ブシロード、第3四半期の営業益は11％減の22億円　新型コロナでライブ・興行、TCGが打撃　モバイルゲームは過去最高売上

ブシロード<7803>は、この日(6月19日)、2020年7月期の第3四半期(19年8月～4月)の連結決算を発表し、の経営成績は、売上高252億2400万円(前年同期比7.2%増)、営業利益22億1400万円(同11.4%減)、経常利益22億0500万円(同12.6%減)、最終利益12億3000万円(同15.1%減)と増収減益となった。

新型コロナウイルス感染症の影響で、音楽ライブやプロレス興行などを行うライブIP事業が大きな影響を受けたほか、TCG部門も受注が大きく減ったことが響いた。こうしたなか、モバイルオンラインゲームは過去最高の売上を達成した、としている。第3四半期では赤字になったとのこと。

 

1.デジタルIP事業
売上高182億4100万円(前年同期比5.9%増)、セグメント利益13億6800万円(同5.0%減)となった。

TCG(トレーディングカードゲーム)部門は、コロナ禍により全体的に受注が減少する中、自社他社を問わず様々な有力IPを取り入れて展開するプラットフォーム型TCG「ヴァイスシュヴァルツ」が好調を維持した。低年齢層向けTCG「バディファイト」(自社IP)は引き続き軟調に推移する一方、オリジナルのIPを中心として他の自社他社IPも取り入れながら展開するハイブリッド型の新しいTCG「Reバース for you」を3月に発売開始した。

MOG(モバイルオンラインゲーム)部門においては、2月に「ロストディケイド」(他社IP・自社配信)、3月に「クレヨンしんちゃん ちょ～嵐を呼ぶ 炎のカスカベランナー!! Z」(他社IP・自社配信)、4月に「ヴァンガードZERO」(自社IP・自社配信)の英語版をリリースした。また、「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」(自社IP・他社配信)は3月に3周年のキャンペーンを軸としたメディアミックスを展開して、「バンドリ!」プロジェクト第4のリアルバンド「Morfonica」の初公開とゲームへの実装も行い、トップラインは堅調に推移した。しかしながら、一部タイトルの運営管理費が増加した。

MD(マーチャンダイジング)部門においては、新型コロナウイルス感染症の中国での流行に伴い、中国で生産を行う商品の製造・納品への影響が懸念されたが、限定的な影響にとどまった。しかしながら、リアルイベントの中止が相次ぎ、販売機会の逸失が発生した。一方、ECショップを通じた、同社音楽部門で開催を予定していた音楽ライブに関するグッズの販売が、売上を下支えした。

メディア部門においては1月より放送のTVアニメ「BanG Dream!3rd Season」及び4月より放送のTVアニメ「アルゴナビス from BanG Dream!」に係る償却費が増加した。


2.ライブIP事業
売上高69億8200万円(前年同期比10.9%増)、セグメント利益8億2900万円(同24.7%減)となった。

音楽部門は新規IPである「D4DJ」(自社IP)では無観客ライブ「ロストディケイド & D4DJ Groovy Mix Presents ONLINE LIVE」を開催し、初のアルバム「Direct Drive!」を発売した。また、「バンドリ!」(自社IP)では「BanG Dream!3rd Season」と「アルゴナビス from BanG Dream!」の2つのTVアニメを中心としたメディアミックスを展開し、4月にはNHK-FMで「今日は一日“バンドリ!"三昧」が放送され関連ハッシュタグがTwitterの世界トレンド1位を獲得する等、継続的に大きな話題を提供することができた。また、2月には「バンドリ!」の音楽ライブ「Rausch」と「Craziness」を開催し、2日間で3万1055人を動員したが、3月以降はオフラインでの音楽ライブやイベントを延期・中止したため、チケット売上が減少した。

スポーツ部門では、新日本プロレスは2月までは「THE NEW BEGINNING in SAPPORO ～雪の札幌2連戦～」、「THE NEW BEGINNING in OSAKA」などビッグマッチをはじめ興行を実施したものの、新型コロナウイルス感染症の影響で3月以降の興行を中止したため興行売上が減少した。このような情勢の中、「新日本プロレスTogetherプロジェクト」と銘打ち、選手、スタッフが「今できること」を形にしたプロモーションを展開し、動画配信サービス「新日本プロレスワールド」で多数の動画を制作・配信するなど、プロレスというコンテンツの情報発信を継続した。


 
2020年7月期の連結業績予想については、合理的に算定することが困難と判断し、未定としている。今後、業績予想の算定が可能となった段階で、速やかに公表する、としている。