジャーゲームでは珍しく3Dとなっている。進藤氏は「HTML5としてはかなり珍しい3Dタイトルです。メッセンジャーゲームで3Dのタイトルは中々ないのではないでしょうか」と、本作の特徴をコメントした。
 
さらに、リリース時期は9月10日を予定しているが、それについて「まずはオープンβとしてリリースします。オープンβをプレイすることでチケットが手に入り、正式サービス版で、レアキャラクターやレアアイテムと交換可能にする予定です」と付け加えた。
 

 
最大20人が参加できるバトルロイヤルアクションで、フィールドに散りばめられたクリスタルを集めてレベルを上げながら、勝ち残りを目指して戦っていく。
 

 
プレイヤーキャラは全員ジェットパックを装備しており、移動にはかなり強めの慣性がつく。しかし、それが片手で操作するという面では良い方向に働いている。常時移動操作をする必要がないので、進む方向にフリックしつつ、画面下部のアイコンをタップし、スキルを使用といった操作が無理なくできる。
 

 
最大20人による対戦となるが、全員が同時にマッチングする必要はなく、既に始まっているバトルへ乱入する形となる。バトルは、各人に制限時間が設けられているほか、レベル5になると勝ち抜けとなるため、勝利条件を達成した人が抜けていき、次のプレイヤーが入ってくるという仕組みだ。
 

▲先に始めてレベルを上げたプレイヤー、強いプレイヤーの一人勝ちになるといったことはなく、誰でも1位を取れる可能性がある作りなので、各々のペースで対戦を楽しめる。
 
プレイヤーは、動きは遅いが体力は多い"ヘビー"、移動が素早い"ライト"、遠距離攻撃ができるが体力は少ない"レンジ"の3種類のロールのなかからひとつを選択してバトルに参加する。
 
  
 
β版では各ロールひとり、計3人のキャラが登場しているが、正式版では、さらに多くのキャラが登場する。『Jetpack Bandits』も、キャラの獲得方法は試合終了時の報酬となっている。キャラ以外にも、武器の強化パーツがドロップすることがあり、これによってキャラクターを強化できる。


▲バトルに勝ち抜いていくことで、リーグのランクが上がり、それによってキャラクターが解禁される。その後、宝箱からランダムでそのキャラクターがドロップするという流れでキャラクターを増やしていく。
 
バトルロイヤルではあるが、一斉にスタートしてひとりだけが勝ち残るというわけではないので、バトルロイヤル特有の緊張感は少なく、気軽にワイワイと楽しめる内容だった。友だちと同じバトルに参加する機能もアップデートで予定されているそうなので、手軽な対戦ゲームとして盛り上がれるだろう。
 

 
●『LINEで発見!! たまごっち』
最後に『LINEで発見!! たまごっち』が紹介された。このタイトルは、バンダイの協力を得たうえで、開発をLINEが担当している。プレゼンは引き続き進藤氏が行い、本作の特徴でもある"噂話"と"結婚"のシステムを中心に作品紹介を行った。
 


まずは、メッセンジャーアプリならではの"噂話"システムをピックアップ。これがどういうものかというと、まずプレイヤーはたまごっちに質問をされる。ここで例えば、進藤氏が好きな飲み物を聞かれて「ハイボール」と答えた場合、友だちのたまごっちに「進藤氏はハイボールが好きみたいだよ」といった話が伝わっていくとのこと。ここまでのシステムは他社のメッセンジャーゲームで採用されているケースがある。
 
しかし「LINE」では、複数人が同じ友だちグループであることを認識できるという強みを活かし「Aさんは、Bさんのことをこう言っていたということを、Cさんにしゃべる」とさらに広範囲で、より複雑な構図も作れるという点で一線を画している。このようなイベントは、親密度が一定以上まで上がったときにだけ見られる仕組みになっているとのことだ。
 

▲たまごっち同士がコミュニケーションし、その様子を見ることでプレイヤー同士のコミュニケーションにもつながっていく。
 
また、本作のシステムとして、たまごっち同士の"結婚"についても解説。たまごっちのお世話をしていくとコインが手に入るのだが、そのコインを使ってショップで指輪を購入できる。指輪を使えば友だちのたまごっちにプロポーズすることができ、相手にプロポーズを受けてもらえたら結婚成立となる。
 
 

▲プロポーズの際は実際のLINE上にもメッセージが送られるなど、リアルなやり取りも楽しめる。無事、結婚式が開催された際には親にあたるたまごっちが参列していたりと、演出も賑やかでいかにも一大イベントといった雰囲気がある。
 

▲結婚が成立したらすぐにたまごが生まれる。そこから次世代のたまごっちが誕生し、また新たに育成を繰り返していく。世代を重ねていくとレアなたまごっちの出現率が上がるそうだ。
 
