コロプラ<3668>は、11月26日、ゲーム業界経験者を対象にした少人数の特別セミナー「副社長ととことんゲーム市場の『今』について 議論し合う座談会!」をコロプラ本社で開催した。当サイトで告知したところ、10名枠に対して 40名以上の応募があり、抽選にて参加者を選抜した。
■コロプラの「今」
まず、コロプラの千葉功太郎氏がコロプラの成り立ちやゲームを生み出すための組織、戦略などについて語った。
コロプラは、馬場功淳社長がKLab、グリーでエンジニアとして勤務していた時、位置情報ゲーム「コロニーな生活」を個人的なサービスとして立ち上げ、運用していたことがスタートだった。しかし、エンジニアとして勤務することと、「コロニーな生活」の運営を両立させることが難しくなり、個人事業として独立。2008年10月に株式会社コロプラを設立した。
馬場氏と千葉氏は、KLab時代に同僚だったが、その当時から仲が良く、2009年1月に一緒に仕事をするようになったという。「コロニーな生活」が人気となり、馬場氏1人でサービス運営をすることが難しくなったことに加え、「馬場氏の仕事中の話し相手」となるため、デザイナーとともに合流したとのことだった。
創業当時、入谷にあるマンションの一室を借りて3人で業務を行っていた。入谷にオフィスを設置したのは、秋葉原に近いため。馬場氏は、サーバーの負荷が大きくなると秋葉原に出向いて最新のサーバー一式を購入し自分で組み立てて設置していた。そのなかで千葉氏は当時、企画だけでなく、様々な事務も担当していたという。
千葉氏は、その当時の開発スタイルが現在のコロプラにも引き継がれていると指摘する。それは、スモールチームで運営すること、そして、エンジニア、デザイナー、ディレクター兼プランナー という3職種がいれば、サーバー構築からゲームサイトの構築、ゲーム開発・運営、サポートまでひと通りのサービスが提供できることだ。
少人数かつ3職種でチームを作れば、常に一緒に作業しているため、仕様書や企画書を使わず、その場で話し合って、余計なミーティングを行う必要がない。そして、利用者の声に耳を傾けながら、モノづくりに専念できるため、スピードと効率性を高めることができる。こうした開発スタイルがコロプラの開発力の源泉になっていると千葉氏は推測している。
また、千葉氏は、コロプラの開発スタイルについて、「コロプラと同時期に成長したITベンチャーではあまりみられないもの」と語る。ITベンチャーでは、人数や職種を揃えつつ、きちんと仕様書も書いて開発する、といったSI(システムインテグレータ)的なスタイルを踏襲する会社が多いのとは対照的といえよう。
もうひとつの特徴として、場合によってはいままで作ってきたものを全て捨てることがあり、当初の企画とは全く違うゲームになることも多々あるという。例えば、『蒼の三国志』は当初、カードバトルになる予定だったが、一度完成した後、いくらチューニングしても面白くならないと判断し、一から開発をやり直し、現在の形になったという。
継続か捨てるかの判断のカギは、社内でのレビューである。企画書や仕様書がないため、他のプロジェクトの開発スタッフがゼロベースで、開発中のあらゆるフェーズでゲームに触れて、「面白い・面白くない」の判断をするほか、ゲーム内容の改善ポイントや不具合などを見つけて指摘する。開発者にとっては、しんどい局面なのだが、ゲームの品質向上には必要不可欠だ。
コロプラがスマートフォンにシフトしたのは約2年前。それ以前は、位置情報ゲームと位置ゲープラットフォームを展開していた。当時、フィーチャーフォンが主流だったが、その時より新規開発リソースは全てスマートフォン向けアプリに振り向けることを決定。これまでHTML5を使ったり、Unityを駆使したりと試行錯誤を行い、現在では売上に占める割合が90%に達している。
アプリのダウンロード数は9月時点で4800万件、この日(11月23日)に6000万ダウンロードを突破した旨のリリースを発表している。
カジュアルゲームを提供するKuma the Bearについては、MAU(Monthly Active Users)が200万件を確保できるように、ライトで楽しく良質な無料ゲームを提供し、本格的なオンラインアプリに誘導している。Kuma the Bearブランドは、当初、こうした戦略的な意図はなかった。ゲームの初心者がカジュアルゲームに触れてゲームに慣れ、次第にオンラインアプリに移行するケースが増えていったのだ。
コロプラでは、2014年9月期はKuma the Bearアプリの新作を毎週1本作るという目標を立てている。現在のカジュアルゲームは、エンジニアとデザイナーがペアになって作り、企画から開発まで10営業日というルールで作っている。専任のメンバーが作っているケースもあれば、Unityブートキャンプの卒業制作として作っているケースもある。短期間で開発するため、PDCAが回しやすく、技術レベルや開発力の向上にもつながっている。
千葉氏は最後に「コロプラは、派手で最新のマーケティング手法は使わず、クリエイティブ先行型の会社です。良いもの、お客さまに喜んでもらえるものを作っていれば、自然と収益が上がると考えています。実はとても地味な会社なんです」とまとめた。
■コロプラの「今」
まず、コロプラの千葉功太郎氏がコロプラの成り立ちやゲームを生み出すための組織、戦略などについて語った。
コロプラは、馬場功淳社長がKLab、グリーでエンジニアとして勤務していた時、位置情報ゲーム「コロニーな生活」を個人的なサービスとして立ち上げ、運用していたことがスタートだった。しかし、エンジニアとして勤務することと、「コロニーな生活」の運営を両立させることが難しくなり、個人事業として独立。2008年10月に株式会社コロプラを設立した。
馬場氏と千葉氏は、KLab時代に同僚だったが、その当時から仲が良く、2009年1月に一緒に仕事をするようになったという。「コロニーな生活」が人気となり、馬場氏1人でサービス運営をすることが難しくなったことに加え、「馬場氏の仕事中の話し相手」となるため、デザイナーとともに合流したとのことだった。
