【イベント】「Apple Arcade」タイトルの試遊イベントが開催…開発者からは「物語を終わりまで作れる」「マルチデバイス」が魅力といった声も


11月7日、都内某所にて「Apple Arcade」のタイトルを複数試遊できるイベントが開催された。当日は、スクウェア・エニックスの『VARIOUS DAYLIFE(バリアスデイライフ)』やセガゲームスの『ソニックレーシング』など既に配信されている7タイトルに加えて、未配信タイトル2つを含む計9タイトルが出展。本稿では、その模様をお届けしていく。

9月19日よりサービスを開始した「Apple Arcade」は、1ヶ月のトライアル期間を経て月額600円にて、100以上の新作ゲームをマルチデバイス(iPhone、iPad、iPod touch、Mac、Apple TV)で無制限に楽しめるサブスクリプションサービスだ。中には、「Apple Arcade」のみで配信している独自タイトルも存在する。



■Various day life(スクウェア・エニックス)

Various day life


『オクトパストラベラー』や『ブレイブリーデフォルト』を手掛けた開発チームが制作を担当している、スクウェア・エニックスの完全新作RPG。Apple ArcadeのマルチデバイスならではのRPGがどうあるべきかを追及した意欲作となっている。プレイヤーは日常生活を通してキャラを成長させながら、広大な大陸を冒険していく。

Apple Arcadeの中でも、腰を据えて遊びたくなるしっかりとしたタイトルに仕上がっており、ソロプレイでクリアまで60時間ほどを想定しているとのこと。その中でも、隙間時間でも遊びやすいようなスマホ向けのシステムを導入している点が特徴となっている。また、開発者の方にApple Arcadeでゲームを開発することを利点を聞いたところ「(スマホでも)物語を終わりまで作れること」だという回答をいただけた。

 

■ソニックレーシング(セガゲームス)

ソニックレーシング


コンシューマーでも人気のシリーズがApple Arcadeに登場。ソロプレイのほか、インターネットを介してマルチプレイで対戦を楽しむこともできる。本作は3人1組のチーム戦となっているため、自分だけでなく同じチームメイトの順位も気にしつつ全体としてポイントを高めていくことが勝利のカギとなる。

本作の狙いとしては、カジュアルな造りでさまざまな方が気軽に遊べるように設計されており、今回、数あるIPの中から「ソニック」シリーズが選ばれたのも幅広い年齢層に知られていることが決め手となったようだ。また、Apple Arcadeで開発する魅力としては「マルチデバイス」であることが挙げられた。

 

■PAC-MAN Party Royale(バンダイナムコエンターテインメント)

PAC-MAN Party Royale


言わずと知れた『パックマン』をベースに、4人での生き残りを賭けたバトルロワイヤルを行えるタイトル。最後までオバケから逃げ切った人の勝利というシンプルなルールの中に、時間経過で外側からバグが迫ってきたリ、スーパークッキーを取得することで他のパックマンを食べることができるなど、ゲーム的な要素が詰め込まれている。

ルールは、家族や友人とワイワイ遊べるというコンセプトのもと、誰もが短時間で気軽に遊べる造りとなっている。有利不利のバランス調整も綿密に行っており、状況によってはゲームに慣れていない幼い子供でも大人に勝つことも可能。ユーザーからも、シンプルなルールで盛り上がれるのが好評とのことだ。

 
▲かつて、256面に到達した際に画面が乱れて進行不能になるというバグをオマージュしたシステムとして取り入れている。

■Frogger in Toy Town(コナミデジタルエンタテインメント)

Frogger in Toy Town


今年40周年を迎える「Frogger」の最新作。障害物を避けながら進んでいくというシンプルなゲームシステムはそのままに、美麗なグラフィックとリッチな物理エンジンを搭載して、簡単で奥深いゲーム体験を実現している。

■深世海 Into the Depths(カプコン)

深世海 Into the Depths


カプコンが配信する完全新作の横スクロールアクション。人類最後の生き残りとなった主人公が深海を探索していく。特徴としては、水の中にいるため浮遊感のある操作性になっていることや、ある種の制限時間として機能している酸素ボンベの存在が挙げられる。戦闘を行うシーンもあるため、敵の攻撃が当たらないように立ち回る、テクニカルな操作も楽しめる。グラフィックやサウンドにもこだわっており、音は実際に水中で録音されたものが採用されているため、イヤフォンでプレイするとより深い没入感を味わうことができる。



■Spek.(RAC7)

Spek.