その他のゲームのベースとなる部分は、ずばり『たまごっち』シリーズそのもの。「ごはん」や「おやつ」を与えたり、「おどうぐ」で遊んだり、「トイレ」や「おふろ」の世話をしたりと、まさに思い描いた通りの内容となっておりスマホでたまごっちを育てられる。
 

 
お腹がすいたり、トイレに行きたくなったときなど、お世話が必要になるとたまごっちからLINEのトークが届いたり、仲良くなるとたまごっちの方から話しかけてきたりと、本当にたまごっちとコミュニケーションしているような感覚でプレイできるのも嬉しい。
 

▲たまごっちから呼び出されるという、キーチェーンゲームの頃に味わった懐かしの感覚が蘇ってくる。
 
友だちのたまごっちとは、結婚だけでなくお世話によるコミュニケーションもできる。忙しくてなかなかお世話ができない、友だちのたまごっちのお世話を代わりにしておいたり、自分のたまごっちと一緒にごはんを食べさせたりもできる。
 
 
▲ちなみに、手が空いておらずお世話が難しいという場合は、ホテルに預けておけば、預けている間は自動でお世話をしておいてもらえる。
 
その他にも、庭で種を栽培してアイテムやコインを集めたり、たまごっちとミニゲームに挑戦したり、遊び方は様々。ショップで色々なおどうぐやアクセサリーを集められるなど、たまごっち以外のコレクション要素も豊富だ。
 
 
 
元々、携帯型育成玩具として人気を博した『たまごっち』だけあって、常に持ち歩くスマートフォン、さらにはコミュニケーションツールである「LINE」との親和性は抜群。友だちだけでなく、たまごっちとのコミュニケーションを楽しんでいこう。
 

 
●質疑応答
テストプレイ後には質疑応答が行われた。まずは、「LINE QUICK GAME」の開発チームに「LINE QUICK GAMEにはカジュアルなタイトルが多いが、タイトル選びでポイントにしている部分はどこか?」と質問を投げかけられた。
 
それに対し、LINEは「これからこのコンテンツを盛り上げていくため、たくさんのお客様に遊んでいただきたいため」とカジュアルゲームを中心にしている理由を説明。さらに、「現状はそのためにライトユーザーや子供向け作品を重視している」と回答した。今はその狙い通りの結果として「想定していた以上に順調なスタートを切っている」とコメントした。長期的には多彩なジャンルのタイトルラインナップを予定しているとのこと。
 

▲「LINE QUICK GAME」に関する質問には、LINE株式会社 ゲーム事業2部事業部長、楠森祐輔氏も自ら解答している。
 
続けて、グリーのスタッフに向けて「テストオープンの段階からLINE QUICK GAMEに参画した理由は?」と質問があり、「メッセンジャーゲーム事業に、新しいゲームとしての波を感じていた。Wright Flyer Studiosとしても、新しいものにチャレンジしたいという想いがあり、リリースに踏み切った。実際にゲームをリリースしてみて、良い感触を感じている」と、現状の「LINE QUICK GAME」に好感触を示した。
 
ローンチタイトルとして『釣り★スタ』、『ドリランド』を選んだ理由についても伺ってみたが、そこには「自社IPをマルチチャネルに展開していきたい」という想いがあったとのこと。スピード重視で開発を進めるためにも、自社のアセットを使いたかったという回答が得られた。今後は、自社IPに限らず様々なタイトルにチャレンジしていきたいと意欲的なコメントもいただけた。
 

▲今回の先行体験会でプレゼンを行った開発者一同。
 
ライトユーザー向けとして、好調なスタートを切っている「LINE QUICK GAME」。今回の体験会でのテストプレイを通じて、かつてのWebゲーム以上に手軽でありながらも、決してネイティブアプリにも劣らぬクオリティを持つ、新たなジャンルとなりそうだと感じた。
 
いわゆるガチャのようなシステムもなく、課金要素がゲームの進行に大きく関わってはこないというのも、昨今のスマホ向けのゲームとしては珍しい。「LINE QUICK GAME」が、今後のゲーム業界にどのような影響を与えていくのか。今後も、その動向を追っていきたい。
 
 
(取材・文 ライター:宮居春馬)


 

「LINE QUICK GAME」



(c)LINE Corporation
(c) Wright Flyer Studios. Developed by Game Closure
グリー株式会社
http://www.gree.co.jp/

会社情報

会社名
グリー株式会社
設立
2004年12月
代表者
代表取締役会長兼社長 田中 良和
決算期
6月
直近業績
売上高754億4000万円、営業利益124億9800万円、経常利益130億8600万円、最終利益92億7800万円(2023年6月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3632
企業データを見る
LINE株式会社
http://linecorp.com/

会社情報

会社名
LINE株式会社
設立
2019年12月
代表者
代表取締役社長 出澤 剛/代表取締役 慎 ジュンホ
企業データを見る
株式会社WFS
https://www.wfs.games/

会社情報

会社名
株式会社WFS
設立
2014年2月
代表者
代表取締役社長 柳原 陽太
企業データを見る