コロプラ<3668>は、同社のオフィス内にあるリラクゼーションスペース「コロパーク」において、第4回コロプラ主催 座談会「お客さま感動体験(CX)を考えてみる会」を開催した。
同イベントではゲーム業界を中心に様々な業界から顧客応対のプロフェッショナルが集まり、感動体験のための取り組みについての情報共有やディスカッションを行った。
今回参加した企業は、Studio Z 株式会社、株式会社ドワンゴ、株式会社ミクシィ、株式会社ポンテム、グリー株式会社、KLab株式会社、そのほかゲーム業界の企業と、主催の株式会社コロプラを含む、計10社35名。
※順不同
同イベントではゲーム業界を中心に様々な業界から顧客応対のプロフェッショナルが集まり、感動体験のための取り組みについての情報共有やディスカッションを行った。
今回参加した企業は、Studio Z 株式会社、株式会社ドワンゴ、株式会社ミクシィ、株式会社ポンテム、グリー株式会社、KLab株式会社、そのほかゲーム業界の企業と、主催の株式会社コロプラを含む、計10社35名。
※順不同

イベントの冒頭では、コロプラのカスタマーエクスペリエンスグループマネージャー近藤雅弘氏(写真)が登壇。開催してから4回目を迎える同イベントだが、「1、2回目はメール応対を中心にした内容だったが、会を重ねるに連れ、感動を届けるためのクリエイティブ面に話がフォーカスしてきたのを嬉しく思っている」とコメントした。
また「スマートフォンゲーム業界も15年以上が経ち、お客様の求めるものが変化していくなか、それに応え続けていきたい。」と続け、イベントへの意気込みを明かした。
本稿ではそんなイベントの様子をお届けする。
また「スマートフォンゲーム業界も15年以上が経ち、お客様の求めるものが変化していくなか、それに応え続けていきたい。」と続け、イベントへの意気込みを明かした。
本稿ではそんなイベントの様子をお届けする。
■自社製ツールと専任エンジニアだからできたコロプラCXの環境づくり
最初のお題は「感動体験実現に必要なCX専任エンジニア」に関して。コロプラでは顧客からの問い合わせメールに対応するツールを自社開発しており、担当のエンジニアもついているそうだ。

自社開発と担当のエンジニアの存在はCXに対してどのようなメリットがあるのだろうか。その点についてコロプラのCX関連のツール開発を担うエンジニア伊東 一樹氏(写真左)と安政 駿氏(写真右)が説明してくれた。
コロプラではユーザーからのメールに対して「自社開発のCRMツール」でコミュニケーションをとっている。

同ツールの基本機能は、複数人で同じメール内容を共有し返信を行うというもの。伊東氏は「専任エンジニアの強みとして、CXグループの業務を完全に把握した上で、感動体験のためにエンジニアとして間接的に何ができるか」という視点で開発を行っていると明かした。現在ではCXからの要望で様々な機能が組み込まれているという。

中でも目を引く機能の一つがAIによる自動振り分けだ。同機能によって月150時間程かかっていた業務がほぼ0になり、大きな工数の削減できたという。また機能リリース後も、自社ツール+専任エンジニアであるため、目的にあわせたアップデートも迅速になされており、CXグループは理想的な環境下の元、お客様とのコミュニケーションができているとした。
また「内製ツールであるため大幅なコスト削減ができたのも強み」と安政氏は強調。運用コストはCRMツールと人件費、AIの学習(チューニング)に使用した費用だけで、それ以外のランニングコストが圧縮できているのも、内製ツールの大きな成果だという。なおAIの機能に関しては外注に出すと数千万程の見積もりだったとのことで、大きなコスト削減もできたようだ。

なお、これらの専任のエンジニアの存在やCRMツールによる体制に関しては、各社からの反響も大きく質問が相次いでいた。
■一人一人のユーザーに寄り添うコミュニケーションで満足度が大幅に向上

続いての話題はコロプラの「お客さまへ+αの感動を届ける取り組み」について、中沢氏(写真)が、コロプラのCXチームが行っているお客様へのアプローチについて説明した。
まずは「お客さま一人ひとりへのメール応対の強化」について。現在コロプラでは、「お客さまの知識量に合わせた案内」と「サービスごとにお客さまの状況に配慮し、ゲームの世界観を表現」にフォーカスしている。
「お客さまの知識量に合わせたご案内」は、問い合わせ内容やお客様のゲームプレイ状況をツールで確認し、ゲームの進み具合や、ご利用年月、ご利用頻度、好きなキャラクターなどを状況を考慮したご案内を行うこと。

