10月3日午前の東京株式市場でグリー<3632>株が今年の最安値をつけた。前日(2日)に単体で200人の希望退職者を募集すると発表。人員削減後に業績が成長軌道に回帰するかが不透明で、先行きを懸念した売りが続いているという。
グリー株は10月2日終値から20円(2.7%)安い715円で、3日午前の取引を終えた。一時は707円まで売られ、今年の最安値を更新した。グリーは2日の取引終了後に「グリー本体の全従業員(1762名)の約1割に相当する200名の希望退職者の募集を実施する」と発表した。厳しい経営環境の下、事業規模の適正化と経営資源の効率化を一層推進するためという。
株式市場では、不採算事業の人員削減やリストラは「コスト削減→利益改善」と解釈され、買い材料となることもある。ただグリーの場合は主力のゲーム事業での希望退職募集。ソフトウェア産業であるゲーム会社は人材が最大の資産といってもよく、市場では「希望退職募集で優秀な人材が逃げ出す恐れがある」(松井証券の窪田朋一郎マーケットアナリスト)との声がある。
株式市場の評価を回復させるには、ヒット作の登場による売上高の増加が必要となりそうだ。
会社情報
- 会社名
- グリー株式会社
- 設立
- 2004年12月
- 代表者
- 代表取締役会長兼社長 田中 良和
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3632