2017年にApple Design Awardsを受賞した、バンクーバーのゲームスタジオ「RAC7」による最新作。遠近法や見る角度を変えながら、世界に点在する謎めいた破片を集めることが目的となる3Dパズルゲーム。。また、本作の最大の特徴として「AR」を取り入れたモードが用意されており、そちらでは自身の身体を動かして遊ぶ、よりダイレクトな体験が可能となっている。

 
▲通常モードではスワイプで角度を変えながら線を繋げて破片を集めていくが、ARモードでは実際に自分がカメラを動かして破片の位置を探っていくという新しい体験ができる。

■Sayonara Wild Hearts(SIMOGO・ANNAPURNA INTERACTIVE)

Sayonara Wild Hearts


スウェーデンのデベロッパー「SIMOGO」が開発を担当し、「ANNAPURNA INTERACTIVE」がパブリッシングを行うタイトル。作中では、本作のために書き下ろされたオリジナル楽曲をベースに、テンポの良いアクションが展開される。

ゲームは、スワイプ操作で左右を移動しながら、レールに並んだハートやリングを獲得してスコアを伸ばしていく3Dランゲーム的な様相を呈している。シーンによっては音楽に合わせて画面をタップするリズムゲームのような要素も取り入れられており、音と体験を気持ち良く融合させた作品に仕上がっている。なお、ミスしてもゲームオーバーがなく、少し巻き戻されて再スタートするという点からも誰もが遊びやすいようになっている。

 

■Takeshi and Hiroshi(オインクゲームズ)
※11月に配信予定


オインクゲームズが開発する新作シミュレーションRPG。ゲームクリエイターを夢見る少年「タケシ」と、その弟である「ヒロシ」の物語が展開する。ゲームは、タケシが開発しているゲームをヒロシが遊ぶという形で進行するが、そのゲームは完全には完成していないためタケシが裏からこっそりと操作するという設定となっている。ヒロシの進行度やレベルに合わせて出現させるモンスターを選んだり、アイテムを出現させながら、ギリギリの戦いを強いることで「ドキドキ」や「たのしさ」といった感情を高めてあげることが目的となる。また、ストーリーパートはクレイモデルで制作されたアニメになっているのが特徴だ。物語はチャプター8まで用意されており、2人の成長を描くことでユーザーの感情を湧きあがらせたいという想いもあるとのこと。

 

■GUILDLINGS
※11月に配信予定


『Threes!』を開発したデベロッパー・Sirvoの最新作。現代社会とファンタジーを融合させたような世界観の中で、ギルドマスターとなり仲間を集めていく。戦闘はもちろん、時には謎解きをしながら物語を進めていく場面もあるとのこと。

 
今回の試遊会を通して感じたのは、今の「Apple Arcade」には"家族と遊ぶワイワイ系"、もしくは"じっくり遊ぶ本格派"のどちらか両極に振られているタイトルが多いということ。前者であれば現実で顔を突き合わせて遊べる楽しみ、後者であれば終わりのあるゲーム体験からさまざまな感動を受け取るなど、どちらも今のネイティブ・ソーシャルゲームでは中々実現が難しい、Apple Arcadeならではの体験を提供しているという印象を受けた。

ある種、そういった点はこれまでコンシューマーやアーケードが担ってきた部分でもあると言えるが、Apple Arcadeでは、これをちょっとした"隙間時間で遊べる"というスマホの利点を残したまま実現している。このことからも、既存のゲームファンだけでなく、よりライトな層を引き込むのには最適なプラットフォームとなり得るのではないかという可能性も感じた。

 
(取材・文 編集部:山岡広樹)
 

「Apple Arcade」公式サイト

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