もう1点の「サービスごとにお客さまの状況に配慮し、ゲームの世界観を表現」では、ゲームの世界観を表現したご案内をしている。

例えばメール返信の内容で、プレイ初期のユーザーと、熟練ユーザーに対して、それぞれの状況や住まいの地域にあわせた上で、ゲームの世界観を意識した案内を行うといった内容だ。

▲テンプレートを使用せず、相手に合わせて1から文章を作ることで、非常に満足が3倍近く向上したことがわかる。
中沢氏によると、これらの取り組みによって、「満足度アンケートを行った結果、【非常に満足】が大きく上昇した」とその成果を報告していた。
中沢氏によると、これらの取り組みによって、「満足度アンケートを行った結果、【非常に満足】が大きく上昇した」とその成果を報告していた。
■直筆の手紙で返信や、社内向けのミュージアム設置。既存の枠に捕われない感動体験とは
コロプラでの感動体験の提供としてさらに取り組んでいるのが、「温かみのある手紙チャネル新設」だ。
同社では、感動体験を届けるため、一部コンテンツにおいて、ユーザーから届いた手紙に対して返事を行う取り組みをはじめている。返事の際にはコンテンツの開発チームと協力し、オリジナルの便せんを作成しユーザーへ届けるという力のいれよう。
専用の便せんで返事が戻ってくるサプライズは、ファンにとってもたまらないだろう。
さらにCXグループの感動体験の取り組みはそれだけにとどまらない。ユーザーから届いた手紙やプレゼントなどを公開する「VOC(Voice Of Customer)ミュージアム」を社内に開設し、全社的に届けている。
中沢氏は「レポート以外での生のお客様の声を届けることで、開発・クリエイター側からのCXのプライオリティを上げ、ユーザーの声が反映されやすくなるサイクルを作っていきたい」とその狙いを語っていた。
同社では、感動体験を届けるため、一部コンテンツにおいて、ユーザーから届いた手紙に対して返事を行う取り組みをはじめている。返事の際にはコンテンツの開発チームと協力し、オリジナルの便せんを作成しユーザーへ届けるという力のいれよう。
専用の便せんで返事が戻ってくるサプライズは、ファンにとってもたまらないだろう。
さらにCXグループの感動体験の取り組みはそれだけにとどまらない。ユーザーから届いた手紙やプレゼントなどを公開する「VOC(Voice Of Customer)ミュージアム」を社内に開設し、全社的に届けている。
中沢氏は「レポート以外での生のお客様の声を届けることで、開発・クリエイター側からのCXのプライオリティを上げ、ユーザーの声が反映されやすくなるサイクルを作っていきたい」とその狙いを語っていた。

▲こちらが「VOC(Voice Of Customer)ミュージアム」。同ミュージアム開設によりCXの思いが開発チームに伝わり、専用の便せんも作られたという経緯も語られた。
■CXのクリエイティブを刺激する、グループディスカッション
なお第2部はイベントの恒例ともなっている参加者によるグループディスカッションを実施した。参加者を6つのグループに分け、与えられたお題のもと、ユーザーにどのようなコミュニケーションをするのかディスカッションし、その内容が披露された。

初対面同士のチームもあり、ディスカッション中は和やかな雰囲気ながらも、次第に活発な議論が繰り広げられる様子が見られた。また各チームは複数の会社による混合にしており、お互いの状況を知る良い機会にもなったようで、これは同イベントの大きな特徴とも言っていいだろう。




最後にコロプラの近藤氏は、「以前より継続的に参加してくれている人、今回も新しく参加してくれた企業があった。この繋がりを絶やさず、参加者を増やしていき、コミュニティをもっと大きくしていきたい」としてイベントを締めくくった。
コロプラCXグループでは、引き続き同イベントの参加企業を募っている。
コロプラCXグループでは、引き続き同イベントの参加企業を募っている。
■関連リンク
会社情報
- 会社名
- 株式会社コロプラ
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役社長 宮本 貴志
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高259億7500万円、営業損益12億800万円の赤字、経常損益9億4700万円の赤字、最終損益18億6600万円の赤字(2024年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3668