創業当時、入谷にあるマンションの一室を借りて3人で業務を行っていた。入谷にオフィスを設置したのは、秋葉原に近いため。馬場氏は、サーバーの負荷が大きくなると秋葉原に出向いて最新のサーバー一式を購入し自分で組み立てて設置していた。そのなかで千葉氏は当時、企画だけでなく、様々な事務も担当していたという。
千葉氏は、その当時の開発スタイルが現在のコロプラにも引き継がれていると指摘する。それは、スモールチームで運営すること、そして、エンジニア、デザイナー、ディレクター兼プランナー という3職種がいれば、サーバー構築からゲームサイトの構築、ゲーム開発・運営、サポートまでひと通りのサービスが提供できることだ。
少人数かつ3職種でチームを作れば、常に一緒に作業しているため、仕様書や企画書を使わず、その場で話し合って、余計なミーティングを行う必要がない。そして、利用者の声に耳を傾けながら、モノづくりに専念できるため、スピードと効率性を高めることができる。こうした開発スタイルがコロプラの開発力の源泉になっていると千葉氏は推測している。
また、千葉氏は、コロプラの開発スタイルについて、「コロプラと同時期に成長したITベンチャーではあまりみられないもの」と語る。ITベンチャーでは、人数や職種を揃えつつ、きちんと仕様書も書いて開発する、といったSI(システムインテグレータ)的なスタイルを踏襲する会社が多いのとは対照的といえよう。
もうひとつの特徴として、場合によってはいままで作ってきたものを全て捨てることがあり、当初の企画とは全く違うゲームになることも多々あるという。例えば、『蒼の三国志』は当初、カードバトルになる予定だったが、一度完成した後、いくらチューニングしても面白くならないと判断し、一から開発をやり直し、現在の形になったという。
継続か捨てるかの判断のカギは、社内でのレビューである。企画書や仕様書がないため、他のプロジェクトの開発スタッフがゼロベースで、開発中のあらゆるフェーズでゲームに触れて、「面白い・面白くない」の判断をするほか、ゲーム内容の改善ポイントや不具合などを見つけて指摘する。開発者にとっては、しんどい局面なのだが、ゲームの品質向上には必要不可欠だ。
■営業利益は3.8倍に
次に開発体制の特徴を説明した後、決算説明会資料を参照しながら、現在の会社の状況を説明した。2013年9月期は、売上高が前年の50億円から167億円に3.3倍、営業利益が同15億円から57億円の3.8倍と大きく伸びた。AppAnnieの調査によれば、国内のスマートフォンアプリの市場規模は2.5倍を上回る成長だが、馬場氏は、全社朝会で「何もしていなくても2.5倍に伸びたはずなのに、それを0.8しか上回っていない。コロプラの力はその程度なのか。 」と語ったエピソードも紹介した。コロプラがスマートフォンにシフトしたのは約2年前。それ以前は、位置情報ゲームと位置ゲープラットフォームを展開していた。当時、フィーチャーフォンが主流だったが、その時より新規開発リソースは全てスマートフォン向けアプリに振り向けることを決定。これまでHTML5を使ったり、Unityを駆使したりと試行錯誤を行い、現在では売上に占める割合が90%に達している。
アプリのダウンロード数は9月時点で4800万件、この日(11月23日)に6000万ダウンロードを突破した旨のリリースを発表している。
カジュアルゲームを提供するKuma the Bearについては、MAU(Monthly Active Users)が200万件を確保できるように、ライトで楽しく良質な無料ゲームを提供し、本格的なオンラインアプリに誘導している。Kuma the Bearブランドは、当初、こうした戦略的な意図はなかった。ゲームの初心者がカジュアルゲームに触れてゲームに慣れ、次第にオンラインアプリに移行するケースが増えていったのだ。
コロプラでは、2014年9月期はKuma the Bearアプリの新作を毎週1本作るという目標を立てている。現在のカジュアルゲームは、エンジニアとデザイナーがペアになって作り、企画から開発まで10営業日というルールで作っている。専任のメンバーが作っているケースもあれば、Unityブートキャンプの卒業制作として作っているケースもある。短期間で開発するため、PDCAが回しやすく、技術レベルや開発力の向上にもつながっている。
千葉氏は最後に「コロプラは、派手で最新のマーケティング手法は使わず、クリエイティブ先行型の会社です。良いもの、お客さまに喜んでもらえるものを作っていれば、自然と収益が上がると考えています。実はとても地味な会社なんです」とまとめた。
■座談会は予定時間を1時間以上オーバー
その後、参加者の自己紹介とともに、千葉氏を交えて座談会が行われた。そこでは「『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』は本当に10人で開発しているのか」、「Unityの導入を決めた時期と社内でどう定着させたか」、「クリエイターの評価制度」、「面白いゲームをつくるヒントを、失敗談を交えて話し合う」、「これまでやられたと思ったゲーム」などをテーマとして、活発に話し合いが行われた。当初、午後7時30分にスタートし、午後8時30分 頃の終了を予定していたが、それを大きく1時間以上超える午後9 時30分に終了した。
■12月10日に追加セミナーを開催
また、今回のセミナーは予想を上回る応募数であったため、12月10日(火)に追加セミナーを開催することを決定。今回も「副社長ととことんゲーム市場の『今』について 議論し合う座談会!」ということで、ゲーム業界で仕事をする現役クリエイター10名枠限定での開催となり、応募多数の場合は抽選となる。
会社情報
- 会社名
- 株式会社コロプラ
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3668